自分としては、ラウンドハウスでのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)、ロンドン公演の3回目の観劇。「リア王」にチャレンジ。
強烈な芝居だった。先日、原作を読んでその絶望的なストーリーに、重く沈んだ気持ちになったばかりだが、芝居には、さらに哀れ感が加わり、救いようのない気持ちに陥れられる。人間の欲、愚かさ、狂気を嫌と言うほど見せつけられた3時間半。
主役のリア王のGreg Hicksの演技が素晴らしい。一幕での威厳ある王と、3幕以降の狂った老人との落差を見事に演じきっていた。この舞台に一貫して流れる緊張感はこの人の演技によるところが大きい。
リア王以外でも、目をえぐりとられる悲劇のグロスター公役のGeoffrey Freshwater、そしてそのグロスター公の息子でありながら弟の策略にはめらられ父から勘当され、狂人の振りをして人目を欺くエドガー役のCharles Aitkenが血気迫る熱演で素晴らしい。2人がリアを支えていた。
また舞台の重量感は演出によるところも大きいと感じた。特に第3幕前半リアが娘の屋敷から追い出され、嵐の中をさ迷うシーンは舞台中央に、踏み台程度のお立ち台の上にリアを乗せ、天井から雨を降らせると言う設定で、簡単ながら、照明のあて方も素晴らしく、白糸のような雨の線が白く光り、足元では跳ね上がり、情感豊かな、印象的な場面だった。
それにしてもこの芝居は重すぎる。緊張しながら第4幕までは頑張ったが、第5幕には完全にガス欠のエネルギー切れ。全く芝居についていけなくなってしまった。ワグナーのオペラを見る気合と体力がいる。
そして、改めてこの戯曲、芝居の奥深さに参ってしまった。原作をしっかり英語で読み込んで、違った演出、俳優でも見てみたいものである。
Cast:
Charles Aitken - Edgar
Adam Burton - Knight/Messenger/Captain
Brian Doherty - King of France
Darrell D'Silva - Kent
Phillip Edgerley - Knight/Doctor/Servant/Albany's Officer
Geoffrey Freshwater - Gloucester
James Gale - Lear's Gentleman
Paul Hamilton - Knight/Cornwall's Servant
Greg Hicks - King Lear
Sophie Russell - Fool
Kelly Hunter - Goneril
Ansu Kabia - Burgundy/Herald/British Soldier
Tunji Kasim - Edmund
John Mackay - Albany
Sandy Neilson - Knight
Sophie Russell - Nurse 2
Peter Shorey - Knight/Curan/French Soldier
Clarence Smith - Cornwall
Katy Stephens - Regan
James Tucker - Oswald
Hannah Young - Nurse
Samantha Young - Cordelia
Larrington Walker - Knight/Old Man
Creative Team:
Director DAVID FARR
Designer JON BAUSOR
Lighting JON CLARK
Music KEITH CLOUSTON
Sound CHRISTOPHER SHUTT
Movement ANN YEE
Fights KATE WATERS
Running time:
3 hours 20 minutes including one interval of 20 minutes
In repertoire: 21 January – 4 February 2011
強烈な芝居だった。先日、原作を読んでその絶望的なストーリーに、重く沈んだ気持ちになったばかりだが、芝居には、さらに哀れ感が加わり、救いようのない気持ちに陥れられる。人間の欲、愚かさ、狂気を嫌と言うほど見せつけられた3時間半。
主役のリア王のGreg Hicksの演技が素晴らしい。一幕での威厳ある王と、3幕以降の狂った老人との落差を見事に演じきっていた。この舞台に一貫して流れる緊張感はこの人の演技によるところが大きい。
リア王以外でも、目をえぐりとられる悲劇のグロスター公役のGeoffrey Freshwater、そしてそのグロスター公の息子でありながら弟の策略にはめらられ父から勘当され、狂人の振りをして人目を欺くエドガー役のCharles Aitkenが血気迫る熱演で素晴らしい。2人がリアを支えていた。
また舞台の重量感は演出によるところも大きいと感じた。特に第3幕前半リアが娘の屋敷から追い出され、嵐の中をさ迷うシーンは舞台中央に、踏み台程度のお立ち台の上にリアを乗せ、天井から雨を降らせると言う設定で、簡単ながら、照明のあて方も素晴らしく、白糸のような雨の線が白く光り、足元では跳ね上がり、情感豊かな、印象的な場面だった。
それにしてもこの芝居は重すぎる。緊張しながら第4幕までは頑張ったが、第5幕には完全にガス欠のエネルギー切れ。全く芝居についていけなくなってしまった。ワグナーのオペラを見る気合と体力がいる。
そして、改めてこの戯曲、芝居の奥深さに参ってしまった。原作をしっかり英語で読み込んで、違った演出、俳優でも見てみたいものである。
Cast:
Charles Aitken - Edgar
Adam Burton - Knight/Messenger/Captain
Brian Doherty - King of France
Darrell D'Silva - Kent
Phillip Edgerley - Knight/Doctor/Servant/Albany's Officer
Geoffrey Freshwater - Gloucester
James Gale - Lear's Gentleman
Paul Hamilton - Knight/Cornwall's Servant
Greg Hicks - King Lear
Sophie Russell - Fool
Kelly Hunter - Goneril
Ansu Kabia - Burgundy/Herald/British Soldier
Tunji Kasim - Edmund
John Mackay - Albany
Sandy Neilson - Knight
Sophie Russell - Nurse 2
Peter Shorey - Knight/Curan/French Soldier
Clarence Smith - Cornwall
Katy Stephens - Regan
James Tucker - Oswald
Hannah Young - Nurse
Samantha Young - Cordelia
Larrington Walker - Knight/Old Man
Creative Team:
Director DAVID FARR
Designer JON BAUSOR
Lighting JON CLARK
Music KEITH CLOUSTON
Sound CHRISTOPHER SHUTT
Movement ANN YEE
Fights KATE WATERS
Running time:
3 hours 20 minutes including one interval of 20 minutes
In repertoire: 21 January – 4 February 2011