フィリッパは、筋痛性脳脊髄炎(ME)という持病に悩まされながらも、別居中の夫ジョンと息子を育てながら仕事に励む、ごく普通の主婦。
ある日、舞台「リチャード三世」を観て、シェイクスピアの戯曲の中のリチャード三世像に疑問を持つようになる。彼は遺骨も発見されていない、その性格は必要以上に邪悪に描かれているのではないかと。
そしてコツコツと研究を重ね、専門家からバカにされながらも彼の真の姿を探し求め、遂に500年間分からなかった彼の遺骨を発見するという、実話を基にしたお話。
職場で正当に評価されないという不満を持っていたフィリッパは、やはり歴史的に正当に評価されていないリチャード三世に、共感を感じたのかもしれません。
そして只の主婦である彼女が地道に研究を重ね、クラウドファンディングを起こし、遂にリチャード三世の遺骨探しという一大プロジェクトを立ち上げる。
最初は彼女を散々バカにしていたレスター大学の関係者が、遺骨が見つかった途端に自分たちの手柄のように吹聴するのは、つい最近終わった日本の朝ドラでも見たような構図。
でもこうした映画ができたということが、彼女の偉業が認められたことを表しているのね。
フィリッパがリチャードの幻影と度々会話するシーンはちょっと不思議でしたが、あれは彼女とリチャードとの感情的なつながりを表していたのか。
彼女の夫ジョン、最初は彼女の敵なんだか味方なんだかよく分からず戸惑いましたが、飄々としたなんとも面白いキャラを演じていました。
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