「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

豊洲移転 築地再開発 小池知事の巧みな戦術戦略だが

2017-06-21 06:03:54 | 2012・1・1
小池百合子都知事が昨日”緊急”記者会見を開き、中央卸市場を豊洲に移転し同時に築地も市場機能を残した”食のテーマパーク”として再開発するという基本方針を発表した。昨年11月、豊洲への移転延期を決めて以来、迷路に入っていたこの問題もやっと解決への方向性が明示された。7月2日の都議選を前にしての多分の政治判断に見えるが、都民の一人として具体的な方向性が示されたことは歓迎する。

小池氏が升添前知事の辞任を受けていち早く都知事に立候補したのは、1年前の今頃だが、選挙戦から知事就任後の政治手法は好い悪いは別として、その戦術戦略は巧みに僕にはみえる。2020年東京パラリンピックをめグル一連の問題もそうだ。彼女なりの問題をマスコミに提起しておいて都民の注目を集め、結局は”もとのサヤ”に収めるというやり方だ。潔癖性が強く、何事も自分の手でをという性癖なのかもしれない。

今回も豊洲の盛り土問題でまず、都民の目を引き付け”安全ではないが安心ではない”という変な論理を展開しながら、結局は”安全な”豊洲市場への移転を決め、都議選直前に築地再開発のおまけをつけて発表する。都民が安心であるかどうかは、選挙戦の結果というわけだ。早くも今回の知事の方針について、その財源はどうなのか。工程が具体性に欠けているという批判が出ている。しかし、これによって、五輪を前に遅れがちだった築地周辺の道路整備が進むことは確かだ。

もう一つ、小池知事の戦術戦略の勝利は、自民党が「加計文書」のドサクサでで支持率が低下した、この時期を狙ったかのようなタイミングである。小池知事の「都民ファースト」が有利になるのは間違いない。