その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

東北・関東大震災 @ロンドン (その3)

2011-03-13 23:05:53 | ロンドン日記 (日常)
 日本では計画停電、それに伴う電車運休等、地震、津波の2次、3次・・の影響が出始めているようですね。

 欧州のお客様にも、日本でサービスを提供しているので、お見舞い・励ましのお言葉を頂く一方で、サービスの継続性についてのご質問を頂いたりしています。

 明日から当面、忙しくなりそうです。
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東日本大震災 @ロンドン (その2)

2011-03-12 19:37:18 | ロンドン日記 (日常)


 東日本大震災の報道はイギリスでもトップで取り上げられています。朝方はBBCテレビも殆どが震災報道、新聞も7ページに渡って詳細にレポートしています。丁度、今、BBCフィルハーモニック(BBCシンフォニーとは別物)が日本ツアーをしている最中らしく、その安否を気遣う記事もありました。

 昨日も書きましたが、ロンドンに居ても日本の情報は同時進行で入ってきます。Twitter、Facebookにおけるコメントやネットでのストリーミング放送による日本の主要放送局のネット生放送を見ることもできます。今日の土曜日は何の予定もなかったこともあり、1日中パソコンに釘付けでした。生で同時進行で入ってくるものの、ここからでは何もできないに等しいので、かえってストレスが溜まります。でも、本当に、被災者の方々、救助の関係者の皆様には、頑張って頂き、一人でも犠牲が少なくなることを祈るばかりです。

 記者会見の様子も生で見ていましたが、関係者の苦労が手に取るように分かります。自分も会社で危機管理の仕事をしていたことがあるので、記者会見に出たことはないですが、その準備の経験はあります。この手の危機の際の会見というのは本当に難しくて、今回の場合は、国や企業の社会的責任として情報は最大限開示しなくてはいけない一方、不確定な情報を開示するのは返って世の中に混乱を与えることになりますから、相当気を遣うはずです。特に、今回は、早期開示による2次災害防止と、不確定情報による国民の不安・混乱の増加のバランスをとる必要があると思うので、災害も最大級なら、個々の判断のレベルも最高級のものが求められると思います。しかし、彼らはそれを行う責務のある人たちなので、言い訳無しで、責任を持った対応をしなくてはいけないのは、自明です。

 そういった意味で、今日の記者会見では本当に、その組織やその人の責任感、覚悟、度量が、映像に良く現れていたと思います。個々の人や組織の対応の是非についてはコメントを差し控えますが、まずは形を見せねばという人、防衛(守り?)に専念している人、出きる範囲で最大限分かりやすく説明しようとしている人、などなど、芝居を許さない生映像の迫力がありました。皆さん、真剣度はもちろん最高レベルです。でも、その人が誰に向かって話しをしているか、誰のために話しをしているのかは、違うような気がします。国民に向いているのか、自分に向いているのか、組織に向いているのか?ということです。スケールや影響度は異なっても、こうした危機の場面で、自分が似たような立場に立った時、ここまでできるだろうか?こんな風になってしまわないだろうか?と自分に問いを突きつけられているような気がするものでした。

 まだまだ、被害の最小化はまだ予断を許さないでしょうし、復興にむけては時間もかかるでしょう。頑張ってください!!!
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地震

2011-03-11 23:55:55 | ロンドン日記 (日常)
宮城沖の地震で東日本エリアの方は大変なことになっていると思います。被害が最小限に食い止められ、1日も早い復旧を願うばかりです。

 私は今朝6時に起きていつものようにTVをつけたら、地震の模様がBBCでBreaking Newsとして速報されていました。幸い日本の家族とも直ぐ連絡が取れたので一安心。

 職場でも、早速、日本への出張者の安否確認。たまたま、研修や会議などで8名も日本に行っていたのですが、電話はなかなかつながらなかったけど、メールやFacebookで連絡がつきました。続いて、駐在者の家族の安否を確認。なんだかんだで一通りの確認が終わったのが、夕方近く。一日、バタバタと落ち着かない日でしたが、Webで津波や火事のVideoを見ると、当地の人のことを思い、胸が痛みます。

 一方で、多くのナショナルスタッフから、「家族は大丈夫か?」などのお見舞い言葉やメールも頂き、暖かい配慮にとっても感謝でした。

 最新の状況がTwitterやFacebookを通じてビビッドに入ってくるのは驚きでした。これらの情報には、正確性、客観性、質の玉石混合といった点で、もちろん満点ではないです。でも、こうしたソーシャルNWの情報がマスコミ情報の補足なのか、それともマスコミ情報がソーシャルNW情報の補足なのかが、分からないほど、貴重な情報源でした。

