フランスの支店長(フランス人)から「フランスオフィスの2011年キックオフイベントをやるから来ないか?」と誘われたので、パリまで行ってきた。
フランス人の企画とは思えない、とんでもない企画だった。
夕方15:30、パリ市内のレストランを借りきって総勢70名余りの社員が集まる。第一部は、100%ビジネス。欧州社長の欧州事業計画プレゼンテーションから始まり、フランス支店長のフランスプランの説明、続いて営業やオペレーションの各責任者からの決意表明。「フランチーム一丸となってみんな、がんばるぞ〜、エイエイオー」みたいな感じ。へえフランス人もこんなことするんだと感心した一方で、社員の中には何となく乗り切れない雰囲気の人もいた。
つづいて第2部。てっきり、そのまま、パーティーかと思ったら、メトロで20分近くの移動。実は、この日の企画は第一部の会場を除いては、私も含めて社員には何も知らされていなかった。どこに行くのもわからないまま、誘導されるままに動くだけ。ミステリーツアーだ。
たどり着いたのはパリ市内ではあるが、観光では絶対行かないような場末感一杯のところ。アフリカ系や中東の人ばかりが目につく。そこの一角にある雑居ビルの階段を上っていく。まだ5時だし、パーティーの時間には、少し早いなあと思ったが、なんとたどり着いたのはバンド練習用のスタジオだった。狭くて、雑然とした廊下にエレキギターを担いだフランスのあんちゃん達がうろうろしている。ここで飲み会????
と思ったら、2部屋に分かれてダンスの練習だった。インストラクターがポップな音楽(後で聞いたら、Black Eyed Peasというグループの I Gotta Feelingという有名な歌らしい)に合わせてエアロビ擬きのダンス(これも後で聞いたら、フラッシュダンスというダンスらしい)を教えてくれる。皆、何でこんなことするんだと思いながらも、インストラクターの元気のよさに押されるように有無を言わさず踊らされる。まあ、この手のアクティビティは始めればそれなりに楽しいものだ。2時間みっちり、レッスンで汗だくである。なるほど、こうやって飲み会の前に共通体験を積ませてチームビルディングに役立てようって腹だな。と理解した。確かにパーティー前の運動は、ビールがさぞかし旨くなるだろう。しかし、これで終わらなかったのである。
2時間のレッスンが終わったら、第3部会場に移動と知らされる。少し広い会場で、記念に、全員で揃って踊ってビデオを撮るという。まだ移動かよ。段取り悪いんじゃないか?と思いつつ、メトロに乗ってまた移動。そしたら・・・・
到着したのはサン・ミッシェル噴水前の広場。東京で言えば、表参道の交差点広場というか、新橋の駅前広場というか、ぴったりのイメージのところは難しいが、メトロの出入口にあり、とにかく人がたくさん集まる広場だ。なんと、そこでストリートダンスとして、さっき覚えたダンスを皆でやるというのである。「え〜〜〜」、皆の顔に動揺が・・・。しかし、準備よく、もう立派なスピーカーや音響機器がセットされている。すぐに、イントロが流れ始める。躊躇している時間はない・・・
総勢70名のストリートダンスがスピーカー一杯から流れるポップミュージックとともに始った。50人はいるかと思われる、周囲にバラバラにいた人たちが、いきなり何が始まったのか?と集まってくる。
半分やけくそだが、この観衆の手前、あんまりみっともないことはできないと皆一生懸命踊る。まあ70人分の一だから、照れもあまりない。それより、観客はどんどん増えてくる。僕らの躍りに合わせて、一緒に踊っている人たちが見える。歓声も聞こえる。携帯で写真もとってる。こんな俺らを撮ってどうするんだとも思ったが、悪い気はしないもんだ。5分足らずの、まさに一芸はあっという間に終わった。最後には優に100名は集まっていたように見えた観衆から拍手ももらった。というか、自分達で自分達に拍手していた。
終わるや否や即、逃げるように徹収。そして、最後の移動で、振り出しのレストランに戻って、パーティーだ。盛り上がらないわけがない。パーティーの後半には、今日の練習から本番までの模様がビデオ編集されて、まさにプロジェクトXとして放映された。自分達の踊りを見る。なかなかいけてるじゃないか・・・・って。皆嬉しそう。
パーティで、支店長と話した。
「すごい企画だったね。悪いけど、フランス人がこんなことして喜ぶなんて思いもしなかった。僕の「個人主義のフランス人」のステレオタイプは完全に崩れたよ。」
「そうだろ。でも、もしこれが事前に内容をアナウンスしてたら誰も来ないよ。基本的には好きじゃないからね。でも、やればみんな楽しいのさ。こういうチームビルディングは大事なんだ。楽しんでくれた?」
「ああ、すごく楽しかった。誘ってくれてありがとう。でもこれで来年が大変だね。みんなもっと凄い企画を期待するぜ。」
「ああ、分かってる。でも大丈夫。もう来年のことも考えてある。」
今年のフランスチームの躍進は間違い無さそうだ・・・・
PS 今朝一番のユーロスターでロンドンに帰った。オフィスに到着するや否や、何人の社員から声をかけられた 「昨日、ストリートで踊ったんだって???」。この手の情報は廻りが早いのである。
フランス人の企画とは思えない、とんでもない企画だった。
夕方15:30、パリ市内のレストランを借りきって総勢70名余りの社員が集まる。第一部は、100%ビジネス。欧州社長の欧州事業計画プレゼンテーションから始まり、フランス支店長のフランスプランの説明、続いて営業やオペレーションの各責任者からの決意表明。「フランチーム一丸となってみんな、がんばるぞ〜、エイエイオー」みたいな感じ。へえフランス人もこんなことするんだと感心した一方で、社員の中には何となく乗り切れない雰囲気の人もいた。
つづいて第2部。てっきり、そのまま、パーティーかと思ったら、メトロで20分近くの移動。実は、この日の企画は第一部の会場を除いては、私も含めて社員には何も知らされていなかった。どこに行くのもわからないまま、誘導されるままに動くだけ。ミステリーツアーだ。
たどり着いたのはパリ市内ではあるが、観光では絶対行かないような場末感一杯のところ。アフリカ系や中東の人ばかりが目につく。そこの一角にある雑居ビルの階段を上っていく。まだ5時だし、パーティーの時間には、少し早いなあと思ったが、なんとたどり着いたのはバンド練習用のスタジオだった。狭くて、雑然とした廊下にエレキギターを担いだフランスのあんちゃん達がうろうろしている。ここで飲み会????
