その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤル・オペラ/ モーツアルト 『魔笛』

2011-02-16 23:01:48 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 先週、ロイヤルオペラにモーツアルトの「魔笛」を見に行きました。「魔笛」は自分の中でも、かなり好きなオペラの一つです。

 ギリギリに劇場について、席に着いたら、いきなりアナウンス。サー・デイビスが病気で当キャン。本シリーズの後半を振る予定だったDavid Syrusが代役とのこと。この公演は半分、デイビス先生お目当てでもあったので、いきなりで出鼻を挫かれて、かなりガックときました。

 でも、終わってみれば、やっぱり理屈抜きに楽しいオペラであることを再確認。

 歌手陣は今回も超スター選手は居ないものの、安定した良い歌唱だったと思います。特に、パミーノ役のKate Royal(何か名前が凄い)が清楚なお譲様役のイメージにぴったりの美人さんではまり役。線は細いですがとっても美しいソプラノで、舞台全体を華のあるものにしてくれました。主役にイメージに合う人が居ると、それだけでとても舞台を見ているのが楽しくなります。

 また、タミーノ、パパゲーノ、ザラストロの男声陣も良かったです。このオペラは、パパゲーノがとっても大切な役柄だと思いますが、Christopher Maltmanが演技、歌唱ともに好演です。また、ザラストロのFranz-Josef Seligの低音も迫力満点で、怖いぐらいでした。

 演出も色合いが美しいです。童話の世界のふわふわ感の「明」の世界と神殿でのフリーメンソンの秘密結社的な「暗」の世界の対照が興味深く、楽しめました。

 私的に、ちょっと?だったのは演奏。スローテンポで重い演奏に聴こえたですが、気のせいでしょうか?もっと、モーツアルトの音楽は軽快で、楽しいはずなのですが・・・。演奏自体は良かったのですが、なんか、重心の低い「どっこいしょ」的な音楽に聴こえて、歌唱や舞台に比べて、オーケストラには今ひとつ、乗り切れませんでした。

 まあ、贅沢を言ったら切が無いし、全体としてはもうとっても満足でございました。

 デイビス大先生は大丈夫だろうか?もうお歳もお歳なので、しっかりお休みいただき、早く良くなってください。3月のLSOのコンサートも買ってありますので・・・



Die Zauberflöte
Friday, February 10 7:30 PM

Credits
Composer: Wolfgang Amadeus Mozart
Designs: John Macfarlane
Lighting designs: Paule Constable
Movement Director: Leah Hausman

Performers
Conductor: David Syrus
Tamino: Joseph Kaiser
Pamina: Kate Royal
Papageno: Christopher Maltman
Papagena: Anna Devin§
Queen of the Night: Jessica Pratt
Monostatos: Peter Hoare
Sarastro: Franz-Josef Selig
First Lady: Elisabeth Meister§
Second Lady: Kai Rüütel§
Third Lady: Gaynor Keeble
Speaker of the Temple: Matthew Best
First Priest: Harry Nicoll
Second Priest: Donald Maxwell
First Man in Armour: Stephen Rooke
Second Man in Armour: Lukas Jakobski§
コメント (4)
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