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トキのひなが、自然界では36年ぶりに生まれたというニュースに小躍りしたのですが
1羽ではなく3羽になったという続報が。
ああ、よかった…
2003年10月、日本産最後のトキ「キン」が死んだ時、
かなりの大きな記事となって新聞に出たことを覚えています。
かつては日本の各地で自由に飛び廻っていたという美しい鳥トキ。
乱獲や環境変化のために激変し、最後の1羽となってしまった「キン」。
「キン」(雌)は幼鳥の時に捕獲され、生涯の殆どを佐渡トキ保護センターで過ごし、
日本産最後の雄や、中国産の雄とカップリングを試し、二世の誕生を期待されたが
いずれも上手くいかなかった。
35年という長きに渡って飼育された「キン」は
老衰で視力を失いながらも突然飛び立ち、ケージの扉に激突して死んだというのです。
最後の僅かな力をふり絞って、野生に帰ろうとしたのか。
薄桃色の美しい鳥の最期はあまりにも悲しく、
私はいまだに忘れられなかったのでした。
関係者の悲しみや絶望はどれほどのものであったことか。
遂に絶滅なんて、ここまでなる前になんとかならなかったのかと
ニュースを読んだ誰もが思ったことでしょう。
「ニッポニア・ニッポン」という学名がまた、悲しすぎるではありませんか…
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一口に36年と言っても
その間にどれだけの関係者の苦労、涙、努力があったことか。
大事に大事に育てたトキが、一晩のうちに10羽もテンにやられてしまったのも
最近のことだったような。
ようやく生まれた3羽のひなも、カラス、トビ、ハヤブサなどの天敵の心配や
親鳥がまだ若いために、ちゃんと育てられるかどうかという不安も満載なのだそうです。
しかも自然に放したトキであるがために
人間が助けてやれないのも歯痒いところ。
トキ、がんばれー!とエールを送らずにはいられません。
写真はネットから。
放鳥トキ、巣に3羽のひな確認
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120423-00000153-jij-soci
日本トキ最後のキンが死亡
http://www.niigata-nippo.co.jp/toki/way/2.html
『ニッポニア・ニッポン』最後の飛翔
http://www.ufpress.jp/archives/000030.html