Zooey's Diary

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「レボリューショナリー・ロード」 

2009年02月05日 | 映画
2008年アメリカ・イギリス映画。
監督は「アメリカン・ビューティ」「ロード・トゥ・パーディション」のサム・メンデス。

恋愛映画の題名が、どうして「革命の道」なのだろう?と不思議だったのですが
これは郊外の住宅地の名前なのですね。
但し、それには意地悪な皮肉が込められているということが、観ているうちに分かってくるのですが…
才能もキャリアもないくせに、野望とプライドは旺盛な主婦エイプリル(ケイト・ウインスレット)。
夫のフランク(レオナルド・ディカプリオ)は社会に出て働いている分、もう少しマシなようですが、それでも似た者夫婦です。
このワイラー夫妻は美しい住宅地の綺麗な家に住み、二人の子どもにも恵まれ、傍目には何不自由ない生活を送っているように見えるのですが、どうしようもない閉塞感に包まれている。
「本当はこんな人生ではなかった筈。
私たちは特別な存在なのに、どうして?」と。
それを打破するべく、エイプリルが言い出したのが、パリに移住しよう!という提案なのですが…

パリに行って仕事の当てがある訳でもない。
理由は、「あそこなら人間が人間らしく生きられるから」。
あまりにも稚拙で世間知らずな妻の発案。
しかし彼女にとっては、行き詰った結婚生活から逃げ出す手段に他ならなかったのですね…
次第にそれに執着し、狂気すら帯びてくるエイプリル。
最初はその案に同意したものの、現実を見ることで冷めてくるフランク。

彼らを取り巻く近所の住民がまた、面白い。
どうしようもなく凡庸で、正直な隣の夫婦。
精神を病んでいるが、ワイラー夫妻の悩みを誰よりも的確に言い当てたジョン。
ジョンの親で、表面だけを見てワイラー夫妻を誉めそやし、実は利用することしか考えていない不動産屋の夫婦。

夫婦の激しく醜悪な争いに、観ている側も息苦しくなってきます。
夫婦でも、触れてはならない部分、言ってはいけない言葉というものがある。
お互いにそれを口にしてしまった時点で、結末はもう見えていました。
ラスト・シーンの不動産屋の夫の行為は、だから強烈なアイロニーだったのですね…
平和な結婚生活を維持する為の。

途中で結末が見えたとは言え、息を呑む展開でした。
☆4

「レボリューショナリー・ロード」
コメント (4)
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