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エゾサンショウウオ産卵の季節から太陽光発電、風力発電におもう。
早春、4月。あちこちのダム湖では湖の氷が落ち、水面が出てきました。 この日は朝からの小雨が止んで、低い雲が広がり、山裾には霧が出て、なんとなく幻想的な風景です。
北海道のオホーツクの山野では、この時期、ちょっとした水たまりなどにエゾアカガエルとエゾサンショウウオの卵が観察できます。
エゾアカガエルは無数の卵塊状の卵を産み岸辺を覆い尽くす勢いです。
しばしば多数のエゾアカガエルが岸辺で独特の声で グァーぐぁーグァーぐぁー と大合唱していて、はるか遠くからもよく聞こえます。
かなり慎重に近ずいたつもりでしたが、カエル達に気づかれてしまい、大合唱はいっぺんに止まって、カエル達は矢継ぎ早に水に飛び込み、数十匹は見られたものが、あっというまに1匹も見えなくなってしまいました。
エゾアカガエルの卵と異なり、エゾサンショウウオの卵は特異です。
水中に透明なゼリー状卵嚢に包まれて産まれたエゾサンショウウオの卵をすくってみると大抵しっかりした枯れ枝などに絡みつくような形に固定されて産まれており感心させられます。
エゾサンショウウオは早春にあちこちで見かける独特の卵塊の数を見る限り、オホーツク北見市界隈では、おそらくかなりの個体数がいるのではないかと想像できます。
しかし、卵はよく見かけるものの、実は私自身エゾサンショウウオの成体を見たことはほとんどないのです。
そもそも、ふだんどこに隠れてどうやって生活しているのか、私自身は目にしたことがないのでわかりません。
昔、大雪山にウスバキチョウ を見に行った時、ウスバキチョウ が乱れ飛ぶ駒草平の小さな水たまりで数十匹のエゾサンショウウオが団子みたいに集塊をなして絡み合い、怪しくうごめいているのを見た記憶があるのみです。ちょっと気味悪い光景でしたが、おそらく生殖行動ではないかと思いました。
少しその気がある子供たちはよくエゾアカガエルの飼育などやりますが、もう少し自然に興味がある子供はエゾサンショウウオの飼育にチャレンジします。
私の子供たちもよくエゾサンショウウオの飼育をやっていましたが成体になる頃はすっかり飽きてしまい近くの川原などに放していました。
しかし、中には成体を精魂込めて飼う人もいるようで根っからの両生類大好きと言えます。
日本には 27種のサンショウウオが生息するようですが、北海道にはエゾサンショウウオ( Hynobius retardants )のほか稀少な絶滅危惧種キタサンショウウオ( Salamandrella keyserlingii )が生息します。
近年、釧路湿原のキタサンショウウオ生息地周辺で太陽光発電所の建設が相次ぎ、このままではキタサンショウウオのみならず特別天然記念物タンチョウや絶滅危惧種の猛禽類チュウヒの生息環境が損なわれると問題視され、釧路市では太陽光発電所建設を控えるべきエリアを指定するなどガイドラインを示していますがその後の経過なども知りたいものです。
北海道新聞朝刊 2023-6-3 1p より引用。
2023年には北海道北部に奇跡的に残されたサケ科の希少種イトウ (Parahucho perryi ) の繁殖水域の心臓部に大型風力発電風車群を建設するという、信じられないようなイトウ皆殺し大作戦まで明らかになり大きな問題となりました。
錦の御旗、地球温暖化を念頭においたこれらの計画が、今ある貴重な自然を軒並み犠牲にするほどに切羽詰まった状況にあるとは, 思われません。
風力発電や太陽光発電の立案者たちは、これら自然環境などに関しては不勉強ないし無知であり、計画を許可する権限を有する行政もまた同様であることは一連の経過をみる限りにおいて容易に想像できます。
今や、田中角栄の日本列島改造論時代のような、なりふり構わぬ自然大破壊は可能な限り慎まなければならない時代なのではないかと思い、両者さん達にはとりわけ慎重な態度を期待します。
青く輝くキタサンショウウオの卵塊はぜひ見てみたいものです。
2023-4-21 北海道新聞朝刊 P26 より引用。
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エゾサンショウウオ産卵の季節から太陽光発電、風力発電におもう。
早春、4月。あちこちのダム湖では湖の氷が落ち、水面が出てきました。 この日は朝からの小雨が止んで、低い雲が広がり、山裾には霧が出て、なんとなく幻想的な風景です。
北海道のオホーツクの山野では、この時期、ちょっとした水たまりなどにエゾアカガエルとエゾサンショウウオの卵が観察できます。
エゾアカガエルは無数の卵塊状の卵を産み岸辺を覆い尽くす勢いです。
しばしば多数のエゾアカガエルが岸辺で独特の声で グァーぐぁーグァーぐぁー と大合唱していて、はるか遠くからもよく聞こえます。
かなり慎重に近ずいたつもりでしたが、カエル達に気づかれてしまい、大合唱はいっぺんに止まって、カエル達は矢継ぎ早に水に飛び込み、数十匹は見られたものが、あっというまに1匹も見えなくなってしまいました。
エゾアカガエルの卵と異なり、エゾサンショウウオの卵は特異です。
水中に透明なゼリー状卵嚢に包まれて産まれたエゾサンショウウオの卵をすくってみると大抵しっかりした枯れ枝などに絡みつくような形に固定されて産まれており感心させられます。
エゾサンショウウオは早春にあちこちで見かける独特の卵塊の数を見る限り、オホーツク北見市界隈では、おそらくかなりの個体数がいるのではないかと想像できます。
しかし、卵はよく見かけるものの、実は私自身エゾサンショウウオの成体を見たことはほとんどないのです。
そもそも、ふだんどこに隠れてどうやって生活しているのか、私自身は目にしたことがないのでわかりません。
昔、大雪山にウスバキチョウ を見に行った時、ウスバキチョウ が乱れ飛ぶ駒草平の小さな水たまりで数十匹のエゾサンショウウオが団子みたいに集塊をなして絡み合い、怪しくうごめいているのを見た記憶があるのみです。ちょっと気味悪い光景でしたが、おそらく生殖行動ではないかと思いました。
少しその気がある子供たちはよくエゾアカガエルの飼育などやりますが、もう少し自然に興味がある子供はエゾサンショウウオの飼育にチャレンジします。
私の子供たちもよくエゾサンショウウオの飼育をやっていましたが成体になる頃はすっかり飽きてしまい近くの川原などに放していました。
しかし、中には成体を精魂込めて飼う人もいるようで根っからの両生類大好きと言えます。
日本には 27種のサンショウウオが生息するようですが、北海道にはエゾサンショウウオ( Hynobius retardants )のほか稀少な絶滅危惧種キタサンショウウオ( Salamandrella keyserlingii )が生息します。
近年、釧路湿原のキタサンショウウオ生息地周辺で太陽光発電所の建設が相次ぎ、このままではキタサンショウウオのみならず特別天然記念物タンチョウや絶滅危惧種の猛禽類チュウヒの生息環境が損なわれると問題視され、釧路市では太陽光発電所建設を控えるべきエリアを指定するなどガイドラインを示していますがその後の経過なども知りたいものです。
北海道新聞朝刊 2023-6-3 1p より引用。
2023年には北海道北部に奇跡的に残されたサケ科の希少種イトウ (Parahucho perryi ) の繁殖水域の心臓部に大型風力発電風車群を建設するという、信じられないようなイトウ皆殺し大作戦まで明らかになり大きな問題となりました。
錦の御旗、地球温暖化を念頭においたこれらの計画が、今ある貴重な自然を軒並み犠牲にするほどに切羽詰まった状況にあるとは, 思われません。
風力発電や太陽光発電の立案者たちは、これら自然環境などに関しては不勉強ないし無知であり、計画を許可する権限を有する行政もまた同様であることは一連の経過をみる限りにおいて容易に想像できます。
今や、田中角栄の日本列島改造論時代のような、なりふり構わぬ自然大破壊は可能な限り慎まなければならない時代なのではないかと思い、両者さん達にはとりわけ慎重な態度を期待します。
青く輝くキタサンショウウオの卵塊はぜひ見てみたいものです。
2023-4-21 北海道新聞朝刊 P26 より引用。
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