今回のリヴァプール行きはビートルズ目当てなので、特にその他の観光地による予定は無かったのだが、日曜日の午前中が空いていたので、一つだけ博物館に行った。リヴァプールはEUからEuropean Capital of Cultureに指定を受けるほどなので、美術館や博物館が沢山ある。ウオーカー・アート・ギャラリー、テート・ギャラリー、リヴァプール世界博物館、海洋博物館などなど。今回はその中から、ちょっと変わった、Internatinal Salvary Musem(国際奴隷制博物館)というのに足を運んだ。学生時代に『アメリカ黒人史』を少しかじったから。
リヴァプールは、悪名高い黒人奴隷貿易の英国の主要な港である。リヴァプールの港から、武器や日常品を運んだ船が、西アフリカに寄港し、そこで物人交換で黒人を手に入れる。そして、そこから中南米、北米に運ばれ、黒人と引き換えに、大量の貨幣、コーヒー、香料などを購入し、それを欧州に持ち帰り、関係者が大もうけをしたのだ。リヴァプールは "Capital of the transatlantic slave trade"だったのである。そして、 この博物館は、その奴隷船が出発した港に面して立っている。
ここでは、黒人のもともとのアフリカの文化の紹介、奴隷貿易の実態、リヴァプールとの関わり、プランテーションでの奴隷の生活、黒人開放の歩み、そしてオバマさんを初めとする現代世界で活躍する黒人たちが、模型やコンピュータグラフィックによる物語、歴史的遺品、フィルム、パネルなどによって語られる。もちろん、奴隷船での移動やプランテーションの厳しい生活は思わず目を背けたくなる内容だが、悲惨さを訴えつつも、過度の感情移入を抑えた客観的な展示はとっても勉強になる。
いくつも興味深い展示があった。例えば、リヴァプールから出発した奴隷船の船長の日記を、忠実にコンピュータグラフィックで再現したビデオ。当時の航海のルートや彼らの商売、そして奴隷がまさに商品として各人に値段がついて売り買いされる様が、とっても良くわかる。この様子は本を読んだだけでは絶対に分からない。
また、 現在のリヴァプールに残る奴隷貿易の傷跡の展示も興味深かった。市内には、奴隷貿易の儲けで建てられたタウンホール(市庁舎?)、奴隷商人たちの商館など、いろんな形でその跡を追うことが出来る。あのビートルズの曲で有名な、ペニー・レインという通りの名前も、実は、奴隷商人であったペニー氏の名前に由来しているなんて、初めて知った。
午後のミステリーツアーに備えて軽く流そうと思った自分が馬鹿だった。2時間近くたっぷり見学し、人間の手前勝手さ、強欲さ、残酷さ、そして強さを勉強することができた。
一度、見学をお奨めいたします
※ Internatinal Slavery Museumのホームページ
※ 冒頭、写真は上HPより
リヴァプールは、悪名高い黒人奴隷貿易の英国の主要な港である。リヴァプールの港から、武器や日常品を運んだ船が、西アフリカに寄港し、そこで物人交換で黒人を手に入れる。そして、そこから中南米、北米に運ばれ、黒人と引き換えに、大量の貨幣、コーヒー、香料などを購入し、それを欧州に持ち帰り、関係者が大もうけをしたのだ。リヴァプールは "Capital of the transatlantic slave trade"だったのである。そして、 この博物館は、その奴隷船が出発した港に面して立っている。
ここでは、黒人のもともとのアフリカの文化の紹介、奴隷貿易の実態、リヴァプールとの関わり、プランテーションでの奴隷の生活、黒人開放の歩み、そしてオバマさんを初めとする現代世界で活躍する黒人たちが、模型やコンピュータグラフィックによる物語、歴史的遺品、フィルム、パネルなどによって語られる。もちろん、奴隷船での移動やプランテーションの厳しい生活は思わず目を背けたくなる内容だが、悲惨さを訴えつつも、過度の感情移入を抑えた客観的な展示はとっても勉強になる。
いくつも興味深い展示があった。例えば、リヴァプールから出発した奴隷船の船長の日記を、忠実にコンピュータグラフィックで再現したビデオ。当時の航海のルートや彼らの商売、そして奴隷がまさに商品として各人に値段がついて売り買いされる様が、とっても良くわかる。この様子は本を読んだだけでは絶対に分からない。
また、 現在のリヴァプールに残る奴隷貿易の傷跡の展示も興味深かった。市内には、奴隷貿易の儲けで建てられたタウンホール(市庁舎?)、奴隷商人たちの商館など、いろんな形でその跡を追うことが出来る。あのビートルズの曲で有名な、ペニー・レインという通りの名前も、実は、奴隷商人であったペニー氏の名前に由来しているなんて、初めて知った。
午後のミステリーツアーに備えて軽く流そうと思った自分が馬鹿だった。2時間近くたっぷり見学し、人間の手前勝手さ、強欲さ、残酷さ、そして強さを勉強することができた。
一度、見学をお奨めいたします
※ Internatinal Slavery Museumのホームページ
※ 冒頭、写真は上HPより