私は、短歌・俳句についてはまったくの門外漢なのですが
新聞の俳壇・歌壇位には目を通しています。
昨日の朝日歌壇。
”七面鳥を感謝祭の夕食に頂く 我ら犯罪者の群”(アメリカ・郷隼人)
郷隼人という人のことは
前にも日記で取り上げたことがあります。
若くして渡米、1984年に殺人罪で終身刑の判決を受け、
以来カリフォルニアの刑務所に服役中という人です。
その獄中で詠んだ歌が、ここ十年以上に渡って朝日歌壇に何度も掲載されているのです。
玄冬社から出た「LONESOME隼人」という彼の本を以前読みましたが
厳しい獄中での生活、望郷の念、老いた母への思いなどが切々と書かれていました。
”老い母が独力で書きし封筒の 歪んだ文字に感極まりぬ”
”「生きとればいつか逢える」と我が出所を信ずる母が不憫でならぬ”
”母さんに「直ぐ帰るから待ってて」と告げて渡米し、二十七年も経ちぬ”
その彼の歌がしばらく見られなかったので
まさか獄中死でも?と心配していたのですが
10月29日に久しぶりに
”わが詠みし 短歌(うた)を待つ人居てくれて 何て幸運な奴なのだ俺”
という歌が掲載されたのでした。
そして昨日の歌。
よかった…
彼の生存確認ができたことも嬉しいのですが
折々の歌から、一人娘がいるけれども会えないでいること、
郷里の老いた母親が近年亡くなられてしまったこと、
仮釈放をどんなに申請しても、被害者の遺族の強靭な反対にあって叶えられないでいること
などが分かっているだけに、
ほんの一瞬でも自分のことを「幸運」と思えることができてよかったと
思わずにはいられなかったのでした。
この人がどんな事情でどんな罪を犯したのか、
それは明らかではないのですが…
”一瞬に人を殺めし罪の手と うた詠むペンを持つ手は同じ”
(過去の歌は「LONSOME隼人」より)
投票所で待つタロウ
新聞の俳壇・歌壇位には目を通しています。
昨日の朝日歌壇。
”七面鳥を感謝祭の夕食に頂く 我ら犯罪者の群”(アメリカ・郷隼人)
郷隼人という人のことは
前にも日記で取り上げたことがあります。
若くして渡米、1984年に殺人罪で終身刑の判決を受け、
以来カリフォルニアの刑務所に服役中という人です。
その獄中で詠んだ歌が、ここ十年以上に渡って朝日歌壇に何度も掲載されているのです。
玄冬社から出た「LONESOME隼人」という彼の本を以前読みましたが
厳しい獄中での生活、望郷の念、老いた母への思いなどが切々と書かれていました。
”老い母が独力で書きし封筒の 歪んだ文字に感極まりぬ”
”「生きとればいつか逢える」と我が出所を信ずる母が不憫でならぬ”
”母さんに「直ぐ帰るから待ってて」と告げて渡米し、二十七年も経ちぬ”
その彼の歌がしばらく見られなかったので
まさか獄中死でも?と心配していたのですが
10月29日に久しぶりに
”わが詠みし 短歌(うた)を待つ人居てくれて 何て幸運な奴なのだ俺”
という歌が掲載されたのでした。
そして昨日の歌。
よかった…
彼の生存確認ができたことも嬉しいのですが
折々の歌から、一人娘がいるけれども会えないでいること、
郷里の老いた母親が近年亡くなられてしまったこと、
仮釈放をどんなに申請しても、被害者の遺族の強靭な反対にあって叶えられないでいること
などが分かっているだけに、
ほんの一瞬でも自分のことを「幸運」と思えることができてよかったと
思わずにはいられなかったのでした。
この人がどんな事情でどんな罪を犯したのか、
それは明らかではないのですが…
”一瞬に人を殺めし罪の手と うた詠むペンを持つ手は同じ”
(過去の歌は「LONSOME隼人」より)
