「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「全世代間福祉」と高齢者医療

2017-10-27 06:04:13 | 2012・1・1
厚労省の今年度「厚生労働白書」が先日の閣議に報告された。その骨子を新聞で読んだが、従来の高齢者中心の福祉政策を全世代対応の政策に転換しようというものらしい。その理由の一つとして、例えば世帯主が40歳代の家庭の年間所得300万円未満の層が増加し、一方、65歳以上の高齢者の100万以下の層が減り、200万―500万円の中間所得層が増加してきている点をあげている。

この具体策として、高齢者医療の不均衡を取り上げ、65歳以上現行1割の窓口負担を2割に引き上げ、75歳以上の後期高齢者も将来適用されるらしい。確かに80歳代の僕が見ても1割負担では社会一般の物価からみて安すぎる感じがする。僕の場合は、家屋と土地が自分のもので、地方税を納入しているという理由から窓口3割負担だが、3割と1割とでは随分と違う、老妻がこぼしていたが、整形外科病院で電気治療をすると、3割負担では、一回830円も支払うが、一割負担では300円で済むらしい。一事が万事で、病院の待合室は老人の談話室化しているという指摘もある。

しかし、高齢者医療を一律に2割に引き上げた場合、低額所得者は”医者に行けなくなる”かも知れない。わが家の場合をあげて恐縮だが、年金収入は僕の厚生年金が中心で、二人の老齢基礎年金併せて、240万円程度だが、後期高齢者医療保険、介護保険を併せると、50万円近く納入している。二人ともガン手術をしているが、今は日常的には健康で、月に1回、通院する程度ですんでいる。しかし、老妻が冗談で言っているが、これ以上医療費があがれば、足の電気治療を止めなくなるかもしれない。政府に望みたいのは、均衡の取れたきめ細かい福祉政策である。