表紙の絵に惹かれたのと、「しろがねの葉」で感動した千早茜の最新作ということで読んでみました。
子供の頃、治安の悪い海外で暮らしていたまどかは、番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。まどかと虎は共に愛情を感じ合い、唯一無二の相棒だったが、一家は数年後には帰国しなければならなかった。
「ずっと愛がわからない。示し方も、受け取り方もわからない。わからないのに、あれが、あれこそが愛だったと確信している。虎は、私が所有した唯一の愛だった」
「虎について他人に語る言葉を私はどうしても見つけられない。あれは私の罪だから。虎のかたちの咎がぽっかりと空いていて埋まることがないのだと」
そんな文章から、もっと罪深い何かがあったのかと思いましたが…
本書は短すぎることもあり、ありきたりの別れに少々ガッカリ。
虎への愛情と、大きくなった虎の野生との間に揺れる彼女の戸惑い、そして虎を残してきた哀しみの深さには、胸を締め付けられましたが。
治安の悪い国での高い塀に囲まれた邸宅、防犯の為に大型犬を何匹も飼う生活、インターナショナルスクールでの多国籍のクラスメイト達とのやり取り。
著者は一体どういう経歴の持ち主なのだろうと思って検索してみたら、小学校1年生から4年生までを親の転勤に伴い、アフリカ・ザンビアで過ごしたのだそうです。
彼女の絶対の愛である虎は、ローデシアン・リッジバックという犬種。
この珍しい犬を、私は見かけたことがあります。
2020年の春、犬連れ可のイタリアン・レストラン「Diechi」にタロウと行った時、隣の席にいた大きなワンコがそうだったのです。
見たことのない犬種だったので聞いてみたら、南アフリカ出身という飼い主が、丁寧に説明してくれたのでした。
地元のホッテントット族が古くから猟犬として飼育していたホッテントット・ドッグとヨーロッパのマスティフタイプの犬のミックスで、カバ、ゾウ、ライオンなどの猛獣を狩るのに使われていた勇猛な犬であり、日本には数頭しかいないのですって。
麻布にいたその犬はまだ仔犬であったこともあり、こんな可愛い顔で、その本来のどう猛さは想像もできないのですが…
リッジバックに会った時の日記
子供の頃、治安の悪い海外で暮らしていたまどかは、番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。まどかと虎は共に愛情を感じ合い、唯一無二の相棒だったが、一家は数年後には帰国しなければならなかった。
「ずっと愛がわからない。示し方も、受け取り方もわからない。わからないのに、あれが、あれこそが愛だったと確信している。虎は、私が所有した唯一の愛だった」
「虎について他人に語る言葉を私はどうしても見つけられない。あれは私の罪だから。虎のかたちの咎がぽっかりと空いていて埋まることがないのだと」
そんな文章から、もっと罪深い何かがあったのかと思いましたが…
本書は短すぎることもあり、ありきたりの別れに少々ガッカリ。
虎への愛情と、大きくなった虎の野生との間に揺れる彼女の戸惑い、そして虎を残してきた哀しみの深さには、胸を締め付けられましたが。
治安の悪い国での高い塀に囲まれた邸宅、防犯の為に大型犬を何匹も飼う生活、インターナショナルスクールでの多国籍のクラスメイト達とのやり取り。
著者は一体どういう経歴の持ち主なのだろうと思って検索してみたら、小学校1年生から4年生までを親の転勤に伴い、アフリカ・ザンビアで過ごしたのだそうです。
彼女の絶対の愛である虎は、ローデシアン・リッジバックという犬種。
この珍しい犬を、私は見かけたことがあります。
2020年の春、犬連れ可のイタリアン・レストラン「Diechi」にタロウと行った時、隣の席にいた大きなワンコがそうだったのです。
見たことのない犬種だったので聞いてみたら、南アフリカ出身という飼い主が、丁寧に説明してくれたのでした。
地元のホッテントット族が古くから猟犬として飼育していたホッテントット・ドッグとヨーロッパのマスティフタイプの犬のミックスで、カバ、ゾウ、ライオンなどの猛獣を狩るのに使われていた勇猛な犬であり、日本には数頭しかいないのですって。
麻布にいたその犬はまだ仔犬であったこともあり、こんな可愛い顔で、その本来のどう猛さは想像もできないのですが…
リッジバックに会った時の日記