その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

サイモン・ラトル/ ベルリン・フィル/ マーラー交響曲第4番ほか

2011-02-21 22:35:54 | コンサート (in 欧州)
 やっぱり、すごいわ、ベルリンフィルは。隙がない。艶がある。デリケートなのにダイナミックでもある。こくがあるけど切れもある。ホント、参った。

 後半のマーラー交響曲第4番。どうしてこんなに美しいアンサンブルなのか、感嘆のしどうしだった。個々の奏者の際立った音が、時にソロとしてホールに響きわたり、そして次には個性と個性の音同士がぶつかって異なる音が出来上がる。時として、音の靄が前列2列目の自分を優しく包み、かと思えば、強烈な打楽器の叫びが、その靄を打ち破る。そして畳み掛けるように、オケ全体の音の塊が自分を襲う。胸の鼓動が速くなり、気持ちが高揚するのがわかる。この感覚は同じコンビのCDを聴いたって絶対にわからないだろう。音が体に前から、上から、横から、直球、変化球、変幻自在に向かってきては、自分のなかに絡んでいくんだから。

 それに独唱のソプラノChristine Schäferの歌唱も素晴らしかった。気品のある美人で、声は透き通るように清らか。正直、一目見て、一声聴いて、そのままファンになった。とってもデリケートな声だったので、ホント前列2列目に感謝。

 
 一曲目のストラビンスキーは曲自体が初めて、マーラーの第4番も生で聴くのは初めてなので、演奏法とか、曲の解釈は良くわからない。ストラビンスキーはとっても優雅な演奏だったし、マーラーは軽快で躍動感のある演奏だったと思う。また、両方の曲で、日本人のコンサートマスター樫本氏がソロパートで大活躍していたのは、同じ日本人としても嬉しい。

 2年前の12月から売り出していたチケットであるが、去年の夏にチケットをとろうとしたら、当たり前のように既に完売。その後、ことあるごとにリターンを狙っていたが、2月に入ってやっとのことで見つけられて本当に良かった。今夜の感動を文字にできない自分にいらだちながらも、まだ余韻に浸っている。


Simon Rattle / Berliner Philharmoniker
The London Concerts 2011: Mahler Symphony No 4
21 February 2011 / 19:30
Barbican Hall

Stravinsky Apollon Musagète (1947 version)
Mahler Symphony No 4

Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle conductor
Christine Schäfer soprano
コメント (2)
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