Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング335. 小説:小樽の翆266.  枯れ野

2020年12月16日 | Sensual novel

 

 アチキの日課の一つ。ようやく病が抜けて、今日は久しぶりに公園で冬の海のスケッチ。

下校途中の小春がやってきた。今日はコートにブーツでしっかり雪の格好だ。

小春「オジサンしばらくぶりね。病気してたんだあ。スケッチに来るぐらいだから治ったみたいね。このあいだねぇー雪が積もる前のことね。ユウ君と海がみえる郊外の森にいってきたの。風がとても強くて、海は波が立っていて、すごい景色だったんだぁー」

「夢は、枯れ野を駆け巡るってやつかな」

小春「それなぁーに?」

「松尾芭蕉という昔の人の言葉だよ」

小春「その枯れ野という言葉がピッタリのところなの。ススキの枯れたのが沢山あって。それでユウ君たら寒いよ、早く暖かいところでしようよ、の一点張りなの。男の子って弱いんだと思った」

「今は、そうだろうね」

小春「でねっ、ユウ君たら・・・」

ユウ「わっ、寒いよ!。ここでするの?」

小春「そんな、わけないじゃん。この景色が綺麗だと思わない?」

ユウ「寒くて、怖いぐらいだ・・」

小春「もう、ユウ君は臆病なんだからぁー」

ユウ「ボク、こんなスげぇー冬の景色をみたのは初めてだよ」

小春「冬らしくて、とても素敵じゃん。でもユウ君は、小春としたいから、気もそぞろなのね。この森にきたのは、秘密のデートスポットがあるって美希姉ちゃんが教えてくれたの。ここの下の方に、それがあるの。風も来ないし、人も来ないから、セックスするのにいいところなんだって。こんな風の強い日は誰もこないよ、って美希姉ちゃんがいうからでかけたの」

「フゥーーん、秘密の基地かぁー」

小春「そうなの、そしたら細い道の入り口に自転車が2台、置いてあったの。それってこないで、というサインなんだって」

「そんな寒い日に、ア・オ・カ・ンの先客がいたですか・・・」

小春「この話は、続きがあるのよ」

コメント
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