「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本の特産品 柿をもっと世界に売りこもう

2017-10-30 05:56:25 | 2012・1・1
今年は全国的に柿の当たり年のようで安い。先日も近所のスーパーで立派な柿が一個50円で売っていたので、つい6個300円で買って帰ったら”年寄りがこんな重い物を買ってくるな”と老妻から叱られた。僕が住む町は「柿の木坂」と名前がついているが、今は開発されて、町中にはほとんど柿の木は見当たらない。昭和30年代、青木光一が歌ってヒットした「柿の木坂の家」は、作曲家石本美由記が故郷の広島県大竹市を回想したものでわが町ではないが、何か柿には親しみがある。

”柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺”の子規の句で代表される柿は日本の国民的な果物で、英語ではパーシモン(perasimmon)というそうだが、物の本によると。パーシモンと柿は別物で、柿はあくまで柿であるという。20年前、僕は北スマトラのメダンに長期滞在していたが、メダンの果物店で売られていた、ブラスタギ産の柿も”kaki "の名前で売られていた。余談になるがインドネシアの初代大統領は大の柿好きだった。彼の自伝には、いつも日本へ行くと柿を所望したと書いてある。

数ある柿の中も僕は勤務したことがる会津の身知らずの柿が一番すきだ。渋柿を上手に処理した大型の柿だがその味は絶品だ。その身知らずの柿が東日本大震災の原発事故で被災したという風評の影響を受けているという。同じ福島県といっても原發のある太平洋岸の浜通りと会津とでは100キロ以上も離れている。にも拘らず、現地では6年経った今でも、出荷のさいセシウムの量の明記を求められているとのことだ。

”柿が熟せば医者いらず”という諺が昔からあるぐらいだ。こんなに滋養に富んだ柿だ。それに”桃栗三年柿八年”と比較的成長も早い。国土の三分の二が山国のわが国である。もっと国土を活用して、柿を日本の特産品として世界に売り込んだらどうだろうか。