クリスマスイブが終わると、街はお正月への衣替えで忙しい。
朝、翆が夜勤明けで帰ってきた。
翆「アチキー、レロレロ、寒いよー」
といって布団に入ってきたから、抱きながら暖めているうちに、また寝てしまった。
午後遅く起きて、バスで石狩湾の海岸へ出かけた。
海へ続く道は、雪がしっかり積もっている。
絵を描きながら海岸へ向かう頃には、もう夕方だ。
この坂を下ると、翼君がバイトしている海の家がある。
寄ってゆくか。
・・・
「どうだった、彼女とのクリスマスイブは?」
翼「ここの海の家で、すごした。彼女がケンタのフライドチキンとハンバーガーを持ってきたので、コカコーラとノンアルで、朝までスマホ・カラオケではしゃいじゃったよ。でっ、そのまま学校へいって終業式。お互い寝ていたですぅー」
「でっ、もちろんエッチも・・・」
翼「もちろん!。波の音がバックミュージックだよーーん(笑)」
「それは、いいクリスマスイブでしたね!」
(大笑)
・・・
翼君が熱い珈琲を入れてくれた。
リュックから、昨日のチキンを取り出して、
「これを肴にしよう」
大きなガラス戸越しに、石狩湾を望みながら飲む熱々の珈琲は、湯気が目にしみるほど美味しい。
・・・
さて暖まったから、帰ろう。
「お正月もここ?」
翼「多分、ここにいることが、多いと思う」
「じゃ、また。バーイ」
・・・
雪がやんで冷えてきた。来たときの靴跡がまだ残っている。
冬だ!。