その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

冬でも春でも無いブライトンを走る

2011-02-20 17:54:12 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 イギリスの由緒正しいビーチリゾート、ブライトンでのハーフマラソン大会に出場しました。ロンドンから電車で1時間~1時間半。今朝は6時32分ヴィクトリア駅発の列車で行きましたが、乗客は90%ロンドンのランナーで、さながらマラソン列車でした。

 天気は雨こそ降りませんでしたが、厚い曇り空。気温は10度ぐらいで、なんとも中途半端な天気です。

 本大会は出場登録者8000名のかなり大きな大会です。前回のワットフォードのハーフマラソンで大失敗しているので、自分としては相当、気合を入れて臨んでいます。出場者の多い大会は、応援も大きいので、自然、気分も高揚します。

 コースはスタート直後、一旦街中に入りますが、それ以降は、ずっとブライトンのビーチ沿いを走る快適コース。前半なだらかな長いスロープはありますが、さほど気になりません。それよりも道を閉鎖して、かなり広くコースを取ってくれているので、とても走りやすいです。天気がよければ、片側にイギリス海峡を望み、さらに気分が良いはずですが、まあ今日は雨、風がないだけでも良いとしましょう。

 今回は目標タイム1時間50分、目標マイルラップを8分23秒で設定しました。結果として、コースの快適性に助けられて、ほぼこのラップどおりで走れて、1時間49分20秒ちょっと(自己計測)で走ることができました。前回のリベンジができてとってもいい気分です。

 ただ、相変わらず、イギリスのマイル表示は測ったとは思えないいい加減さで、3マイルから4マイルは6分13秒、4マイルから5マイルは10分13秒。ほぼ同じペースで走っているから、こんなの有り得ん!

 細かいことを言えば切がないのですが、まあ結果が良かったので、良しとします。ご褒美に、11時半だというのに、パブでビールを引っ掛けて、帰りました。


※スタート地点の様子


※ジョージ4世の別荘、ロイヤル・パビリオンの横を走る


※ゴール地点


※賞品のメダル。これが嬉しい。(初めて、本人、登場)


※走った後のビールはたまりません


2011年2月20日
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イングリッシュ・ナショナル・オペラ/ パルジファル (Parsifal)/ ワーグナー

2011-02-20 00:05:55 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)によるワーグナーの最後のオペラ作品『パルジファル』を見に行きました。

 作品自体の素晴らしさに加え、歌唱、演奏、演出ともに出色の出来で、深く感動しました。知名度、実力ではロイヤルオペラの後塵を拝すENOですが、今回の好演はROH顔負け、いや大陸のメジャーオペラハウスにも負けない公演だったと思います。

 歌手陣では、まず老騎士グルネマンツのJohn Tomlinson、パルジファルのStuart Skelton、王のアムフォルタスのIain Paterson の3名が、歌唱のみならず演技でも、強烈な個性を発揮していました。特に、Tomlinsonの存在感は抜群で、出ずっぱりの第1幕では舞台に緊張感をほとばらせていましたし、第3幕でも終始舞台は彼を重心に廻っているような感がありました。貫禄が他の人よりも一枚上という感じです。パルジファルのSkeltonは、ヴィジュアル的には純粋な青年というより、蛮族の棟梁みたいで、いまいちフィット感はありませんでしたが、低めで押しの強いテノールは素晴らしかったです。また、Patersonも血気迫る演技でした。また、メインメンバーでは紅一点のクンドリー役のJane Duttonも、幕ごとに違った側面を演じる必要がある難しそうなクンドリー役を上手く演じていました。あと、舞台表、裏で登場するコーラスも清く美しい合唱でした。

 また、演出が特に素晴らしいです。時代設定は現代と中世が入り混じったような舞台構成ですが、各幕、見所、考えどころ満載の舞台です。1幕では、荒廃した城内の様子を、映画「未知との遭遇」(ちょっと、古いか?)で見たような神秘的、宇宙的な空間を創出していてワーグナーの世界に思いっきり観衆を引き込んでくれました。第二幕の誘惑の花園も照明が美しく、幻惑されます。また個人的には、第3幕の舞台は特に気に入って、線路を使って、時間軸や空間軸の相違を表すのはなかなか凝っていています。クンドリーが線路の彼方に消えていくラストシーンの神々しさは、音楽との相乗効果で、思わず涙するほどでした。

 ENOの演奏も文句なしです。緊張感、透明感のある張り詰めた演奏で、ワーグナー節をがんがんに利かしてくれました。

 90分、70分、70分で公演だけで4時間。休憩も入れると、3時半から始まった公演が、終了は9時。ワーグナーのオペラはみなそうですが、見る方にもかなりのエネルギーを求められます。今日は1幕、3幕はかなり集中できましたが、中盤の2幕はかなりぼんやりしてしまったのは自分としては残念でした。

 それにしても、今回のENOは本当に良くやってくれたという感じでした。思いっきり、拍手し、「ブラボー」を叫んで来ました。

※写真はGoogle検索より。

2011年2月19日 15:30-21:00

A co-production with San Francisco Opera and Lyric Opera, Chicago
Production supported by the Friends of ENO and a syndicate of donors

Conductor Mark Wigglesworth;
Director Nikolaus Lehnhoff;
Associate Director Daniel Dooner;
Set Designer Raimund Bauer;
Costume Designer Andrea Schmidt-Futterer;
Lighting Designer Duane Schuler;
Choreographer Denni Sayers;
Translator Richard Stokes

Cast includes:
Iain Paterson (Amfortas);
John Tomlinson (Gurnemanz);
Tom Fox (Klingsor);
Stuart Skelton (Parsifal);
Jane Dutton (Kundry);
Andrew Greenan (Titurel)

コメント (2)
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