 今日の一日を象徴するような支離滅裂な文章ですが、犠牲となった方に心からお悔やみを申し上げ、被災された方の復帰を祈念致します。
 
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ロンドン 日本食レストラン Hare & Torttoise (兎と亀)

2011-03-10 22:56:17 | レストラン・パブ (in 欧州)
同僚と出かけた日本食レストラン。今は閉鎖中のTubeのBlackfriars駅の直ぐ近くです。セントポール駅やキャノンストリート駅からも歩いて5分程度です。このレストランは、この店以外にもKensingtonとかに出店し、ロンドンに計5店舗ほど展開しているようです。

一言で言うと、とってもお手ごろ値段で味も行けるのでお奨めです。コックさんやサービスの人たちには日本人はいない感じでしたが、料理はなんちゃって日本食ではなく、立派な日本食です。枝豆に始まって、餃子、シーフードサラダ、鮭づくし、お寿司の盛り合わせ、ウナギなどなど。お腹一杯です。

唯一の不満は、日本人のお店で無いだけに、日本酒、焼酎のレパートリーはたいしたことありません。それでも、仕事帰りには是非、立ち寄りたいレストランです。

※レストランのホームページはこちら→
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いよいよ春本番? (その2)

2011-03-09 23:01:52 | ロンドン日記 (日常)
 一昨日に続いて見つけた春の兆し。

 今日は気分で、会社まで走っていきました。

 リージェンツパークで見つけたサクラのような花。(きっと、サクラではないと思います。一説によると、アーモンドとか?)いよいよ色んな木々のつぼみが膨らみ、青葉がでそうな雰囲気が漂ってます。



 携帯でとった写真なので、思いっきりピントがずれてますが、それはご愛嬌ということで。

 2011年3月9日
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London Symphony Orchestra / Sir Simon Rattle

2011-03-08 22:25:08 | コンサート (in 欧州)
つい先日、このバービカンホールでベルリンフィルを率いたサイモン・ラトルの指揮、ロンドン交響楽団による演奏でブルックナーの交響曲第9番を聴いた。

「また聴いてしまった。こんなに素晴らしい音楽を当たり前のように聴いていいものだろうか?」が終わったあとのつぶやき。ラトルの創る音楽は限りなく美しい。ブルックナーの音楽が自分の魂のなかに染み透るような感覚になる。どんな音楽的メッセージも要らない。ただ音に体を晒しているだけで、自分の心身までもが清められる気がした。集中して、音の色彩や陰影や音楽の構成が感じ取れる。

今日は久しぶりに2階席。最近2回連続で、前列かぶりつき席が続いたが、今日は全体がよく見渡せる。金管の咆哮、木管の調べ、弦の厚み、どれも素晴らしい。前列のような生々しさはないが、奏者、指揮者を見ながらバランス良く聴けるのが良い。ラトルは細部までしっかりコントロールを利かせて指揮しているように見受けられるが、LSOもリクエストにしっかり応えていた。

終演後、ロンドンの聴衆はこのイギリス指揮者と地元のオケに惜しみ無い拍手を送った。ロンドンのオケだって負けてないのである。

休憩前は、メシアンの「われ死者の復活を待ち望む」。管楽器と打楽器だけの音楽。キリストの復活とかを歌った宗教音楽らしい。銅鑼がバンバンなって、弦楽器もないし、いかにもメシアンという曲。目新しさという意味では面白いし、LSOの演奏も素晴らしい。でも、私にはまだ理解できない音楽。

London Symphony Orchestra / Sir Simon Rattle
Music by Messiaen and Bruckner
7 March 2011 / 19:30
Barbican Hall

Messiaen Et exspecto resurrectionem mortuorum
Bruckner Symphony No 9

Sir Simon Rattle conductor
London Symphony Orchestra

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いよいよ春本番?

2011-03-07 22:41:32 | ロンドン日記 (日常)
やっと、春めいてきました。先週は冬とも春ともつかない、不安定な天気が続いたので、こんな日は朝から気分が明るくなります。



上の携帯で撮った写真は今朝の通勤途中で見つけたTV(?)の撮影風景。
ケンブリッジ大学のエイト(ボート)のメンバーです。右端の小柄な人がコックスです。オックスフォード大学対ケンブリッジ大学のボート対抗戦のプロモーションの様子でした。英国の野外スポーツシーズンの幕開けとも言える、テムズ川名物のこの対抗戦、今年は3月26日(土)です。いよいよ春、本番間近です。

※ボートレースのHP。
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週末弾丸旅行 ドレスデン(その1)

