又もやのゼンマイ式時計。。。今回は柱時計です。
今回も昨年の「再び甦れぃ。。。」と同じく「SEIKOSHA (精工舎)製:現・SEIKO」ではあるのですが
状態が酷い・・・。
黒色木箱で年式は昭和29年以前。(何故に昭和29年と分かったかは後で種を明かします。)
トップ写真をよく観ると、ゼンマイのキーを入れるところが偏っているのがお分かりのように文字盤を
外してみると案の定、時打ち側のゼンマイが軸受けから脱落した状態。(何故、こんなことに・・・)
それに連動して時計側のゼンマイも固まり、何処も彼処も動かないという酷い状態。
早速、機械本体を取り外し、何とかケースを少しづつ緩めながら軸受けに嵌め込む。
嵌め込み完了後、目視では歯車の欠けや曲がりは無さそうなので一旦、洗浄がてらに半身浴。
そして組み込み後、振り子をセットし動かしてみるも3分と持たない状態で直ぐに止まる。
「手強い・・・」。時差調整以前の問題でまったく継続して動こうとしない。
ここは腰を沿えて、ほぼ半日がかりで「再洗浄→注油→調整」と何度も繰り返す作業。
調整は主にガンギとアンクルの当たり具合。(上の写真の赤丸部分)
何とか当たりを見付け、継続して動き出したところで文字盤を取り付け、壁に仮に設置。
んが?しかし・・・。暫くすると、先ほどまで順調に継続して時を刻んでいたのが何故か止まってしまう・・・。
よく、「時計は場所を選ぶ」とも言いますが・・・。それか、ユリ?ゲラー?・・・。そんなぁ~・・・。
ほんと、今度の精工舎は手強いですが何とか時を刻ませてあげたい、58年落ちの柱時計。。。
あっ!その「58年落ち」の証拠。。。箱の裏板に和紙が張ってあったのですが、それを剥がしてみるとぉ?
「造船事件記念?昭和29年4月?」 「検事の名前?」・・・。面白いですねぇ~。
「造船事件」とは「造船疑獄事件」のことで、「検事の名前」は「東京地検の当時の検事名」
興味のある方は一度、お調べ下さい。結構、有名な事件だったらしいですねっ。。。
ってな話しが逸れ、もたもたしていると次の精工舎が又・・・。(こちらも動きません)
茶色い木箱の地元銀行の古い金文字入り精工舎。
こちらは昭和27年以前の「60年落ち」。何故って? こちらも箱の裏板に・・・。
流石に「日清戦争後の下関条約」ではなく、「サンフランシスコ平和条約」。1951年の翌年、
1952年(昭和27)のサンフランシスコ講和記念ですねっ。
しっかし、土花亭事務所も1級建築士事務所のはずが、何故か時計の修理屋?・・・チックタク♪(笑)