リュックの中に機材を投げ込んでおいたら、SONYのレンズ鏡胴に傷がついていた。マニュアルフォーカスが動かない。
ならばSONYへ修理だ。といってサービスセンターは大阪ミナミだし、梅田のソニープラザだって京都から1時間かかる。ブラウザをくくると京都に代理店がある。それも都心を外れた北の方。
何々!、鎌田電気!!、エアコン修理は即駆けつけます!!、だって。電気屋でレンズの修理か・・・。まあ撮影機材と威張っても所詮家電製品なのだろう。それでも大阪よりは近い。どうせ市営交通はフリーパスがあるしさ・・・。
出かけると本当に普通の電気屋だ。カウンターに耳の遠そうなお爺さんが寝ている。アチャー・・・来ちまったものは仕方ない。そんなお爺さんと珍問答をしていると女将さんが出てきた。まあ大阪にゆくよりはましだろう。そんなわけで紅葉の時期にツァィスレンズを修理に出していた。
鎌田電気がある新大宮商店街は、時代から置き去りにされた店がいくつか残っており寂れた空気が漂う。もちろん近所の大徳寺を訪れる観光客だって足を運ぶことはない。そもそも被写体がない。それでも撮影するのがフィールドワーク根性だ。修理が終わったらレンズの試写。
南に下れば西陣。今でも路地に入れば織機の音が聞こえる。京都の伝統産業が細々と生きている街だ。そこまで歩けば被写体もあるが、寒いからバスに乗って帰ろう。
この寂れた街を2往復したことになる。ツァイスレンズの修理が終わった頃、京都の紅葉も終わりかけていた。
京都市北区柴野門前町、新大宮商店街
SONYα6600、ZEISS Vario-Tessar E 16-70mm/F4.0 ZA OSS