「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

長寿日本一 信州の”かみさんの味”

2017-06-16 05:24:22 | 2012・1・1
厚労省から都道府県別の2015年の死亡率が発表になった。これによると、男女とも最も低いのが長野県である。平均寿命番付でも長野県は80・88歳でトップ。文字通り”信濃の国”は長寿ナンバーワンだ。長野県を第二の故郷とする僕にとっては、まことに同慶の至りである。

縁あって善光寺さまの門前で生まれた老妻と結ばれのは昭和30年、すでにダイヤモンド婚(60年)を過ぎた仲だ。だから、僕には”おふくろの味”よりいも”かみさんの味”のほうが長くなっている。長野県が長寿日本一になったのは、ここ2、30年ほどだそうだから、老妻の料理が直接、今の長寿県、長野とは関係ないのだが、僕は勝手にそうだと思っている。

長野県の長寿の秘訣は、県をあげての減塩運動と”野菜をたっぷり食べる”運動だとされている。老妻は60年前に東京にきており、この運動には無関係なのだが、何故か料理は、東京生まれの”おふくろの味”より薄味で野菜料理が多い。とくに毎朝の味噌汁は東京流に比べて具の野菜が圧倒的に多い。

僕が老妻と初めて知り合った頃の信州では、人の家を訪ねると、どこの家でも、お茶請けがわりに、塩のきいた野沢菜を出したものだが、今、この習慣は減塩運動の効果なのだろうか、少なくなってきた。それに、もともと”信濃の国”は海なし県の山国で、粗食の地である。今は全国的になった”オヤキ”も素朴な食だが、具には野菜が入っている。名物の蕎麦にしてもそうだ。豪華な料理とは思えない。今日も老妻に所望して、信州名物の”したし豆”を茹でてもらう。特産の大豆をただ茹でただけのものだが、絶品である。