「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"眉に唾つけて” 北方領土の日露共同経済活動

2017-06-27 06:25:15 | 2012・1・1
東京のロシア大使館の旧住所は麻布狸穴(まみあな)町といった。江戸時代にはタヌキが住む辺鄙な場所だった。4月の安倍総理とプーチン大統領との首脳会談で決まった北方領土での日露共同経済活動の調査団一行70人が今日ロシアに向けて出発した。まだ話し合いが始まる前なのに、ロシア大嫌い人間の僕には、話がすべて「眉唾」に見えてならない。「眉唾」とは、タヌキやキツネに化かされないためには、あらかじめ眉に唾しろという昔からの言い伝えだ。

4月の首脳会談では、調査団の派遣は5月に決まっていたが、現地の受け入れが国境警備隊の都合などで手間取り延期された、一方では韓国企業の現地での操業許可を与えたりしている。つい先日も首脳会談で合意を見ていた、北方領土元島民の飛行機による墓参が”濃霧”による理由で2日にわたって禁止されている。2日間も飛行機が離着陸できない日が続くものだろうか。

ソ連(当時)が日本との間の不可侵条約の延長に応ぜず、敗戦1週間前の昭和20年8月8日、満州に参戦してきたの周知の事だが、日本固有の領土である北方領土は、そのドサクサにまみれて占領したものだ。両国間の平和条約締結を目指す昭和31年の共同宣言では、はっきりと条約締結後の四島の帰属が示されている。今回の共同経済活動も平和条約あってのものだ。ロシアでは来年3月大統領選挙を控えており、プーチン大統領は政治決断はしないというのがもっぱらだ。

隣りの韓国とは違うと思うが、プーチン後の新政権が”最終的、不可逆”とわが国が思っていても、簡単に翻意することはないだろうか。不可侵条約を簡単に翻意する国柄である。第二、第三の”ムネオ.ハウス”にならなければよいが。