Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング329. 小説:小樽の翆260. ミニチュアシュナウザーを連れた女

2020年12月10日 | Sensual novel

 

 朝の仕事が一段落して珈琲!。豆が切れちまった。入船交差点の角のコンビニへゆこう。いつもコンビニの所だけは、夜半に店員さんが雪かきをしてくれている。

コンビニの軒下で珈琲を飲みながら、仕事があがりの店員さんも隣で珈琲を飲んでいる。

交差点をわたって、三十代はすぎているだろう年齢がわからないスラッとした物腰の静かな女がミニチュアシュナウザーを引き連れてやってきた。

店員さん「あら、雪の日でも散歩!」

女「そう、毎日散歩させないとダメなんだって」

静かな会話に聞き耳をたてるとコンビニの常連か。きっとコートも持たないから、この近所なのだろう。

概して犬は雪が好きだ。昔普段はソファーで怠惰に寝ているシベリアン・ハスキーが、雪の空地を、イキイキと走り回っていた事を記憶している。

そういって目の前を通り過ぎ、反対側の道をわたっていった。犬の歩行が遅いので半分もゆかないうちに信号が変わりだし、女は犬を抱えて反対側にわたっていった。

そんなスパッツ姿の後ろ姿にみとれていると、エクササイスで鍛えたような均整が取れたボディに、紐無しのコンバースを履いている。

年齢もわからない、生活感もない、主婦でもない、仕事をしている自由業風でもない、もちろん妾風でもない、そんな想像をすべて払拭する、ミニチュアシュナウザーを連れた美ボディの女とすれ違った。

朝の心地よい衝撃だった・・・。

 

コメント
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