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その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤル・バレエ 『シンデレラ』 (吉田都さん ホントの最終公演)

2010-04-24 07:36:33 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 先週土曜日に吉田都さんのロイヤルバレエ最終公演初日を観た後(→模様はこちらから)、どうしてもホントの最終公演を見たくなり、幾度かホームページでリターンチケットを漁った。その結果、幸運にも4階席右のベンチシートをゲット。

 本当に、行けて良かった。ロイヤル・バレエの歴史にも残るであろうし、自分史のなかでは間違いなく記憶に残り続ける舞台だった。

 座席は土曜日の平土間かぶりつき席と比較するべくもない、4階席だが、今日の感動度は土曜日を上廻る素晴らしいものだった。今日の都さんは土曜日よりも前回よりも更に完璧だったと思った。きっと彼女にしてもロイヤル・バレエの最後の最後。きっと、常人には想像を絶する思いで臨んだ舞台に違いない。でも、そんなことを微塵も感じさせない、リラックスし、親しみがあり、時として余裕さえ感じさせ、和ませるバレエだった。何がそう感じさせたのか?きっと、今夜の彼女の踊る表情だと思う。私の印象では、土曜日よりも踊る表情が豊かだったように感じられた。第二幕の舞踏会における一連の踊りは、ホント、我を忘れて、ボーっと涎を垂らして見入ってしまうような踊りであり演技だった。

 今日、会社で同僚と吉田都さんの話をしたら 「彼女のバレエは人を幸せな気持ちにするバレエと言われているらしいですね」と教えてくれた。その通りだと思った。会場全体の観衆が皆、幸福感一杯に浸っているのをひしひしと感じた。

 公演自体が素晴らしかったこと、ホントの最終公演という記念碑的公演であることから、終演後の拍手は凄まじいものだった。花が舞台に投げ込まれ、都さんは何度もカーテンコールに呼び戻される。会場が明るくなっても、拍手は止まず、私の前に座っていたイギリス人グループは足踏みをドンドンして、都さんの登場を促す。そして、それに応える都さん。拍手とカメラで忙しい私は、彼女の表情まで読み取れなかったが、どんな表情をしていたのであろうか。

 本当に彼女はロイヤル・バレエから去ってしまうのか?真偽のほどは分からないが、一説によると日本でも、あと数回の公演を残すのみという話も聞く(追記:この後の日本公演がロイヤルバレエの最後で、その後は日本の別の団体で活躍されるようです)。あまりにももったいない。この1週間で2回見ただけの俄か吉田都ファンが何を言うかという感じだが、素人にも技、表現、バランスが素晴らしく、他の人と比較しても抜きんでているかは、一目了然である。もうロイヤル・バレエでナマで見る機会はないというのは余りにも惜しいが、この最後の2回の公演を観る幸運に巡り合えたことについては本当に天に感謝したい。

 ※取り急ぎ、今の気持ちを忘れたくないので速記。(2010.4.23 23:38)
  
 ロイヤルバレエ幹部から花束贈呈。


 拍手に応える都さん。


 


 何度も呼び出される都さん


 投げ込まれた花が一杯です
 

(余談)
 今日も日本人の観客が沢山いらっしゃいましたが、偶然、隣に座ったのが、若き日の和久井映見そっくりの大阪出身のべっぴんお嬢さん。ロンドンでの半年の語学留学を終えて、日本に先週帰る予定だったのが、火山灰の影響で帰国が延び、リターンチケットをゲットして、今日の公演を観にこれたとか。入れ替わりにこれから語学研修に入るという、お友達の同じくべっぴんお嬢さんとご一緒で「ホント、幸運です」と仰ってましたが、こんな灰の光明もあるんですね。そう考えると、自分のリターンチケットも火山灰のおかげかも。
コメント (4)
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