脱獄映画の金字塔、73年版の「パピヨン」を私はリバイバルで若い時に観ている筈なのに
詳細はすっかり忘れているという情けなさ。
独房でゴキブリを食べていたシーンなどを断片的に覚えているという状態で
今回の45年ぶりのリメイク版を鑑賞。

1930年代、胸に蝶の入れ墨があることから「パピヨン」と呼ばれる金庫破りの男(チャーリー・ハナム)は、
身に覚えのない殺人罪で終身刑を宣告され、南米ギアナの孤島にある徒刑場に入れられる。
そこは、囚人の扱いは虫けら以下の、あまりにも残虐で過酷な監獄だった。
肉体的には弱々しいが金を隠し持っているという紙幣偽造犯のドガ(ラミ・マレック)の
身を守ることと引き換えに、パピヨンは逃亡費用を手に入れようとする。
地獄の底の過酷な労働の中で、二人の間に奇妙な友情が育まれていく。

フランスから南米に送られる監獄船の中での光景が、もう正視に耐えません。
体内に金を隠し持っているという囚人が、夜中に囚人仲間からいきなり襲われ、
おなかを引き裂かれてその金を奪われる。
看守もグルで、いくばくかの金で見て見ぬふりをする。
しかし、それはまだ、地獄へのほんの入口に過ぎなかった。
劣悪な環境での過酷な労働に加えて、看守や囚人仲間からいつ殺されるか分からない。
パピヨンは隙あらばと脱獄を企てるのですが
脱獄に失敗すると、更に離れた孤島の独房に2年間押し込められる。
もう一度失敗すると、今度は5年間。
狭く暗い穴のような独房で、誰とも話すこともなく、汚い缶に薄い汁だけの食事。
そこに入れられた殆どの人間は、発狂するか死んでしまう。
しかしパピヨンは2年間、そして5年間、それに耐え抜いてまた脱獄を企て、
最後に、絶対脱出不能といわれた悪魔島に送り込まれるのです。
しかし彼はあきらめなかった。

こんな話、あり得ないと思いたいところですが
原作者のアンリ・シャリエールは、13年間の獄中生活で9回もの脱獄を試みたのだそうです。
73年版のスティーヴ・マックイーンとダスティン・ホフマンのコンビを
チャーリー・ハナムとラミ・マレックが熱演。
チャーリーはこの役の為に、10週間で18キロの体重を落としたのだと。
あまりに残酷なシーンでは私は目を瞑っていたので、
映画の三分の一位は観られませんでした。
「パピヨン」 http://www.transformer.co.jp/m/Papillon/