人間の尊厳がとやかく言われる背景は、相手の存在を認めないとする歴史的侵略者の、強者の立ち位置が崩れかかっている時ではないか。イスラエルのシオニストによるパレスチナ人迫害も、本末転倒の本家略奪とも言えるユダヤ人詐称が、イスラエル建国の根拠となって、本来のユダヤ人の血を受け継ぐパレスチナの地を奪ったのである。このことは大国によって歴史の改編も起こりうる事を示している。バックボーンの米国の力に変化が現れ始めたことで、中東でのイスラエルの立ち位置に変化が現われても不思議ではない。パレスチナ人の尊厳と存在の確証を求めて、パレスチナサイドにも変化が現われて来るだろう。ロシアのウクライナ崩壊作戦は復元が不可能なほどに破壊尽くされて、ウクライナ国民の尊厳もまた傷つけられている。ロシアの国土は広大であるが、世界のリーダーとしての気質に「?」が付いてきた。長年の鬱積がもたらした国土防衛の愚策が、対立国の侵略を懸念した結果だとしても、時代錯誤も甚だしい。プーチンの勇み足と言うより狂気の沙汰であろう。世界をリードするには対立する大国の戦略的軌跡を後追いするだけでは駄目だ。21世紀は人類が宇宙に飛び出そうとする、脱地球の足がかりを築くときだ。新時代に相応しい展望を示さなければ、猿の惑星に置きかわってしまう。
(夏の夜の妄言独言浅き夢見しより)