1966年のル・マン24時間レースをめぐる実話を映画化した伝記ドラマ。
フォード社は王者フェラーリを打ち負かすため、未知の領域であるレース・カー開発のために、
元レーサーでカー・デザイナーのシェルビー(マット・ディモン)を雇う。
シェルビーは、名レーサー兼整備士のマイルズ(クリスチャン・ベール)を雇う。
ところがこの二人、腕もよいが車への思い入れも強く、性格に一癖も二癖もある。
そんな二人が必死に開発に取り組む所に、大企業は無理難題を押し付けてくる。
ル・マンの名前はよく聞きますが、具体的にどんなものなのかも知りませんでした。
24時間かけて全長13㎞余のサーキットの周回数を競うのですね。
雨が降っても夜になっても、平均時速200㎞以上の過酷なレースは続く。
あちこちで車が衝突したり、クラッシュしたり、死はいつも隣り合わせにある。
CGを使っていないというカー・レースのシーンは、非常に迫力があります。
そのレース展開には手に汗を握りますが、アクの強い二人と大企業との対決はもっと面白い。
結局、いかに金や権威を持ってしても、人の友情や、好きなモノへの探求心を打ち負かすことはできないということか。
ル・マン終幕のフォード副社長の横槍には、本当に腹が立ちましたが。
マイルズ、どんなに悔しかったことか…
タイトルの「フォードvsフェラーリ」は分かりやすく大衆受けを狙ったのでしょうが
内容とはややずれるので残念。
原題は「Ford v Ferrari」(vはvsと同じくversusの略)、欧州では「Le Mans 66」というタイトルで公開されたようです。
そちらの方がしっくりくるように思います。
私の周りには、車好きな友人が多いのです。
車にかける熱い思いを延々と聞かされて辟易することもあるのですが
こうした熱いドラマを観ると、その気持ちが少しだけ分かるような気がします。
「フォードvsフェラーリ」