その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

シャイー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ベートーベン・チクルス

2011-10-27 22:54:03 | コンサート (in 欧州)
本シーズンのバービカンセンターの目玉企画の一つ、シャイー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団コンビによるベートーベンチクルス初日を聴きに行く。初日は、ベートーベンの交響曲2番と5番の組み合わせ。

ロンドンに来て以来、このコンビのコンサートは3回目だが、この日も体が震える演奏だった。

特にラストの交響曲第5番は、凄まじい演奏。比較的早めのピッチで始まった頭から、最後までずうーっとエンジン全開。ベートーベンにしてはコントラバスが8人も居る大きめの編成だからということだけではないだろうが、とにかく音がとてつもなく大きい。アンサンブルの美しさもさることながら、重厚な音で、ブルドーザの如く突き進む。シャイーの情熱的、エネルギッシュな指揮姿を見ていると、「耳や頭できくな、体で聞け!」「俺の音を全身で受け止めろ!」とシャイーに言われているような気がする。管のエッジの効きかたも桁外れで、そんなに吹いて肺がつぶれないか、大外しするんじゃないかと心配させるほどに、吹き上げる。このヴォリューム感には、聴いていて体がワナワナ震える興奮を覚えた。

冒頭の交響曲第2番も重厚な演奏だった。ついこの間聴いたセガン指揮ロンドンフィルの演奏はとっても整然としたスマートな演奏だったが、同じ曲とは思えないような、力で押す演奏。また、休憩後は5番の前にパーカッションが印象的な現代曲を1曲やってくれた。

それにしても、ヨーロッパのオーケストラは本当に色んな個性があって面白い。スペインのサッカー、オランダのサッカー、ドイツのサッカー、イタリアのサッカー・・・が其々違うように、オーケストラ毎に明確な違いがある。きっと、そうじゃないと生き残っていけないのだろう。

(会場は割れんばかりの大拍手)




(2曲目の作曲者Carlo Boccadoroさん)




Chailly / Beethoven Cycle
Beethoven Symphonies No 2 and 5
25 October 2011 / 19:30
Barbican Hall

Beethoven Symphony No 2
Carlo Boccadoro Ritratto di musico (UK Premiere)
Beethoven Symphony No 5

Gewandhaus Orchestra Leipzig
Riccardo Chailly conductor




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