「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

コッペパンと戦後すぐのあの時代

2017-06-14 05:37:15 | 2012・1・1
テレビのワイドショー番組で最近都会で高級食パンや高いハンバーガーが流行していると知った。食糧難時代で育った僕はあまりパンにはこだわらない。コンビニで一斤6枚から8枚切り、150円程度の量販店の食パンでも充分だ。ハンバーガーに至っては、子供時の食習慣がないためか、それほど食べたいとも思わない。

そんな折、老妻が買物ついでに隣駅の繁華街に出来た、行列の出来るコッペパン店から、人気の卵入りコッペパンを200円で買ってきた。その一つを相伴しながら、僕は戦後すぐの昭和20年代後半を想い出した。ようやく、配給切符がなくとも外食が出来るようになった時代である。安サラリーマンの僕は、新聞社の地方支局近くのパン屋から、マーガリンを塗りたくったコッペパン一つと牛乳で昼食を済ませていた。ラーメン一杯30円の時代である。

普段、僕は何も気にせずにコッペパンと言っていたが、恥ずかしながら語源を知らなかった。ネットで「コッペパン」を検索してみると、なかなか肝心の語源が出てこず、老妻が買ってきたコッペパン.チェン店の紹介ばかりである。店の宣伝には、こういった方法もあるのかと感心しながら、やっと「コッペパン」の”コッペ”が、フランス語の”Coupe"(切る)からきているのを知った。しかし、日本であの形をしているのが、コッペなのかわからない。多分、パンに切り込みを入れて中に具を入れていたことからきているのであろう。

何故、今、コッペパンに人気が出てきたのか。貧しかった戦後すぐの時代への一種の回顧趣味なのだろうか、それとも実際に昼食代の節約からサラリーマンが、コッペパンで済ますようになってきたのであろうか。