「ずっこけ見習い警察犬きな子」が7度目の挑戦にして合格!というニュースが
去年の11月に新聞に小さく出ていました。
そのきな子を主人公にした「きな子~見習い警察犬の物語~」が
ようやくDVDになったので早速鑑賞。
18歳の杏子(夏帆)は警察犬訓練士を目指して入所した訓練所で
ラブラドール・リトリーバーの仔犬「きな子」に出会う。
身体が弱く、警察犬としては素質がないと言われる「きな子」を杏子は必死に訓練するが…
訓練会でいきなり大失敗、障害物競走で顔面着地。
その場面がテレビ中継され、きな子は「ずっこけ犬」として一躍有名になる。
きな子はどうも集中力に欠け、嗅覚も弱いようだ…
犬を飼っていて断言できるのは
人間もそうであるように、犬にも賢いのとそうでないのがいるということです。
愛犬タロウは、どう贔屓目に見てもそう賢いとは思えない。
でもタロウは全力で我々家族を慕ってくるし、
我々もそんなタロウが可愛くて仕方がない。
でもこれを警察犬に仕立てるというのは
どう頑張っても無理だろうなあと思うのです。
きな子の資質が実際のところどうであったかは分かりませんが
7度も試験を受けたという、その事実だけで私はもう泣けてくる。
「警察犬試験」というものがどんなものかちょっと覗いてみただけでも
映画の中できな子が苦戦した臭気選別作業の他に、
紐付脚側行進、障害飛越、高所通過、物品持来など々ぞっとするほど様々なテストが並んでいる。
しかもこれだけ有名になってしまって「ひやかしでちょっと受けてみるだけ」という訳にも
いかないだろうし。
来る日も来る日も、犬も調教師もどんな思いで訓練したのだろうと思うと…
何しろこの映画ができた時点では、きな子はまだ合格していなかったのですから。
非常にベタなストーリーですが気持ちよく泣けます。
なんといっても私は、犬が飼い主(調教師)を一心に慕う気持ちに弱いので。
そして必死にがんばる落ちこぼれ犬と新米調教師の健気さに。
「がんばれば、夢は適うと信じていた(でも落ちた)」
「がんばってもがんばっても、できんモンの気持ちなんか分かってもらえない」
という杏子の叫びは、まっすぐに観る者の心に届くのです。
この映画(2010年公開)は「きな子は今も挑戦中」というエンドロールで終わるのですが
前述したように先々月に見事合格。
きな子はその時点で8歳。
レトリバーの平均寿命は10~12歳というのだから人間でいえば50歳くらいか。
きな子、よく頑張ったねえ!
日本中の人が、君から勇気を貰ったと思うよ。
せめてゆっくりお休みね。
(読み返してみたら、実在のきな子と映画のきな子を混同してしまっている。
そのくらい私は動物モノには甘いのです!)
公式HP http://www.kinako-movie.jp/