Zooey's Diary

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少女の嘘がもたらしたもの…「つぐない」

2008年04月17日 | 映画
中々見応えのある作品でした。

ブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー小説を、『プライドと偏見』のジョー・ライト監督が映画化。
第65回ゴールデングローブ賞作品賞と第61回英国アカデミー賞作品賞受賞。
第80回アカデミー賞では作品賞を始めとする7部門にノミネートされ、作曲賞を受賞。
”幼く多感な少女のうそによって引き裂かれた男女が運命の波に翻弄される姿と、うそをついた罪の重さを背負って生きる少女の姿が描かれる。(Yahoo!映画より)”

1930年代イギリスの上流家庭を舞台に、美しく華やかな姉セシーリア(キーラ・ナイトレイ)と、作家志望の多感な13歳の妹ブライオニー(シアーシャ・ローナン)は、幼馴染で使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)に思いを寄せる。
姉セシーリアとロビーは愛し合うようになり、
そしていくつかの不運な誤解が重なり、妹ブライオニーは決定的な過ちを犯してしまう。

嘘と一言でいっても、その時はブライオニーは本当にそう思い込んでいたのでしょうね。
思春期ゆえの潔癖さに、嫉妬と妄想が入り混じって。
けれども、その嘘が引き起こした結果はあまりにも重いものだった。
ここに、イギリスの階級社会が厳然と存在しているような気がします。
いかに幼馴染であろうとも、ケンブリッジを出ようとも、所詮ロビーは使用人の息子であり、彼の弁明はまったく聞き入れて貰えないのです。

しかしその嘘によって、ロビーは刑務所送りとなり、セシーリアは家族も裕福な暮らしも捨て、そしてブライオニーも全てを捨てて、一生苦しむことになる。
姉妹は二人とも(別々に)、ヴィクトリア調の美しい邸宅を出て、野戦病院の看護婦となるのです。
あの当時、イギリスの上流階級の娘が看護婦になるということがどういうことなのか、容易には想像できないと思います。
しかも、時は戦争の真っ只中。姉妹の仲は二度と戻ることなく、引き裂かれた恋人達も結局…

この映画の題は「つぐない」(atonement)であり、原作の題は「贖罪」(原題同じ)です。
しかし、あれだけの罪を犯してしまったブライオニーは、果たして、何をもってしてつぐなうことができたのか?
何をしてもつぐなうことができない、その罪の意識を一生抱えて苦しむということ自体が「つぐない」に他ならなかったのかもしれません…

原作が読みたくなりました。

「つぐない」公式HP
コメント (8)
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