アチキの日課の一つ。ようやく病が抜けて、今日は久しぶりに公園で冬の海のスケッチ。
下校途中の小春がやってきた。今日はコートにブーツでしっかり雪の格好だ。
小春「オジサンしばらくぶりね。病気してたんだあ。スケッチに来るぐらいだから治ったみたいね。このあいだねぇー雪が積もる前のことね。ユウ君と海がみえる郊外の森にいってきたの。風がとても強くて、海は波が立っていて、すごい景色だったんだぁー」
「夢は、枯れ野を駆け巡るってやつかな」
小春「それなぁーに?」
「松尾芭蕉という昔の人の言葉だよ」
小春「その枯れ野という言葉がピッタリのところなの。ススキの枯れたのが沢山あって。それでユウ君たら寒いよ、早く暖かいところでしようよ、の一点張りなの。男の子って弱いんだと思った」
「今は、そうだろうね」
小春「でねっ、ユウ君たら・・・」
ユウ「わっ、寒いよ!。ここでするの?」
小春「そんな、わけないじゃん。この景色が綺麗だと思わない?」
ユウ「寒くて、怖いぐらいだ・・」
小春「もう、ユウ君は臆病なんだからぁー」
ユウ「ボク、こんなスげぇー冬の景色をみたのは初めてだよ」
小春「冬らしくて、とても素敵じゃん。でもユウ君は、小春としたいから、気もそぞろなのね。この森にきたのは、秘密のデートスポットがあるって美希姉ちゃんが教えてくれたの。ここの下の方に、それがあるの。風も来ないし、人も来ないから、セックスするのにいいところなんだって。こんな風の強い日は誰もこないよ、って美希姉ちゃんがいうからでかけたの」
「フゥーーん、秘密の基地かぁー」
小春「そうなの、そしたら細い道の入り口に自転車が2台、置いてあったの。それってこないで、というサインなんだって」
「そんな寒い日に、ア・オ・カ・ンの先客がいたですか・・・」
小春「この話は、続きがあるのよ」