世紀末ヨーロッパで一世を風靡した異端の作家オスカー・ワイルド、
彼の戯曲「サロメ」に悪魔的挿画を描いた夭折の天才画家オーブリー・ビアズリー、
姉で女優のメイベル・ビアズリー、そしてワイルドの恋人のアルフレッド・ダグラス卿。
実在の4人の、史実にフィクションを絡ませた愛憎劇。
この本の装丁は、世紀末ロンドンの文芸誌「The Yellow Book」を真似たのだそうです。
表紙の絵は、「サロメ」のクライマックス・シーンのオーブリーの挿画で
サロメが預言者ヨハネの生首に接吻するところ。
戯曲「サロメ」は聖書から引用されたといえ、倒錯した性愛や猟奇性に満ちた
退廃的な作品であり、イギリスでは長い間、上演禁止だったのだそうです。
彼の戯曲「サロメ」に悪魔的挿画を描いた夭折の天才画家オーブリー・ビアズリー、
姉で女優のメイベル・ビアズリー、そしてワイルドの恋人のアルフレッド・ダグラス卿。
実在の4人の、史実にフィクションを絡ませた愛憎劇。
この本の装丁は、世紀末ロンドンの文芸誌「The Yellow Book」を真似たのだそうです。
表紙の絵は、「サロメ」のクライマックス・シーンのオーブリーの挿画で
サロメが預言者ヨハネの生首に接吻するところ。
戯曲「サロメ」は聖書から引用されたといえ、倒錯した性愛や猟奇性に満ちた
退廃的な作品であり、イギリスでは長い間、上演禁止だったのだそうです。

オスカー・ワイルドといえば私は子供の頃、「幸福な王子」を読んだのでした。
幼い私は、南に渡る時期を逃して凍え死んでしまったツバメに涙したのに。
あの優しい童話を書いた人が、そんなに退廃的な異端児であったとは。
男色が禁じられていたその頃、彼は卑猥行為で逮捕投獄、財産も没収されたのだそうです。
ワイルドがいかに無名の天才オーブリーを見出して、このまがまがしい絵を描かせたか、
弟の成功を誰よりも願うメイベルが、それをどんな思いで見守っていたか、
小説は悪徳と官能の匂いに満ちていて、読んでいてゾクゾクします。
しかし何より衝撃的だったのは、
弟思いの優しいメイベルが、弟をワイルドに取られて、次第に狂気に染まって行くこと。
”体内でどす黒い嗤いが沸きたつのを感じた”彼女が最後にしたことに、息を呑みます。
嫉妬に狂った女は怖い…
「サロメ」 https://tinyurl.com/y6rux8lt