脛骨欠損など小児難病等の治療方法に関する2000年度報告書(^^;;
最近初めて知った。
こんな報告書があったこと。
娘が生まれる3年も前に、こんな報告が出ていることを知っていたら
たぶんあんなに悩まなかったし
あんなに苦労しなかっただろう。
やはり 無知は罪
もっと大切な情報を探しやすくするべきだと思う。
これなんか、国の正式な報告書だからきちんと探せば出てくるんだけど、闇雲に探しても見つからない。
そういうもの。
そうした文献を患者家族や 医療従事者がきちんと整理して閲覧しやすくすること。
それも大切なことなんだろうな。
事実、こうして紹介することで はじめてこの報告を目にされるご家族はいらっしゃると思うわけでね。
タイムマシンがあったら、離断を決断するのに、必死で情報を集めといたあの頃の自分へ届けてあげたい。
そんな報告
ご紹介してみよう。
一部 写真や個人名なんかは割愛してある。
本物をみたい人は、検索すれば見つかるよ。(^^;;
以下、報告より…
小児難病又は小児慢性疾患の効果的療育支援及び治療方法に関する研究(2000年度報告書)
代表
心身障害児総合医療療育センター
研究目的
患者や診療の実態を知り、適切な治療を行い、有効な治療法を開発し、患者と医療関係者の情報の共有により、患者の生活の質(QOL)を向上させること
研究方法
1)新潟県立はまぐみ小児療育センターおよび九州大学附属病院整で疫学調査をおこなった。
2)低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の臨床像を検討した。
3)治療法の開発として、骨形成不全症に対する髄内釘、低身長に対する脚延長術、イリザロフ法を用いた四肢変形矯正、脊椎手術、先天性脛骨欠損で切断か温存かについて検討した。
4)療育支援として骨形成不全症の患者手帳を作成した。
5)中央列多指症、合指症、および裂手症の基礎的研究を行った。
結果と考察
1)疫学調査新潟県立はまぐみ小児療育センターでは、昭和34年から平成13年2月までの41年間に、骨系統疾患と確定診断されたか、ないしは骨系統疾患を疑われた261例のうち、X線所見上osteochondro-dysplasiaと言えるのは111例であった。骨形成不全症が36例と圧倒的に多く、次いで軟骨無形成症がその半数の18例であった。診断がつかなかった症例が8例存在した。このように診断には困難を伴う事が多く、日本整形外科学会などが主催するオープンな診断支援システムが必要と考えられた。また、最近4年間に九州大学附属病院整形外科を初診した骨系統疾患(広義の)例を集計した。新患患者は合計83例で、およそ1年に約20名程度の初診例がみられた。内訳は骨軟骨異形成症が31例、異骨症が30例、骨病変を伴うその他の疾患が13例、染色体異常が3例、代謝異常が2例、未診断例を含むその他が4例であった。受診時年齢は1歳未満が17例(20%)あり、形態異常を主訴としていた。全体の約7割(59例)は20歳未満で受診していたが、20歳以降の初診例も約3割を占めた。成人の初診例では、Marfan症候群や神経線維腫症による側彎や腫瘤、骨端の異常を起因とした関節症などが見られた。
2)疾患の臨床像日本整形外科骨系統疾患全国登録に登録されている低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病64例から他疾患の可能性のある例を除いた43例を対象にした。男性15例、女性28例で、平均年齢は20.8才である。家族歴は48%に認められた。主訴の第一位は、これまでの報告のように四肢変形(殆どはO脚)であり、全体の80%を占めた。第二位は低身長の55%であった。これは、16才以下の小児を対象とした報告(7.7%)よりかなり高率であり、年令が進めば低身長が問題化することが示唆された。記載があった18例の血清検査の結果では、カルシウム値は正常範囲を示すが、リン値は低下し、アルカリフォスファタ-ゼ値は増加していた。これらの所見は小児を対象とした過去の報告と一致していた。