2011-03-07 21:31:06 | 旅行 海外

【旅行メモそのまま】
ドレスデン歌劇場行きたさでドレスデンへ弾丸旅行。

(初日ドレスデン到着)
12:40ヒースロー発の遅めの出発。2時間乗って、空港には15:40着。

空港からの列車は最新式で、綺麗な上に、走る音がほとんどしない。薄群青色で統一した車内は未来列車のよう。 車窓から見える曇り空に葉のない針葉樹の林、林の中に見える氷った水溜まりが寒々しい。

 


戦争の傷跡が今も残る街。駅前から伸びる目抜通りは、ニュータウンのように新しい。旧市街に入ると古い建物も残るが、修復した所と残った部分との境が明確にわかるので逆に痛々しい。工事中の地域がたくさんあり、まだ再開発途上という雰囲気である。

露天で出ていたホットドックを食したら、絶妙の味だった。あんな美味しいホットドックは生まれてはじめて。肉がプリプリしていて、味付けも香辛料の配分がいいのか、噛むほどに肉の味が引き立つ味付け。そして挟むパンも見かけは固いが、噛みついてみると以外と柔らかく、美味しい。もうドレスデンの食事はこれで満足した。



(オペラ観劇記は別エントリで)

オペラ終演後、劇場近くのレストランでビールとスープを食す。キャベツとベーコンのスープは甘味と胡椒辛さがちょうどマッチしていて美味。

ライトアップされた劇場や城が美しい。帰りの通りには人一人通らない寂しい大通りを歩く。危険な雰囲気は感じないが、不気味。




2011年3月5日

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MIDORI リサイタル

2011-03-06 21:00:52 | コンサート (in 欧州)
 もう2週間も前になってしまいましたが、先々週の日曜日の夜、MIDORIさんのWigmoreホールでのリサイタルに行ってきました。わたしにとってはとても衝撃的なリサイタルで、記事にする言葉が見つからないまま、今日に至っています。ただ、このまま放っておくのも、私の記録に残らないので、一言だけ。

 Midoriさんの演奏は凄かったです(小学生の作文のよう)。ヴァイオリンから発せられる音にMidoriさんの厳しいけど暖かく幅の広い人間性が滲み出てます(きっと、そういう人なのだろうと思ってます)。Wigmoreホールは初めて行ったのですが、舞台後ろに丸天井があって「音楽の魂」が描いてあります(こちら→)。その神秘的な絵と彼女の演奏姿が重なって、ヴァイオリンの神が乗り移った様にさえ見えました。深い感動にとらわれたリサイタルでした。

 ※voyage2artさんが詳細で素晴らしいレビューを描いておられますので、リンクを貼らせていただきます。(こちら→


20 Feb 2011, 19:30
Wigmore Hall

Midori (Violin)
Charles Abramovic (Piano)

Ludwig van Beethoven: Violin Sonata No.1 in D
Brett Dean: Berlin Music for violin and piano
Franz Schubert: Sonatina in G minor D408
César Franck: Violin Sonata in A
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ロンドン 日本食レストラン NOBU

2011-03-05 23:11:03 | レストラン・パブ (in 欧州)
ついにNOBUへ。恐らくロンドンでは最も有名な(?)な日本食レストランNOBU。一度は行きたいと思ってました。ホントか嘘かわかりませんが、予約も取りにくいという話も聞いたことがありますが、2週間前に電話したらあっさり10名でも予約が取れました。

おしゃれなエレガントなレストランを想定していたら、カジュアルな雰囲気で驚きました。ダイニングルームに入ると「イラッシャイマセ〜」と外国人特有のおかしなアクセントのお出迎えです。確かに照明は暗めなのですが、静かにしっとりと会話を楽しみながらというよりは、結構ワイワイがやがや系のお店なので意外でした。でも、トイレに行ったら、タオルを渡してくれたりする礼儀正しい従業員がいたりして、なんかちぐはぐ感も 。

料理のほうは、とっても美味しかったです。日本人ばかりでしたので、いろいろアラカルトで頼んで、居酒屋風に。牛肉の叩き、銀鱈の甘味煮、刺身、お寿司・・・、味はさすがというお味です。お酒もNOBU焼酎というオリジナル米焼酎があって、これがさっぱりしていてなかなかグッド。お値段も確かに安くは無いですが、びくびくして行ったにしては、ドント来いで収まりました。

そこそこ広い店内は外国人ばかりで、超満員。バーは席が空くのを待つお客さんであふれてました。たまに行くのはいいかもしれないけど、普段、ちょくちょく行くお店ではありませんね。

http://www.noburestaurants.com/index.php/london/experience/introduction/
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London Symphony Orchestra / Valery Gergiev / Mahler Symphony No 9

