JR湖西線に初めて乗ったのは前にも書いたことがあるが、小学生の時に少年野球の雪山遊びで比良山を訪れた時だ。その時は東海道線直通の臨時快速に乗り、比良まで乗っていた。当時はラッシュ時以外は新快速専用だった117系が使用される臨時快速とあって、数少ない117系に乗車できる小鉄にとっては嬉しいひと時であった。小学生の時には湖西線の志賀駅近くの琵琶湖湖岸のキャンプ場へ家族でちょくちょく行っていた。家族での移動はたいがいクルマだったが、キャンプ場からは湖西線を走る列車が見え、朝早起きしてブルートレインの通過を楽しみにしていたものだ。
その後湖西線に乗ることもなく平々凡々と暮らしていったが、学生時代に適当な乗り潰しをしだして、18きっぷで各地を巡るようになって、漸く湖西線全線乗車を果たすことになる。湖西線全線乗車はおそらく北陸遠征時に利用したサンダーバードが初めてと思われる。この頃は18旅行とはだるいものと言うイメージを持っており、案外金もないくせに楽をかまして特急に乗ることが多かった。特急にあまり乗ったことがないので、乗ってみたいという気持ちに負けてしまっていたとも言える。最近は特急に乗ろうと思えば乗れるが、時間が許す限りは鈍行旅行を楽しむことにしている。金銭的余裕はあまりないが、学生時代よりも多少は心の余裕ができたと言える。
湖西線は将来160km/h運転が計画されている高規格路線という触れ込みだったので、どんだけ凄いものかと思っていたが、飛ばすには飛ばすが思ったほどでもないという印象を受けた。速さを感じない速さもあるのだろうが、結構先行列車の頭打ちなどもあり、ゆっくり走らざるを得ないところもあるのと、湖西線を抜けて近江塩津から先敦賀までのループ線は上下ともそれまでの速さが嘘のような走りとなるので、それも含めて想像ほど速くないという評価になってしまうようだ。
今後湖西線はおそらく建設されないであろう北陸新幹線大阪口の代替路線として、計画通りの160km/h運転を行うはずだ。近年は普通電車の本数も増え、新快速の直通も長距離になっている。160km/h運転をするには年々条件が悪くなっているが、ATS-Pはもちろん、万全を期するならデジタルATCを導入して、確実な保安設備を設けるとともに速く走れる下地を作る必要があるだろう。