3)治療法の開発骨形成不全症の大腿骨変形矯正手術には、種々の髄内釘が用いられる。Bailey nail ではK-wire に比べ、再置換を要する率が低く、再置換までの期間も長い傾向が見られた。再置換を要した例は、要さない例より手術時年齢が低い傾向が見られた。Bailey nail では、断端のTピースに関する合併症が多く見られた。Sheffield rod では術後経過期間が短いが、Bailey nail の問題点を改善し、良好な成績が得られた。低身長に対する脚延長術では、大腿延長平均8.9cm、下腿延長平均12.2cm の身長の増加により、高所に手が届きやすくなるなどのADLが改善する一方、ズボンの着用、靴下の着脱、足の爪切り、階段の昇り、階段の降り、床からの立ち上がり、しゃがみ込みいずれにおいても悪化した症例があった。これらは、大量延長と足関節背屈制限が悪化の要因と考えられた。脚延長術は、低身長の治療として有効であったが、方法など今後さらに検討を要すと思われた。骨系統疾患等によって生じた複雑で高度な四肢変形の治療には難渋する.イリザロフ創外固定器を用いた骨・軟部組織の延長法を下肢変形の緩徐な矯正に応用すれば,従来では治療困難な例でも矯正できる。骨系統疾患に合併する環軸椎不安定症では症状が重篤になってからでは手術をしても改善が悪く、早期診断、治療が重要である。患者の訴えや神経学的異常所見に乏しいことが多いため、スクリーニングとして頚椎X線機能写を施行すべきである。不安定性を認める例や有効脊柱管前後径の小さい例では頚椎前屈位および後屈位でのMRI検査で脊髄圧迫の有無を確認する必要がある。脊髄症状を認めた例、MRIで脊髄圧迫所見を認める例では手術適応がある。症状が軽微な症例では術後経過は良好である。術後下位隣接椎間の不安定性が出現した例もあり骨癒合が得られた後も長期にわたる経過観察が必要である。 軟骨無形成症に伴う脊柱管狭窄症手術例5例で、初期の3例には広範囲椎弓切除術、最近の2例には除圧矯正固定術を施行した。除圧矯正固定術は、後方進入にて椎間関節を全切除し、後方除圧の後L1椎体尾側を楔状に骨切りし、椎弓根スクリューを用いて、後方要素を短縮、固定した。椎弓切除群の3例では、術直後も症状の残存がみられたのに対し、除圧矯正固定群は2例とも術直後に症状が消失した。また、後弯の変化を見ると、椎弓切除群では平均13.3年の経過観察にて12度から26度の後弯の進行がみられたが、除圧矯正固定術群では、術後10度から27度矯正され、その矯正位が保たれていた。
先天性脛骨欠損は手術術式の選択、手術の時期が問題となる。心身障害児総合医療療育センター12年間、15例の治療経験を報告した。脛骨完全欠損では、片側例は中心化術の有効な場合もあったが、両足例では、1歳前後で膝離断し早期より義足歩行を行った方が実用歩行も早期に得られ長期的に見て有利と思われた。
4)療育支援骨形成不全症の患者手帳を作成した。これにより患者と医療関係者が、情報を共有し、療育が効率的に行われ、患者のQOLの向上が期待される。
5)基礎的研究中央列多指症、合指症、および裂手症は、Homeobox(Hox)遺伝子に属するHoxa13 とHoxd13 が関与している。指列誘導異常の形成過程におけるHox 遺伝子の発現変化を観察した報告はない。今回、指列誘導異常モデルにおいて、Hoxa13 とHoxd13 の発現減少が観察された。また、指列誘導異常の形成過程での細胞増殖因子fibroblast growth factor 8 (Fgf8)、bone morphogenetic protein (Bmp4)、およびSonic hedgehog (Shh)の発現を観察した。
結論
骨系統疾患は比較的希な疾患であり病態は様々であるが、患者の臨床像を正確に把握する必要がある。低身長や四肢の変形に対し有効な治療法が開発されてきているが、療育支援を効果的に進めるには、患者と医療従事者が情報を共有していくシステム作りが重要である。
