新国立劇場でオペラ「椿姫」を鑑賞。
ヴェルディが1853年に発表したこの作品、原題「La traviata」は「堕落した女」と
いうような意味なのだそうです。
美しいイメージの日本語タイトルとは随分違うのですね。
華やかなパリ社交界を舞台に、高級娼婦ヴィオレッタの純愛と悲しい末路。
19世紀のパリ、貧しい生まれから這い上がったヴィオレッタは
美貌を武器とした高級娼婦であったが、純情な青年貴族アルフレードと恋に落ちる。
ヴィオレッタは贅沢を捨ててアルフレードと生きようとするが
息子が娼婦に騙されたと思ったアルフレードの父親は、二人を放っておかなかった。
無理やり引き離されたヴィオレッタに肺結核の病が次第に進み…
原作はアレクサンドル・デュマ。
大デュマと小デュマと、私はいつもごっちゃになるのですが
こちらは小デュマ、「巌窟王」を書いたのが父親の大デュマ、間違えないようにしなくっちゃ。
第一幕の、ヴィオレッタとアルフレードが出会って恋に落ちた場面で歌われる「乾杯の歌」は
誰でも一度は聴いたことがあるような、あまりにも有名な歌です。
この歌が力強い喜びに溢れている分、哀れな終末に胸が塞がれるのですが。
「椿姫」新国立劇場2015年5月公演より La Traviata(May 2015, NNTT)
こちらを観る前にアピシウスでランチを。
古代ローマ時代の美食家の名前を取った、有楽町に昔からあるグランメゾン。
お店のHPに「美術館のように名画に囲まれた空間」と書いてあるように
アンドリューワイエスやシャガール、ユトリロの絵が飾られています。
お皿は大倉陶園の特注品なのだとか。
カトラリーはクリストフル、グラスはバカラ。
いやもう何とも贅沢な空間で丁重なサービス、美味しいお料理を味わえることの幸せ。
有楽町から新国立劇場がある初台まで地下鉄で30分ほど、何とか間に合いました。
つくづく東京は、文化的にもグルメ的にも交通的にも恵まれた便利な街だと思います。
アピシウス http://www.apicius.co.jp/index.html