その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

London Symphony Orchestra / Daniel Harding

2011-02-18 23:55:52 | コンサート (in 欧州)
2ヶ月ぶりにLSOのコンサートに足を運びました。ロンドンのオーケストラは、皆、個性的で面白いのですが、私の場合、しばらく行かないと禁断症状が出るのはやっぱりLSO。最近、ぶるぶる震えが止まらず、ましてや今回はブラームスのヴァイオリン協奏曲とあれば行かないわけには行きません。

この日は最初にGary Carpenterさんという人の”Fred&Ginger”という現代曲。世界初演なので当然、初めてです。短い曲ですが、ジャズっぽいリズムが入って、楽しんできく聴くことができました。

続いて、早くもお目当てのブラームスのヴァイオリン協奏曲。今回のソリストのJanine Jansenは初めて聴く人ですが、とっても長身で大柄です。水色のドレスがとても映えて、舞台栄えする人でした。指揮台に立つハーディングと同じぐらいの背丈があります。
 
その彼女のヴァイオリンは、ぐいぐい押す迫力とうっとりするような優しさを併せ持った演奏でした。パワフルで情熱的ですが、けっして粗野ではありません。オーケストラも良く鳴っていて、弦のアンサンブル、管の響きともに秀逸で、聞き惚れるとはこういうことを言うのだろうなと思ったぐらいでした。

大きな拍手にこたえるJanine Jansenは小柄なハーディングの二回りぐらい大きいです。観衆の絶大な拍手に対して応える際も、ハーディングは彼女とあんまり並び立ちたあそうじゃなかったのがちょっと微笑ましくみえました。小柄なハーディングがますます小さく見えるから。
 
休憩を挟んで、続いては、ワーグナーの「ジークフリートの牧歌」。ワーグナーらしい重層的な音楽をLSOの弦、個性豊かな漢楽器が共演します。文句なしに美しい音楽でした。

そして、最後はシュトラウスの『死と変容』。シンプルな私なんぞは、この題名をきいただけで、ひいてしまうのですが、これもとっても良い演奏だったと思います。スケールが大きい音の塊が、大波のようにうねり、重なりあって迫って来ました。まさに、LSOの本領発揮という感じです。素晴らしい弦と管の個性のぶつかり合い

あえてのネガティブコメントを言うとすると、私のファンのハーディングの指揮振りでしょうか?ちょっとナリで振ってないか?と思うほどオケの力量に委ねた感じの没個性的な指揮ぶりに感じられました。守るには、まだあなたあなたはまだ若い。もっと、戦ってほしい。

久々のLSOコンサート。やっぱり、LSOのコンサートとはめったに外れがありません。

London Symphony Orchestra / Daniel Harding
Brahms Violin Concerto with Janine Jansen, plus music by Wagner and Strauss
17 February 2011 / 19:30
Barbican Hall

Gary Carpenter Fred & Ginger
Brahms Violin Concerto
Wagner Siegfried Idyll
Strauss Tod und Verklärung

Daniel Harding conductor
Janine Jansen violin
London Symphony Orchestra

コメント
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