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地味ながら心に残る佳作です。
貧しい家庭の少年ジェスは、家では4人の姉妹に囲まれ、学校でもいじめられて、自分の居場所を見つけることができない。空想好きな少女レスリーに出会い、二人で仮想王国テラビシアを創り上げ、初めて彼は自分の居場所を見つける。しかし幸せな時は長くは続かなかった…
原作はキャサリン・パターソン、国際アンデルセン賞を受賞した児童小説。児童文学にはちょっとウルサイ私が何故知らないのだろう?と思って調べてみたら、日本で刊行されたのは1981年、私が大人になってからなのです。この話は作者の息子に起きた事を元に書かれているのであり、さらにこの映画の脚本はその息子が書いたのだそうです…
主役だけでなく、脇役もみんないい味を出しています。
最初は、厳しいばかりで理解のないように見えた担任教師も、「夢ばかり追いかけているんじゃない!現実を見ろ!」などと言うジェスの父親も、普段は無愛想なバスの運転手も、少年が心に傷を負ってからは、みんなで必死に少年を慰め、励まそうとする。子どもは1人では成長できないのだなあ、としみじみ思いました。
ジェスが、美術館にレスリーを誘わなかったことを「わざと誘わなかったんだ。ぼくのせいなんだ。」と泣くシーンがあります。美しい音楽教師への思慕の念から、というのもあるでしょうが、レスリーへのコンプレックスもあったのではないでしょうか。裕福な家、生活を楽しんでいる知的な両親を持つレスリーに対して、みすぼらしい家、いつもお金の心配をしているくたびれた自分の両親… いかに仲がよくて、いかにレスリーのことを好きであっても、自分にも彼女の持たないモノがあるんだ、というジェラシーの裏返しのような気持ちがあったのではないかと思います。原作を読んでいないのでなんとも言えませんが…
結末については賛否両論あるようですが、私はやはり、現実逃避ではなく、現実に足を踏み入れた前向きなジェスを表したのだと思います。レスリーが与えてくれた沢山のものをジェスが忘れない限り、テラビシアは存在する。ジェスは悲しみを乗り越えて、そこへ至る橋を架けるまでに成長したのです…
少年の数少ない理解者の1人であった魅力的な音楽教師を演じたのは、ズーイー・デシャネルという女優です。やはりサリンジャーの小説からとった名前だそうです。但し本名だというから、彼女ではなく、親の趣味だったのですね。
「テラビシアにかける橋」 公式サイト
貧しい家庭の少年ジェスは、家では4人の姉妹に囲まれ、学校でもいじめられて、自分の居場所を見つけることができない。空想好きな少女レスリーに出会い、二人で仮想王国テラビシアを創り上げ、初めて彼は自分の居場所を見つける。しかし幸せな時は長くは続かなかった…
原作はキャサリン・パターソン、国際アンデルセン賞を受賞した児童小説。児童文学にはちょっとウルサイ私が何故知らないのだろう?と思って調べてみたら、日本で刊行されたのは1981年、私が大人になってからなのです。この話は作者の息子に起きた事を元に書かれているのであり、さらにこの映画の脚本はその息子が書いたのだそうです…
主役だけでなく、脇役もみんないい味を出しています。
最初は、厳しいばかりで理解のないように見えた担任教師も、「夢ばかり追いかけているんじゃない!現実を見ろ!」などと言うジェスの父親も、普段は無愛想なバスの運転手も、少年が心に傷を負ってからは、みんなで必死に少年を慰め、励まそうとする。子どもは1人では成長できないのだなあ、としみじみ思いました。
ジェスが、美術館にレスリーを誘わなかったことを「わざと誘わなかったんだ。ぼくのせいなんだ。」と泣くシーンがあります。美しい音楽教師への思慕の念から、というのもあるでしょうが、レスリーへのコンプレックスもあったのではないでしょうか。裕福な家、生活を楽しんでいる知的な両親を持つレスリーに対して、みすぼらしい家、いつもお金の心配をしているくたびれた自分の両親… いかに仲がよくて、いかにレスリーのことを好きであっても、自分にも彼女の持たないモノがあるんだ、というジェラシーの裏返しのような気持ちがあったのではないかと思います。原作を読んでいないのでなんとも言えませんが…
結末については賛否両論あるようですが、私はやはり、現実逃避ではなく、現実に足を踏み入れた前向きなジェスを表したのだと思います。レスリーが与えてくれた沢山のものをジェスが忘れない限り、テラビシアは存在する。ジェスは悲しみを乗り越えて、そこへ至る橋を架けるまでに成長したのです…
少年の数少ない理解者の1人であった魅力的な音楽教師を演じたのは、ズーイー・デシャネルという女優です。やはりサリンジャーの小説からとった名前だそうです。但し本名だというから、彼女ではなく、親の趣味だったのですね。
「テラビシアにかける橋」 公式サイト
jesterでございます。
この映画、今年のベストにのこるな~と思うほど好きな映画になりました。
>ジェスが、美術館にレスリーを誘わなかったことを
そうですね~
ジェスが先生を好きだったこともあるし、自分だけのものを持ちたかったこともあるけれど、ジェスは純粋にとっても嬉しくて、つい「レスリーも誘って」って言いそびれちゃったのじゃないかなとも思います。
チラッと見ていたけど、結局先生と二人で過ごせる時間の方を選んでしまったのでは?
でもきっとレスリーは「今日もジェスと遊ぶんだ」とおもっていたし、一人で遊んでいてああいうことになったのだから、ジェスは責任を感じてしまいますよね!
とても可愛らしいブログですね。
どうぞこれからも仲良くしてくださいませ。
>一人で遊んでいてああいうことになったのだから、ジェスは責任を感じてしまいますよね!
そうですね。
あの事件の直後、ジェスは泣くこともできませんでしたね。
悲しみと自責の念が大きすぎて、彼はこの先どうなってしまうのだろう?とハラハラしてしまいました…
昨夜、jesterさんの読み応えのあるブログに感動し、いくつか映画の感想を拝読しました。最近のだと「その名にちなんで」「善き人のためのソナタ」あたりの感想に非常に共感しました。
私も映画・読書が好きで、舌足らずな感想を書いておりますので、よかったら仲良くして下さいね。
遅まきながらトラバもさせて頂きました(昨夜はやり方が分かりませんでした
どうぞよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いいたします。
以前の日記もこれから読まさせていただこうと思ってます。
本や映画の話がたっぷりできそうで嬉しいです。
もっともjesterさんは原書でお読みになるのですよね…。私は日本語なら早いのですけど
また後でゆっくり伺いますね!