2011-03-04 22:39:24 | コンサート (in 欧州)
ゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団によるマーラー交響曲第9番を聴きに行きました。マーラーの第9番は今年に入って3回目。昨年まで生で聞いたのは2回だったので、この3ヶ月でこれまでの数十年分の回数を上回ってしまいました。

しかし、いまだもって、このマーラーの9番というのは、私の中ではつかみどころが分かりません。毎回聴くたびに、曲の印象が違うからです。そして、昨日もまた新しい9番でした。

ゲルギーの指揮は変幻自在とでも言うのでしょうか。とってもスローテンポかと思いきや、急アクセルで一気呵成にドライブをかけたりする特徴のあるもので、ぐいぐいオケを引っ張ります。よくオケがついていけるなあと感心するほどです。指揮棒なしで、手のひらを蝶のようにひらひら震わせながら、そして時折唸りながらの指揮姿は、いつもながらとは言え、とってもユニークです。この日は、最前列の席のせいか、特に気合が入っているように見えました。正直、他の指揮者の演奏と何がどう違うのかは、よく分からんのですが、彼のくねくねの手の先、指の先から生まれるLSOの音は、濁りのない美しいアンサンブルでした。

LSOは弦楽器の美しさはもとより、管が抜群ですね。最前列からは管の人はほとんど見えませんが、見えないところからとろけるような木管の調べや、ホール全体を貫く金管の叫び聞こえてきました。そして、目の前で発せられる美しい第2ヴァイオリンの響き。至福の時間です。

休憩を挟んでは、マーラーの交響曲第10番。これは第1楽章のみの未完の作品です。以前、ハーディングの指揮で聴いたことがあるのですが、改めて聴いてみると全然覚えていませんでした。9番のあんな熱演の後に、オケにまだ余力があるのかと思ったけど、流石はプロ集団。ゲルギーもLSOも気合いたっぷりで熱意のこもった音楽でした。

余談ですが、この日は珍しく休憩中にとなりに座った人から話しかけられました。半年前からロンドンの大学院で勉強している中国人の女学生。LSOのコンサートは初めてということで、とっても感動した様子。同じ感動をその場で共有できるのは嬉しいものです。

昨年からのロンドン マーラー祭りはまだ続きます。4月からフィルハーモニー管弦楽団とマゼールによるマーラー・チクリスシリーズが。まだチケット買ってないけど、これはどうしようかなあ~。


London Symphony Orchestra / Valery Gergiev
Mahler Symphony No 9
3 March 2011 / 19:30
Barbican Hall

Mahler Symphony No 9
Mahler Symphony No 10 (Adagio)

Valery Gergiev conductor
London Symphony Orchestra

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ロンドン Smile 0 Pound

2011-03-03 23:38:32 | ロンドン日記 (日常)


もう15年も前になりますが、米国中西部の田舎に一時生活していたころ、アメリカのサービス業(スーパーのレジとか、ファーストフードのカウンターとか)の接客の愛想のなさにはほとほとあきれ返っていました。バーガーキングやスーパーのカウンターで不機嫌な口調で"Next"と呼びつけられるのが、何とも腹正しく、不快でした。日本に帰国した際、マクドナルドの店員さんが、(まあ、あれが良い・悪い/好き・嫌いは、人によりいろいろあるとは思いますが・・・)「いらっしゃいませ」と笑顔でお迎えしてくれると、やっぱりは日本はいいもんだと思ったものです。

ロンドンはどうかというと、日本ほど良くはないけど、アメリカほど悪くはありません(今のアメリカはまた違うかもしれませんが)。ロンドンのバーガーキングでもスーパーでもまず、"Next"ということはなくて、"Next, please."です。買い物が終わると、"Have a nice day!"とか言ってくれる人もいます。こんなちょっとしたことでも、受ける印象は全然違うものです。ただ、日本のマックみたいに、チアリーダーばりのSmileを振りまくことはあまりありません。

ただ、最近は、このロンドンでも、日本並みのSmileを売りにしている(と思われる)お店が出てきています。写真は、職場近くのサンドウイッチ屋さんとと持ち帰りSUSHI(残念ながら「寿司」とはちょっと違います)屋さん(いずれもチェーン店)ですが、このお店の店員さんの笑顔と愛想の良さはなかなかのものです。正直、欧米の接客で、日本並みの悪く言うと大袈裟でわざとらしい笑顔はまるで期待していませんから、最初はとっても不自然で奇異な感じがしました。白人の若い姉ちゃんが、カウンターの向こうから俺に向かって微笑んでいる・・・(オジサンっぽい表現で失礼)、そして"How are you doing?"とか一言挨拶してくる。これは正直かなり違和感があります。全く慣れてませんから・・・