と思ったら、2部屋に分かれてダンスの練習だった。インストラクターがポップな音楽(後で聞いたら、Black Eyed Peasというグループの I Gotta Feelingという有名な歌らしい)に合わせてエアロビ擬きのダンス(これも後で聞いたら、フラッシュダンスというダンスらしい)を教えてくれる。皆、何でこんなことするんだと思いながらも、インストラクターの元気のよさに押されるように有無を言わさず踊らされる。まあ、この手のアクティビティは始めればそれなりに楽しいものだ。2時間みっちり、レッスンで汗だくである。なるほど、こうやって飲み会の前に共通体験を積ませてチームビルディングに役立てようって腹だな。と理解した。確かにパーティー前の運動は、ビールがさぞかし旨くなるだろう。しかし、これで終わらなかったのである。
2時間のレッスンが終わったら、第3部会場に移動と知らされる。少し広い会場で、記念に、全員で揃って踊ってビデオを撮るという。まだ移動かよ。段取り悪いんじゃないか?と思いつつ、メトロに乗ってまた移動。そしたら・・・・
到着したのはサン・ミッシェル噴水前の広場。東京で言えば、表参道の交差点広場というか、新橋の駅前広場というか、ぴったりのイメージのところは難しいが、メトロの出入口にあり、とにかく人がたくさん集まる広場だ。なんと、そこでストリートダンスとして、さっき覚えたダンスを皆でやるというのである。「え〜〜〜」、皆の顔に動揺が・・・。しかし、準備よく、もう立派なスピーカーや音響機器がセットされている。すぐに、イントロが流れ始める。躊躇している時間はない・・・
総勢70名のストリートダンスがスピーカー一杯から流れるポップミュージックとともに始った。50人はいるかと思われる、周囲にバラバラにいた人たちが、いきなり何が始まったのか?と集まってくる。
半分やけくそだが、この観衆の手前、あんまりみっともないことはできないと皆一生懸命踊る。まあ70人分の一だから、照れもあまりない。それより、観客はどんどん増えてくる。僕らの躍りに合わせて、一緒に踊っている人たちが見える。歓声も聞こえる。携帯で写真もとってる。こんな俺らを撮ってどうするんだとも思ったが、悪い気はしないもんだ。5分足らずの、まさに一芸はあっという間に終わった。最後には優に100名は集まっていたように見えた観衆から拍手ももらった。というか、自分達で自分達に拍手していた。
終わるや否や即、逃げるように徹収。そして、最後の移動で、振り出しのレストランに戻って、パーティーだ。盛り上がらないわけがない。パーティーの後半には、今日の練習から本番までの模様がビデオ編集されて、まさにプロジェクトXとして放映された。自分達の踊りを見る。なかなかいけてるじゃないか・・・・って。皆嬉しそう。
パーティで、支店長と話した。
「すごい企画だったね。悪いけど、フランス人がこんなことして喜ぶなんて思いもしなかった。僕の「個人主義のフランス人」のステレオタイプは完全に崩れたよ。」
「そうだろ。でも、もしこれが事前に内容をアナウンスしてたら誰も来ないよ。基本的には好きじゃないからね。でも、やればみんな楽しいのさ。こういうチームビルディングは大事なんだ。楽しんでくれた?」
「ああ、すごく楽しかった。誘ってくれてありがとう。でもこれで来年が大変だね。みんなもっと凄い企画を期待するぜ。」
「ああ、分かってる。でも大丈夫。もう来年のことも考えてある。」
今年のフランスチームの躍進は間違い無さそうだ・・・・
PS 今朝一番のユーロスターでロンドンに帰った。オフィスに到着するや否や、何人の社員から声をかけられた 「昨日、ストリートで踊ったんだって???」。この手の情報は廻りが早いのである。