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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

増え続ける老人の生活保護費受給

2017-06-09 05:49:31 | 2012・1・1
厚労省の平成27年の生活保護受給調査が発表になった。これを伝える産経新聞(6月8日付首都圏版)の記事は、その主見出しに”受給者20年ぶりに減”、副見出しは”27年度世帯数は過去最高”とあり、一見した読者は戸惑うのではないか。両見出しとも事実なのだが、内容実態の分析によって違ってくる。

受給者が20年ぶりに減に転じたのは、おそらくアベノミクスの効果もあってか、ここへきて有効求人数が増え、失業者がなくなってきたこと。行き過ぎとの批判がったが、小田原市市の”保護なめるな”といった保護費不正受給に対する役所の窓口の努力もあったのかもしれない。

しかし、一方では27年度の受給世帯は過去最高だという。それも65歳以上の高齢者世帯が83万人7000人と、総受給者数の51パーセントと、初めて高齢者受給者が半分を超えた。団塊世代の高齢化入りに従って、無年金、低年金者が急増してきた。また、核家族化の影響で、独りきりの単身世帯が増えてきている。これが”過去最高の世帯数の増加”となっている。

今年の大型連休の最後の日、北九州市の小倉北区の格安アパートで火事があり、6人が亡くなっているが、大半が生活保護費受給の老人だったという・先年、川崎市日進町の簡易宿泊所での火災の犠牲者も生活保護の受給者が多かった。受給額の多寡ではなく、貧困な高齢者にとって、この国は無策で冷たいのではないだろうか。国民年金だけでは、老後の生活は送れない。生活保護の実態をふまえて
もう一度、高齢者問題を考えるべきである。