goo blog サービス終了のお知らせ 

Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

スピルバーグ節炸裂「戦火の馬」

2012年03月08日 | 映画


「太陽の帝国」「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」とスピルバーグの
戦争ものを観てきましたが、今回はなんと馬が主人公。

イギリスの緑豊かな田園地帯でアルバート少年と友情を育んできた馬ジョーイが
第一次大戦前夜アル中の父親に売り飛ばされ、前線へと駆り出される。
騎兵隊の先頭となって敵地に乗り込み、足を怪我しても巨大な大砲を引く。
累々と横たわる屍、砲火飛び交う戦場。
紳士的な英国騎兵大尉、ドイツ人の少年兵兄弟、病弱なフランス人の少女と祖父。
優しい人と巡り合ったかと思うとすぐにやってくる別離。
戦争の真っただ中、ジョーイは次から次へと人の手を渡り歩くのですが…



あの大戦で、イギリス軍に徴集された100万頭の馬のうち、
帰ってきたのはわずか6万頭だったのだそうです。
いかに酷い戦場であったか、いかに馬が酷い扱いを受けたか。
どんなにも障害物を跳び越えることができなかったジョーイが
追い詰められて戦車を跳び越え、狂ったように戦場を爆走するシーンは圧巻。
それまでの悲しみや苦しみ、怒りを爆発させたように。
そして有刺鉄線に絡まって動けなくなってしまうのですが
そこは、英独両軍が対峙している中間地帯であった。



1914年の両軍によるクリスマス休戦は有名ですが
ここでも同じような奇跡が起きたのです。
銃撃戦の手を休め、瀕死のジョーイを助けようとする両軍の兵士。
残酷な戦場シーンが続く中での、心安らぐシーンです。
あまりにもスピルバーグらしい、真っ向から捉えた性善説。
「E.T.」や「未知との遭遇」の中での、宇宙人との交流のシーンと殆ど同じ。



この壮大なテーマソングは多分そうだろうと思っていたら
やはり巨匠ジョン・ウイリアムズによるものでした。
どうしてドイツ兵もフランスの少女も英語を喋っているのだとか
お涙頂戴が見え見えじゃないかとか
予定調和がわかりすぎじゃないかとかの不満もあるのですが
しかし2時間半がまったく長く感じられませんでした。

この予告編、殆どストーリーもなく、印象的なシーンを羅列しているだけです。
でも、そういう映画なのです。
アカデミー賞に6部門もノミネートされたのに、残念な結果に終わったのも
分かるような気がする。
それでもスピルバーグらしいこの作品、私は好きです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする