この本を手に取ったのは、私が赤坂クラシックハウスに何度も行っているからです。
紀尾井町にある、チューダー調の美しい洋館。
かつてはグランドプリンスホテル赤坂旧館であり、今はレストランとなっていて、こちらでランチやアフタヌーンティを楽しみました。
紀尾井町にある、チューダー調の美しい洋館。
かつてはグランドプリンスホテル赤坂旧館であり、今はレストランとなっていて、こちらでランチやアフタヌーンティを楽しみました。
年中美しい花に囲まれていますが、特に薔薇の時期が素晴らしい。
元々は朝鮮最後の王家「旧李王家東京邸」であったということで、どんな人々が住んでいたのだろうという好奇心が抑えられなかったのでした。
元々は朝鮮最後の王家「旧李王家東京邸」であったということで、どんな人々が住んでいたのだろうという好奇心が抑えられなかったのでした。
この本は、梨本宮守正王妃伊都子の目線で書かれています。
鍋島直大侯爵令嬢で、その母は鹿鳴館の花と言われ、美貌の誉れ高かった鍋島栄子(ながこ)。
この本の表紙の写真がその人で、細い目に瓜実顔という感じが多かった幕末の姫君たちの中では、母娘ともに突出した美人であったようです。
(栄子妃)
本には殆ど写真がなかったので、ネットで写真を探しながら読みました。
1882年(明治15年)、駐イタリア特命全権公使・鍋島直大の次女としてローマで生まれ、「イタリアの都の子」の意味で伊都子と命名されたのだそうです。
こうしたお姫様であった伊都子は二人の娘の嫁ぎ先探しに奔走し、長女方子(まさこ)の身分の釣り合う相手に選び出したのが、大韓帝国最後の皇太子で、韓国併合後には王世子として日本の王族に列した李 垠(りぎん)だったのです。
自分の娘をとにかく「皇太子妃」にする為に、ここまでやるかと驚くばかり。
その李王夫妻の為に日本政府が昭和の初めに建てた豪華な新居が、この紀尾井町の邸宅であった訳です。
贅を極めた新居を与えられても、日本人からは「朝鮮人と結婚して日本の皇族の血を汚した」「国賊」と、朝鮮では「日本人と結婚して朝鮮を裏切った」と罵倒され、苦労は並大抵のものではなかったようです。
しかもその後、李王家や皇室の末端や華族がどうなったかは、我々の知るところでありますが…
(伊都子妃)
伊都子という人は、1899年(明治32年)から1976年(昭和51年)までの77年間にわたって丹念に日記を書き続け、この本はそれを基に書かれたのであるらしい。
皇族華族の登場人物がやたら多く、その説明が薄っぺらいのが残念ですが、戦前から戦後の激動期を皇族の視点で書かれたという点で面白い、御成婚宮廷絵巻物語です。
李王家の縁談・・・
これさ、ラストエンペラーのあの方の結婚のこと?
なんとかかんとか・・・アシンカグラフギとか言う名前の?
違うよねえ・・・
林真理子さんが執筆なんですねえ。
読んでみようかな?
違いますね。
ラストエンペラーも面白かったですね。
登場人物や史実の薄っぺらい肉付けに不満はありますが
やんごとなき立場の伊都子妃の、
なり振り構わずの婚活の様子が面白かったですよ。
日記をもとに書かれた小説との事、飾らない正直な気持ちがストレートに出ていました。
歴史書の一面もあり普段使われない言葉が多くて私には少々難解でしたが、会話などもリアルでおもしろかったです。
薔薇の季節になったら、優雅にお茶などいただきたいですね。
しかもそれを、日朝融合のための天皇の思し召しのようなカモフラージュまでしてね?
登場人物についてもう少し掘り下げて欲しいという不満は残りましたが。
こちら、薔薇の季節にランチもアフタヌーンティもしています。
本当に素晴らしいのですよ!