「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

野田元総理の“股(また)くぐり”

2017-10-01 05:18:18 | 2012・1・1
民主党政権時代の野田佳彦氏が今回の民進党と希望の党との合流に関連して”先に離党した男”(細野豪志氏)の股はくぐらない”と発言したという。細野氏が”三権の長経験者は入党を遠慮してほしい”といった発言への反応である。恐らく、野田氏は希望の党が民進党離党者を公認するかどうかは、小池百合子代表と民進党の前原誠司代表との間で決めるべき問題だというのだろう。

野田氏の”股くぐり”発言は多分、中国の故事”韓信の股くぐり”が頭にあったのだろう。「慣用句ことわざ辞典」(三省堂)によると、中国の漢時代の名将、韓信が若い頃、無頼者にケンカを売られたが、言われるままに無頼者の股をくぐった。後に韓信は,漢の高祖を助け天下統一の功績のあった名将になったが、この故事は”大志を抱く者は、腹を立てずに、よく忍耐せよ”という意味である。

民進党は希望の党への合流を議員全員総会で了承している。前原代表によれば、安倍政権打倒ということで”名を捨て実を取る”ことでの合流だった。ところが、相手の希望の党の小池代表は、民進党全員を公認するのではなく、左派は排除すると公言している。左派のの中には辻元清美議員のように希望の党へは行かないと断言しているが、選挙公示まで10日に迫って、希望の党から公認を得られるかどうか決まらないのは罪な話である。

安倍政権打倒という”大志”があるのなら、前原代表は小池代表との話し合いの中で、無条件の合流を決めるべきであった。細野氏も代表ぶった発言をすべきではないし、野田氏もこれに腹を立てず、股をくぐるべきである。小池新党にある程度期待していた世論も民進党の自爆による、合流で風向きは自民党有利に変ってきたように僕にはみえる。