

エゾシカとのイヤな接近遭遇。
2017-10-15 (日) 晴れ 気温 13度C
この日、朝から十勝川水系支流T川上流を釣り登っていた。
ワンキャストワンニジマスがしばらく続き、やがて源流域に入るとやっとオショロコマがいた。
突然、ものすごい水音、水しぶきとともに私の背後10mほどを大きなエゾシカ♂が川を渡って猛烈な速度で走り去っていった。
あまりに突然のことで当初何が起こったかわからず、驚きのあまり心臓が止まりそうになった。
私が釣り登ってゆくのを見て、茂みに息をひそめて隠れていたのだろうか。
ヒグマでなくて良かった。
このように大きなエゾシカ♂が突然、私の近くを突っ切る行動は、これまで何度も経験している。
山間の国道などでは、しばしばエゾシカ数頭が連なってドドドッとものすごい勢いで、何故か決まって車の直前を突っ切ってゆく。
群でなく、単独でも突然車の直前を横切るエゾシカは多い。
車が通り過ぎてからゆっくり道をわたれば良いものを、なぜエゾシカたちは決まって車の直前を突っ切るのだろう。
もしかすると示威行動みたいな意味合いもあるのかもしれない。
そうでなければあまりにもお馬鹿さんの行動だ。
私的な感想としては、きっと後者のお馬鹿さん行動が多いのではないかと思う。
この習性のため車と激突してあえない最後をとげるエゾシカ( ロードキル)が後を絶たない。




私は薄暮帯など、何度エゾシカとぶつかりそうになったかわからない。
突然、車の真ん前に飛び出したエゾシカ♂と激突しボンネットを大破したことがある。
幸い、廃車になるほどではなく修理代17万円で済んだ。
その時、ヨロヨロと起きあがって森の中に消えた鹿君はきっと死んだとおもう。
北海道では山間のアスファルト道路に、いたるところ鹿との激突を避けようとした急ブレーキ痕が見られる。
運転者の絶叫が聞こえてくるような、なまなましい激しいブレーキ痕だ。
一方、秋のエゾシカ交尾期には明らかに♂の示威行動とおもわれる場面を経験する。

冒頭の、釣り人のすぐ近くを走り抜けるエゾシカ♂はきっとそれにあたると思う。
このほか、林道に突っ立って車が直前に近づくまでがんばったあと、突然ビョーンと横っ飛びに逃げる行動。


さらには、林道で私の車とぴったり平行して20m ほどを疾走する巨大なオス鹿もいた。
これらの行動があったとき、決まって近くにメス鹿がみられることから、きっとオス鹿は自分が勇敢でパワフルであることをメス鹿に誇示しているのではなかろうか。
2019年9月の北海道新聞から切り抜き。

ヒグマとの接近遭遇はいやだがそう多くない。

エゾシカとのイヤな接近遭遇は遙かに多く、繁殖期の山道の運転には神経を使います。
観光地知床の新世代エゾシカ。
ところで、知床では人慣れした新世代クマが話題になるが、人ずれしきったエゾシカもしかり。
知床のエゾシカはまったく人を恐れる風はなくカメラを向けるとポーズさえ取ってくれるかも知れないといった風である。
知床では車の前に突然鹿が飛び出してロードキルになっちゃったという話はあまり聞かない。
知床ではヒグマもエゾシカも、もはや本来の野生は失われてしまったと思います。


