Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ヴァーチャルアイランド・プログラム15.

2009年01月17日 | Design&3DCG
 通例、モデルの撮影において、長い焦点距離のレンズを絞り開放付近で使用すると、被写体の前後の風景はぼける。こうすることで被写体を引き立てようとする手法である。Vueでもこの手法を取り入れることができる。それがこの要塞の廃墟で撮影したのが、このレンダリングである。
 少し話題は変わるが、物事に名前をつけることについて、追加して述べておこう。例えばこのヴァーチャルアイランドの地名をつけることでもそうなのだが、私達が使用している言葉は、過去に誰かによって物事に名前が与えられ、意味が付加され、そして活字もつくられてきた。言葉というのは、人類による最初の創造物である。そんな誰かによってつくられ、使用されてきた創造物である言葉を私達は、引き継いで使用しているのである。
 言葉を、引き継いで使用している環境に甘んじていると、物事に名前をつけたり、新しい概念を言葉で表現することが、本学の学生達は大変下手である。そういうのをボキャ貧と呼ぶのだろう。だからこの課題では、地名をつけたり、新しい概念をコンセプトチャートとして表現してゆく訓練を課している。
 誰しも、子供が生まれたり、新しいお店や会社をつくったり、或いは新しいTV番組をつくれば、名前をつけるだろう。それを横から借りて加工したり、あるいは祈祷師の類にまかせたりしているのでは、良い名前はできない。現代人共通のこととして、物事に名前をつけたり、新しい言葉や漢字をつくったりするといったことに関する、知識と感性に欠落しているのではないかと思われる。
 そう、言葉や漢字は、その意味が説得力を持って一般的に通用すれば、大いに新しい読みや漢字の形を創造してよいのである。

制作:2006年
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする