Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング346. 小説:小樽の翆277. 海へ続く道

2020年12月25日 | Sensual novel

 

 クリスマスイブが終わると、街はお正月への衣替えで忙しい。

朝、翆が夜勤明けで帰ってきた。

翆「アチキー、レロレロ、寒いよー」

といって布団に入ってきたから、抱きながら暖めているうちに、また寝てしまった。

午後遅く起きて、バスで石狩湾の海岸へ出かけた。

海へ続く道は、雪がしっかり積もっている。

絵を描きながら海岸へ向かう頃には、もう夕方だ。

この坂を下ると、翼君がバイトしている海の家がある。

寄ってゆくか。

・・・

「どうだった、彼女とのクリスマスイブは?」

翼「ここの海の家で、すごした。彼女がケンタのフライドチキンとハンバーガーを持ってきたので、コカコーラとノンアルで、朝までスマホ・カラオケではしゃいじゃったよ。でっ、そのまま学校へいって終業式。お互い寝ていたですぅー」

「でっ、もちろんエッチも・・・」

翼「もちろん!。波の音がバックミュージックだよーーん(笑)

「それは、いいクリスマスイブでしたね!」

 (大笑)

・・・

翼君が熱い珈琲を入れてくれた。

リュックから、昨日のチキンを取り出して、

「これを肴にしよう」

大きなガラス戸越しに、石狩湾を望みながら飲む熱々の珈琲は、湯気が目にしみるほど美味しい。

・・・

さて暖まったから、帰ろう。

「お正月もここ?」

翼「多分、ここにいることが、多いと思う」

「じゃ、また。バーイ」

・・・

雪がやんで冷えてきた。来たときの靴跡がまだ残っている。

冬だ!。

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