最近初めて知った。
こんな報告書があったこと。
娘が生まれる3年も前に、こんな報告が出ていることを知っていたら
たぶんあんなに悩まなかったし
あんなに苦労しなかっただろう。
やはり 無知は罪
もっと大切な情報を探しやすくするべきだと思う。
これなんか、国の正式な報告書だからきちんと探せば出てくるんだけど、闇雲に探しても見つからない。
そういうもの。
そうした文献を患者家族や 医療従事者がきちんと整理して閲覧しやすくすること。
それも大切なことなんだろうな。
事実、こうして紹介することで はじめてこの報告を目にされるご家族はいらっしゃると思うわけでね。
タイムマシンがあったら、離断を決断するのに、必死で情報を集めといたあの頃の自分へ届けてあげたい。
そんな報告
ご紹介してみよう。
一部 写真や個人名なんかは割愛してある。
本物をみたい人は、検索すれば見つかるよ。(^^;;
以下、報告より…
小児難病又は小児慢性疾患の効果的療育支援及び治療方法に関する研究(2000年度報告書)
代表
心身障害児総合医療療育センター
研究目的
患者や診療の実態を知り、適切な治療を行い、有効な治療法を開発し、患者と医療関係者の情報の共有により、患者の生活の質(QOL)を向上させること
研究方法
1)新潟県立はまぐみ小児療育センターおよび九州大学附属病院整で疫学調査をおこなった。
2)低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病の臨床像を検討した。
3)治療法の開発として、骨形成不全症に対する髄内釘、低身長に対する脚延長術、イリザロフ法を用いた四肢変形矯正、脊椎手術、先天性脛骨欠損で切断か温存かについて検討した。
4)療育支援として骨形成不全症の患者手帳を作成した。
5)中央列多指症、合指症、および裂手症の基礎的研究を行った。
結果と考察
1)疫学調査新潟県立はまぐみ小児療育センターでは、昭和34年から平成13年2月までの41年間に、骨系統疾患と確定診断されたか、ないしは骨系統疾患を疑われた261例のうち、X線所見上osteochondro-dysplasiaと言えるのは111例であった。骨形成不全症が36例と圧倒的に多く、次いで軟骨無形成症がその半数の18例であった。診断がつかなかった症例が8例存在した。このように診断には困難を伴う事が多く、日本整形外科学会などが主催するオープンな診断支援システムが必要と考えられた。また、最近4年間に九州大学附属病院整形外科を初診した骨系統疾患(広義の)例を集計した。新患患者は合計83例で、およそ1年に約20名程度の初診例がみられた。内訳は骨軟骨異形成症が31例、異骨症が30例、骨病変を伴うその他の疾患が13例、染色体異常が3例、代謝異常が2例、未診断例を含むその他が4例であった。受診時年齢は1歳未満が17例(20%)あり、形態異常を主訴としていた。全体の約7割(59例)は20歳未満で受診していたが、20歳以降の初診例も約3割を占めた。成人の初診例では、Marfan症候群や神経線維腫症による側彎や腫瘤、骨端の異常を起因とした関節症などが見られた。
2)疾患の臨床像日本整形外科骨系統疾患全国登録に登録されている低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病64例から他疾患の可能性のある例を除いた43例を対象にした。男性15例、女性28例で、平均年齢は20.8才である。家族歴は48%に認められた。主訴の第一位は、これまでの報告のように四肢変形(殆どはO脚)であり、全体の80%を占めた。第二位は低身長の55%であった。これは、16才以下の小児を対象とした報告(7.7%)よりかなり高率であり、年令が進めば低身長が問題化することが示唆された。記載があった18例の血清検査の結果では、カルシウム値は正常範囲を示すが、リン値は低下し、アルカリフォスファタ-ゼ値は増加していた。これらの所見は小児を対象とした過去の報告と一致していた。
3)治療法の開発骨形成不全症の大腿骨変形矯正手術には、種々の髄内釘が用いられる。Bailey nail ではK-wire に比べ、再置換を要する率が低く、再置換までの期間も長い傾向が見られた。再置換を要した例は、要さない例より手術時年齢が低い傾向が見られた。Bailey nail では、断端のTピースに関する合併症が多く見られた。Sheffield rod では術後経過期間が短いが、Bailey nail の問題点を改善し、良好な成績が得られた。低身長に対する脚延長術では、大腿延長平均8.9cm、下腿延長平均12.2cm の身長の増加により、高所に手が届きやすくなるなどのADLが改善する一方、ズボンの着用、靴下の着脱、足の爪切り、階段の昇り、階段の降り、床からの立ち上がり、しゃがみ込みいずれにおいても悪化した症例があった。これらは、大量延長と足関節背屈制限が悪化の要因と考えられた。脚延長術は、低身長の治療として有効であったが、方法など今後さらに検討を要すと思われた。骨系統疾患等によって生じた複雑で高度な四肢変形の治療には難渋する.イリザロフ創外固定器を用いた骨・軟部組織の延長法を下肢変形の緩徐な矯正に応用すれば,従来では治療困難な例でも矯正できる。骨系統疾患に合併する環軸椎不安定症では症状が重篤になってからでは手術をしても改善が悪く、早期診断、治療が重要である。患者の訴えや神経学的異常所見に乏しいことが多いため、スクリーニングとして頚椎X線機能写を施行すべきである。不安定性を認める例や有効脊柱管前後径の小さい例では頚椎前屈位および後屈位でのMRI検査で脊髄圧迫の有無を確認する必要がある。脊髄症状を認めた例、MRIで脊髄圧迫所見を認める例では手術適応がある。症状が軽微な症例では術後経過は良好である。術後下位隣接椎間の不安定性が出現した例もあり骨癒合が得られた後も長期にわたる経過観察が必要である。 軟骨無形成症に伴う脊柱管狭窄症手術例5例で、初期の3例には広範囲椎弓切除術、最近の2例には除圧矯正固定術を施行した。除圧矯正固定術は、後方進入にて椎間関節を全切除し、後方除圧の後L1椎体尾側を楔状に骨切りし、椎弓根スクリューを用いて、後方要素を短縮、固定した。椎弓切除群の3例では、術直後も症状の残存がみられたのに対し、除圧矯正固定群は2例とも術直後に症状が消失した。また、後弯の変化を見ると、椎弓切除群では平均13.3年の経過観察にて12度から26度の後弯の進行がみられたが、除圧矯正固定術群では、術後10度から27度矯正され、その矯正位が保たれていた。
先天性脛骨欠損は手術術式の選択、手術の時期が問題となる。心身障害児総合医療療育センター12年間、15例の治療経験を報告した。脛骨完全欠損では、片側例は中心化術の有効な場合もあったが、両足例では、1歳前後で膝離断し早期より義足歩行を行った方が実用歩行も早期に得られ長期的に見て有利と思われた。
4)療育支援骨形成不全症の患者手帳を作成した。これにより患者と医療関係者が、情報を共有し、療育が効率的に行われ、患者のQOLの向上が期待される。
5)基礎的研究中央列多指症、合指症、および裂手症は、Homeobox(Hox)遺伝子に属するHoxa13 とHoxd13 が関与している。指列誘導異常の形成過程におけるHox 遺伝子の発現変化を観察した報告はない。今回、指列誘導異常モデルにおいて、Hoxa13 とHoxd13 の発現減少が観察された。また、指列誘導異常の形成過程での細胞増殖因子fibroblast growth factor 8 (Fgf8)、bone morphogenetic protein (Bmp4)、およびSonic hedgehog (Shh)の発現を観察した。
結論
骨系統疾患は比較的希な疾患であり病態は様々であるが、患者の臨床像を正確に把握する必要がある。低身長や四肢の変形に対し有効な治療法が開発されてきているが、療育支援を効果的に進めるには、患者と医療従事者が情報を共有していくシステム作りが重要である。