新しい道徳--北野武著--を読んで
興味があったので読んでみました。
感想としては、「素晴らしい。」
とかく矛盾が多く、考えることが難しい「道徳」という概念について、様々な角度から考えるヒントを提示してくれる。
断じるわけでもなく、あくまでも独断と偏見と言いつつも、あまりの説得力に引き込まれます。
感想を備忘録をかねて書いていきますね。
冒頭に結論が書いてある通り、広義の「そもそも道徳ってなんだっけ?」的なことも自分の頭で考えなくてはいけないし、狭義の「自分にとっての道徳」も当然自分で考えなくてはいけないなと。広義の道徳というものは決して不変なものではなく、時代や環境によってその中身は変化し続けていくものなんだなと。言われてみれば当たり前なんですが、その視点をもつ大切さを考えさせられます。
そもそもそこから全てが始まるのでしょうね。
「人生をこれから始める子供に、人生を見つめさて、何の意味があるのか?」
「なぜ、本を読みながら歩いた二宮金次郎が銅像になって、スマホを片手に歩いている女子高生が目の敵にさらされるのか。」
なるほど、もっとも。
小学生が授業で聞いたら、担任の先生はなんと答えるんだろう。いや、娘が私に聞いてきたら私はどう答えよう。
おもわず考えてしまうテーマが満載。
たしかになぁ。
「夢なんてかなえなくても、この世に生まれて、生きて、死んでいくだけで、人生は大成功だ。」
「人生の目的があるならそれを追及すればいい、だけどないなら無理して人生の目的を探すことなんてない、友達が一人もいなくても幸せに生きている奴はたくさんいる。」
これまた、納得。
同感である。
こういう視点。実はなかなか胸を張って言うのって勇気がいる。さりげないけど心に残る。
こういう風に思えれば、いじめも引きこもりも減るだろうに。自分なりに夢中になれるものを見つけること。つまりはそれが肝要なんだろうなと考えさせられる。
「勤勉だの勤労だのが道徳なのは、ほんとうのところ、誰のためなんだろうか。 いつの時代も、権力者は人を働かせたがる。 今もそれは変わらない。」
そしていまや、メディア自体が信用できず。
様々な当たり前が権力者の都合で歪められている。情報を見極める力が問われるというこてなんだろう。
「人間として生きるには、やっぱり道徳はあったほうがいい。ただし、他人の作った道徳に鼻面つかまれて引っ張り回される必要はない。」
(中略)
「学校で作る道徳の教材にいろいろ文句をつけてきたけれど、少なくともあの教材は自分なりの道徳を作る手本にはなる。」
最後にこうしたまとめをはさむのが憎い。
つまりはいまの教師たちに対するお願いであろう。「現場の力で変えられるのだ」と。
なんだかたけしさんならではのユーモアと歯に衣着せぬ語り口で、一気に読めてしまいます。
なんども読み直したくなる一冊かもしれませんね。 ぜひご一読をお勧めしますよ。
(^O^)

興味があったので読んでみました。
感想としては、「素晴らしい。」
とかく矛盾が多く、考えることが難しい「道徳」という概念について、様々な角度から考えるヒントを提示してくれる。
断じるわけでもなく、あくまでも独断と偏見と言いつつも、あまりの説得力に引き込まれます。
感想を備忘録をかねて書いていきますね。
冒頭に結論が書いてある通り、広義の「そもそも道徳ってなんだっけ?」的なことも自分の頭で考えなくてはいけないし、狭義の「自分にとっての道徳」も当然自分で考えなくてはいけないなと。広義の道徳というものは決して不変なものではなく、時代や環境によってその中身は変化し続けていくものなんだなと。言われてみれば当たり前なんですが、その視点をもつ大切さを考えさせられます。
そもそもそこから全てが始まるのでしょうね。
「人生をこれから始める子供に、人生を見つめさて、何の意味があるのか?」
「なぜ、本を読みながら歩いた二宮金次郎が銅像になって、スマホを片手に歩いている女子高生が目の敵にさらされるのか。」
なるほど、もっとも。
小学生が授業で聞いたら、担任の先生はなんと答えるんだろう。いや、娘が私に聞いてきたら私はどう答えよう。
おもわず考えてしまうテーマが満載。
たしかになぁ。
「夢なんてかなえなくても、この世に生まれて、生きて、死んでいくだけで、人生は大成功だ。」
「人生の目的があるならそれを追及すればいい、だけどないなら無理して人生の目的を探すことなんてない、友達が一人もいなくても幸せに生きている奴はたくさんいる。」
これまた、納得。
同感である。
こういう視点。実はなかなか胸を張って言うのって勇気がいる。さりげないけど心に残る。
こういう風に思えれば、いじめも引きこもりも減るだろうに。自分なりに夢中になれるものを見つけること。つまりはそれが肝要なんだろうなと考えさせられる。
「勤勉だの勤労だのが道徳なのは、ほんとうのところ、誰のためなんだろうか。 いつの時代も、権力者は人を働かせたがる。 今もそれは変わらない。」
そしていまや、メディア自体が信用できず。
様々な当たり前が権力者の都合で歪められている。情報を見極める力が問われるというこてなんだろう。
「人間として生きるには、やっぱり道徳はあったほうがいい。ただし、他人の作った道徳に鼻面つかまれて引っ張り回される必要はない。」
(中略)
「学校で作る道徳の教材にいろいろ文句をつけてきたけれど、少なくともあの教材は自分なりの道徳を作る手本にはなる。」
最後にこうしたまとめをはさむのが憎い。
つまりはいまの教師たちに対するお願いであろう。「現場の力で変えられるのだ」と。
なんだかたけしさんならではのユーモアと歯に衣着せぬ語り口で、一気に読めてしまいます。
なんども読み直したくなる一冊かもしれませんね。 ぜひご一読をお勧めしますよ。
(^O^)