でも、慣れるとやっぱり例え営業スマイルであっても、悪い気はしないものです。そして、この2つのお店は常に混みあい、従業員は笑顔だけでなく動きもとってもキビキビしていて、無駄がないのです。やっぱり、笑顔とか挨拶は、職場、お店に活気を与え、明るくするんだと思います。

この手の軽食店は、数も多く競争も激しいため、マーケティングで言うところの「差異化」の一つとして、接客に注目したのだと思います。いわゆるサービスにお金を払う高級レストランと違う、この手の一般向けチェーン店でも、サービス品質に注目し、アクションを取っているというのは、欧米企業も変わってきていることを実感させられます。
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ブリュッセル マグリット美術館

2011-03-02 22:30:59 | 旅行 海外
 ここ1ヶ月ほど、仕事で精神的にハードな対応が続き、胃は痛むし、週末の音楽会やランニング以外楽しいこともないし、PCも壊れたままなので、ブログ書くのもちょっと億劫な日々が続いています。ということで、今更思い出したように、昨年の年末にベルギーに日帰りで出かけたマグリット美術館をご報告いたします。

 2009年6月にオープンしたての、名前の通りマグリット専門の美術館です。ベルギーが生んだシュールレアリズムの巨匠の地元博物館ですから、アムステルダムのゴッホ美術館に出かけたとき並みの期待感があり、この日はこの美術館だけを目的に日帰り旅行をしたのでした。場所はブリュッセルのヘソとも言えるグラン・プラスから歩いて10分弱です。有名な王立美術館の入口から入ります。

 王立美術館とつながった建物の3階から1階に降りながら廻るようになっています。展示は時系列に沿って、若き日の作品から晩年に渡るまでの作品が約200点が展示されています。画集とか絵葉書で見た絵がいろいろあります。そして絵画以外にも、彼がデザインしたポスターや友人にあてた手紙や写真などの資料もふんだんに展示してあります。スーツを着て絵を描いている絵がありますが、彼自身、スーツを着て描いていたんですね。また、彼が一時、共産党員だったとか全然知りませんでした。いろんな資料を通じて、人間マグリットに迫るという感覚があります。

 欧州に来てからはどうしてもルネッサンス期や近代絵画以前の西洋絵画に目が行くようになっていましたが、もともととても好きな画家でしたので、これだけのまとまった量の作品を目にできるのは、それだけで感動モノでした。来てよかった~、心底思いました。マグリットにとっても近づけた気になります。

 1階の下の0階にはミュージアムショップがあり、そこも充実しています。マグリットの絵はイラストとして、ノート、マグネット、いろんな文房具や小物にも合うので、お土産も含めていろいろ買っちゃいました。

 マグリットの絵がお好きな方は、是非、訪れることをお奨めいたします。

 なお、入場は時間制になっていますので、極力、ネットで事前予約をしてから行かれる事をお奨めいたします。年末だというのに、この日もかなり込み合っていました。長い行列ができるというようなことはありませんでしたが、随分並ぶときもあるみたいです。

 2010年12月29日訪問 
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塩野七生 『ローマ人の物語〈24〉賢帝の世紀〈上〉』 (新潮文庫)

2011-03-01 23:37:37 | 
いよいよ本書からローマの全盛期である紀元二世紀の、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヲス・ピウスの三皇帝の時代に入ります。まず、本巻では、初の属州出身皇帝のトライアヌスの治世が描かれます。

いろいろ驚かされることの多いローマ帝国ですが、スペイン南部の属州出身者であるトライアヌスが皇帝になるというのには驚きました。まさに、『勝者であるローマが敗者の属州を支配しつづけるのではなく、属州までも巻き込むことによって一大「共同体」を創生していったのがローマ帝国だが、皇帝たちの出身地の移行の過程に、それが最も具体的な形で示されている』(p29)のです。

更にトライアヌスの仕事ぶりにも驚かずにはおられません。ダキア征服による防衛線の再編、帝国全域を巻き込んだ一大公共事業ラッシュ、どれもそのスケールの大きさや仕事の手早さは、ホントお見事です。

本書では70ページを割いて、史料の乏しいダリア戦役について、トライアヌス円柱に掘り込まれた浮彫りを解読しながら、再現します。一度訪れたローマですが、再び足を運んで、もう一度このトライアヌス円柱、トラアヌスのForumなどを見学したくなりました。
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