その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー 「真夏の夜の夢」 (A Midsummer Night's Dream)

2011-10-12 23:43:41 | ミュージカル、演劇
 今年新装したストラッドフォード・アポン・エイボンのロイヤル・シェイクスピア・シアターで『真夏の世の夢』を観ました。エイボン川沿いに建つレンガの劇場は、ロンドンから100マイル(160キロ)離れた人口10万人ちょっとの町の劇場とは思えないほど、立派なものです。ストラッドフォード・アポン・エイボン訪問をこの劇場の開館を待っていた甲斐がありました。

(外観の写真を撮り忘れたので、劇場についてのWikiはこちら→

(こちらは劇場内の通路)


 「真夏の夜の夢」はシェイクスピアの中でもかなり好きな作品で、こちらでブリテンのオペラ版を観ましたが、演劇は高校の演劇鑑賞教室で見て以来(何年ぶり???)ですので、とっても楽しみにしていました。「真夏の夜の夢」を狙ってこの日を選んだのです。

 1か月前に劇場に電話したところ、「もうRestricted Viewの席しかない」ということで、2階席正面やや右側ではありますが、目の前に柱が立ち、確かに少々見にくいものでした。ただ、劇場は観客と舞台がとても近く出来ており、2階席からは手が届きそうな感じ。持参したオペラグラスも全く不要でした。Restricted Viewとは言え、これで12ポンドというのは有り難いです。

(開演前の舞台)


 さて、肝心の芝居の方ですが、残念ながら私の好みでは在りませんでした。現代風の演出そのものは他のシェイクスピア劇でも観てきたので気にならないのですが、主な舞台である森のイメージが違いました。「ヘンゼルとグレーテル」の神秘的で吸い込まれるような森の空間をイメージする私の勝手な思いと、現代風の無機質な森の舞台設定が違っていて、最後まで馴染めませんでした。若者4名のやりとりも極端にドタバタだし、好きなキャラクターのパックも目立ったところがなくがっかり。ただ、会場は逆に凄い盛り上がりで、隣に座っていたツイードのジャケットを着たいかにも英国人(と思われる)初老のおじいさんは、品良く、ずっと笑いずめでした。う~ん、私が分かってないだけなのかしら。

 ということで、コンテンツの満足度はイマイチでしたが、観客を含めた劇場の雰囲気は素晴らしいです。ロンドンのグローブ座と比べると、観光客が多いのは同じとしても、英国人比率はこちらのがかなり高そうですし、室内と言うこともあって、照明や音響もいろいろ工夫が施されていました。





 また、違う作品も観てみたいものです。

 ※ロイヤルシェイクスピアカンパニー(RSC)のホームページ→


A Midsummer Night's Dream
Royal Shakespeare Theatre
1 October 2011

Director – Nancy Meckler
Designer – Katrina Lindsay
Lighting – Wolfgang Göbbel
Composer - Keith Clouston

Arsher Ali – Puck
Maya Barcot – Fairy
Lucy Briggs-Owen – Helena
Christopher Chilton – Fairy
Kammy Darweish – Egeus
Imogen Doel - Fairy
Christopher Godwin – Quince
Michael Grady-Hall – Flute
Alex Hassell – Demetrius
Felix Hayes – Snug
Matti Houghton – Hermia
Lanre Malaolu – Fairy
Nathaniel Martello-White – Lysander
Theo Ogundipe - Fairy
Pippa Nixon – Hippolyta/Titania
Chiké Okonkwo – Snout
Timothy Speyer – Starveling
Jo Stone-Fewings – Theseus/Oberon
Amanda Wilkin – Fairy
Marc Wootton - Bottom
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする