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Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「黙れと言えばいい」

2012年03月11日 | 社会
あの日からもう一年が経ったのですね。
特集番組を見るにつけ、今更ながらに恐ろしさに身がすくみます。
死者・行方不明者は1万9千人、
仮設住宅などで今も避難生活を強いられている人は34万人。
改めて祈りを捧げたいと思います。

「復興支援」「がんばれ東北」という言葉が聞かれる割には
がれきの引き受けを拒否する地方のなんと多いことか。
3月9日現在で、被災地外で震災がれきを受け入れている自治体は
青森、山形、東京の3都県だけなのだそうです。
日本人として情けない。
東京都では、住民の相次ぐ苦情に石原都知事が「黙れと言えばいい」と一蹴したとか。
私、この人好きじゃないのですが
今回ばかりは見直しました。
野田首相、日本のトップとして反対派に「黙れ」と一喝して下さいよ。

あまりにむごい映像は
正直もう、できたら見たくないのですが
下の動画は、はるかなる遠景から始まるのです。
はるかかなたに砂ぼこりのようなものが押し寄せている。
もしかしたらと思って見ていると、それが次第に…
人間の力など足元にも及ばない自然の猛威に言葉がありません。
こんなのを見たら
そしてこの自然の暴力で何もかも失くした人が大勢いると思ったら
がれきの処理の受け入れに反対なんてできなくなると思うのですが…

【東日本大震災】今迄見た中で一番衝撃的な大津波の映像
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「うちの分までがんばれ」

2012年03月10日 | 社会
今日の朝日新聞の連載記事「生きる 東日本大震災1年」。
”両親と姉を亡くした陸前高田市の熊谷花音ちゃん(8歳)は昨年11月、
マラソン大会の途中で家族の声が聞こえた、と小学校の「あのね帳」に書いた。
「がんばれかのん」
お母さんの声です。
「うちの分まで」
おねーちゃんの声です。
「つなみにまけないおまえがまけるわけがない。
おれたちの分までがんばれ。」
パパの声がしました。
「うち、がんばっているからおうえんおねがいね。」
楽しかったけど、ちょっといま一人になったことがくやしいです。”


8歳といえば
まだまだ甘えたい年頃なのに。
泣けてくるなあ…


同じく朝日の今日の記事。
世界を代表する2大科学誌が今週、そろって最新号の表紙に
東日本大震災関連の写真をあしらったのだそうです。
8日付英科学誌ネイチャー 奇跡の一本松の写真
9日付米科学誌サイエンス 第一原発の事故前の冷却プールの写真

その表紙の写真を貼りたいのですが
「無断転載・複製を禁ずる」と書いてありますので…
悔しいので別の写真を。
湖面に映った方を見てください。



世界の2大科学誌、表紙はともに「東日本大震災」写真
http://www.asahi.com/science/update/0309/TKY201203090537.html
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スピルバーグ節炸裂「戦火の馬」

2012年03月08日 | 映画


「太陽の帝国」「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」とスピルバーグの
戦争ものを観てきましたが、今回はなんと馬が主人公。

イギリスの緑豊かな田園地帯でアルバート少年と友情を育んできた馬ジョーイが
第一次大戦前夜アル中の父親に売り飛ばされ、前線へと駆り出される。
騎兵隊の先頭となって敵地に乗り込み、足を怪我しても巨大な大砲を引く。
累々と横たわる屍、砲火飛び交う戦場。
紳士的な英国騎兵大尉、ドイツ人の少年兵兄弟、病弱なフランス人の少女と祖父。
優しい人と巡り合ったかと思うとすぐにやってくる別離。
戦争の真っただ中、ジョーイは次から次へと人の手を渡り歩くのですが…



あの大戦で、イギリス軍に徴集された100万頭の馬のうち、
帰ってきたのはわずか6万頭だったのだそうです。
いかに酷い戦場であったか、いかに馬が酷い扱いを受けたか。
どんなにも障害物を跳び越えることができなかったジョーイが
追い詰められて戦車を跳び越え、狂ったように戦場を爆走するシーンは圧巻。
それまでの悲しみや苦しみ、怒りを爆発させたように。
そして有刺鉄線に絡まって動けなくなってしまうのですが
そこは、英独両軍が対峙している中間地帯であった。



1914年の両軍によるクリスマス休戦は有名ですが
ここでも同じような奇跡が起きたのです。
銃撃戦の手を休め、瀕死のジョーイを助けようとする両軍の兵士。
残酷な戦場シーンが続く中での、心安らぐシーンです。
あまりにもスピルバーグらしい、真っ向から捉えた性善説。
「E.T.」や「未知との遭遇」の中での、宇宙人との交流のシーンと殆ど同じ。



この壮大なテーマソングは多分そうだろうと思っていたら
やはり巨匠ジョン・ウイリアムズによるものでした。
どうしてドイツ兵もフランスの少女も英語を喋っているのだとか
お涙頂戴が見え見えじゃないかとか
予定調和がわかりすぎじゃないかとかの不満もあるのですが
しかし2時間半がまったく長く感じられませんでした。

この予告編、殆どストーリーもなく、印象的なシーンを羅列しているだけです。
でも、そういう映画なのです。
アカデミー賞に6部門もノミネートされたのに、残念な結果に終わったのも
分かるような気がする。
それでもスピルバーグらしいこの作品、私は好きです。

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昭和の大女優の意外な一面

2012年03月06日 | 


婦人画報四月号の特集「高峰秀子のレシピ」。
女優高峰の著書「台所のオーケストラ」をもとに
そのレシピやエッセイのいくつかを取り上げています。

邦画をあまり観ない私は彼女のことを
近年に亡くなった正統派美人の大女優、くらいにしか知らなかったのですが
こんなにも細やかな料理を作り、こんなにもさっぱりした江戸っ子風の文章を
書く人であったのですね。

例えば「三つ葉」の頁。
”最近の野菜や果物の風味が落ちたのか、私の鼻が鈍感になったのか知らないけれど、
三つ葉の香りにも、以前のような上品さ、爽やかさが全然ない。
だから、少し野暮っちい匂いだけれど、私は根三つ葉を専ら愛用している。
パリで藤田嗣治画伯と食べ物の話をしていたとき、私が
「日本の何が食べたいな、と思いますか?」と聞いたら、
「根三つ葉、しその葉、みょうが、ふきのとう、柚子に筆しょうがにくわいに納豆…」
とたちどころに十品ばかりをあげたのでビックリしたことがあった。
根三つ葉を見ると、だから藤田先生を思い出す。”

その三つ葉を使ったレシピ「ささみと根三つ葉のわさび醤油」は
”ごく新鮮なささみを一口大にそぎ切りにしてザルに入れ、熱湯をそそいで霜降りにして、
よく水気を切ります。。
わさびをおろして醤油と混ぜて「わさび醤油」を作ります。
(わさびはゆめゆめケチらずにたっぷり使い、鼻にツーンとくるくらいの方がおいしいのです)
わさび醤油でささみをサッとまぜて小鉢に盛り、三つ葉のみじん切りをたっぷり乗せ、
更に焼き海苔の千切りを展盛りにします。”
という、簡単で美味しそうなもの。
だけどチューブじゃなくて、本わさびが要るのね…

そして、晩年の高峰秀子・松山善三夫婦の養女になったという作家斎藤明美の
「亡き母に捧ぐ」という文章からの一節。
”松山が誰かと外で昼食を取らねばならなかったある日、高峰は私に電話を
かけてきて言ったことがある。
「今日ね、昼はラーメンでも作ってやれと思って、一人で食べたの。
丼に移すの面倒だったから、鍋で直接食べたら、唇やけどしそうになっちゃった」
「かあちゃんったら…」
言いながら、私は妙にじんときた。
この人は、自分のために料理を作るのではない。
愛する人のために、考えて、工夫して、精一杯美味しいものを作るのだ。
その人に喜んでもらうために。”



高峰秀子という人の略歴を見ると
5歳の時に子役でデビュー、生涯で三百本以上の名作に出演したと。
あの美貌で若い頃はどれだけ忙しく、どれだけちやほやされたか分からないのに
こんな繊細な料理を作り、こんな一面を持ち合わせていたとは。
「台所のオーケストラ」私も買いました。

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「顔の不自由な」女の一本勝ち

2012年03月04日 | 社会
昨日の朝日新聞の「悩みのるつぼ」を読んで笑ってしまいました。

相談者は60歳の主婦。
”自分は若い時代に「きれい」といわれるような部類に入っていたため、
ちやほやされて本も読まずに過ごしてしまったことを今頃悔んでいる。
上野千鶴子さん、あなたが絶世の美女に生まれついていたら
今のような社会学者になっていただろうか?
人の一生は生まれついた容貌で左右されてしまうといえるかどうか
確認したいので、是非お答頂きたい”

要約すれば、まあこういう趣旨です。
それに対する上野さんの答えが奮っている。

”アメリカにこんなジョークがある。
キャンパスをメークの似合う綺麗な女性がパンプスで歩いていたら、教授秘書。
すっぴんでさえない、若くない女性なら、教授。
なぜかというと花のハイスクール時代に、綺麗な女の子はデートに忙しく、
きれいでない子はこつこつ勉強して名門大学に入り、成果を上げるから、と。
しかし人生はそんな単純なものではない。
自分は確かに「顔の不自由な」ひとであるが(笑)
そのせいで他人と関係を作るのに不都合があったことは一度もない。
若い時に本を読まなかったことを容貌のせいにしてはいけない。
容貌は容貌、幸福は幸福、知識欲はそれとはまた別。
そんなことくらい本を読めばわかる筈。”

こんな失礼な質問に対して
やんわりと理屈をこねて、質問自体をバカにしている。
上野さんの勝ち!



まったく関係がないのですが
御報告を。
昨日、私の日記のアクセス数が2,103を記録しました。
(一日前のアクセス数が表示されるので、正確に言うと一昨日)
今まで何度か、1,900台に行ったことはあったのですが
2千を超えたのは初めてです。
こんなつたない主婦のブログを読んで下さる皆様に、感謝です。
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「なんでまた彼女なのッ!?」

2012年03月03日 | 社会
昨日の朝日の夕刊。
「スピーチで見るアカデミー賞」という記事。
今まで17回もノミネートされてきたメリル・ストリープが
1983年に「ソフィーの選択」で受賞して以来の主演女優賞受賞。
”ストリープは壇上で「名前を呼ばれた時、『なぜまた彼女なの』
と聞えたような気がした。でもいいの、そんなことは」とおどけてみせ、
待望の受賞を涙を見せて喜んだ。”

まあそうなのですけど…
これ、実際にはもっとずっと強い口調なのです。
“When they called my name I had this feeling
I could hear half of America going
'oh no, oh comon, why? Her? Again?'… but whatever.”
「『ええええー!またあ!?なんでまた彼女なのッ!?』
ってアメリカの半分以上の人が叫んだ気がするけど
そんなんへっちゃらだもんねー!!」
という感じでしょうか。
実際の画像を見ると、どんなに強い感じかが分かると思います。



オスカー史上、最年長で助演男優賞を受賞した82歳のクリストファー・プラマー。
同性愛を告白した老人とその息子を描いた「人生はビギナーズ」という映画は
私にはつまらなかったので、日記にも書かなかったのですが
スピーチは面白い。
”オスカー像をしばらく見つめた後、
「君は僕より二つしか離れていないんだね、ダーリン。
今まで一体どこにいたんだい?」”
"You're only two years older than me, darling,
where have you been all my life,"

朝日新聞の紹介はこれだけだったのですが
次のように続きます。
"When I emerged from my mother's womb, I was already rehearsing my Academy
thank you speech. It was so long ago, mercifully for you, I've forgotten it."
「実は母のおなかにいたときから、この授賞スピーチの練習をしていたんだ。
あんまり昔のことなんですっかり忘れちゃってたんだけどね。」
これも実際に聞いてそのパフォーマンスを見た方が、面白さが伝わります。



昨夜の日本アカデミー賞授賞式は私は見なかったのですが
おそらくこんな面白いスピーチは聞かれなかったのじゃないかと。
(もしそうでなかったら是非教えて下さい)

日本人のスピーチ下手は広く知られるところです。
奥ゆかしい国民性に合わないのかとも思うのですが
国際化の今、そんなことも言っていられない。
日本でも小学校や中学など早い段階で
スピーチやディベートの授業を取り入れた方がいいと思うのだけどな…

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不器用な男の友情「セント・オブ・ウーマン」

2012年03月01日 | 映画

昨夜BSで20年ぶりに観ました。
1992年、アル・パチーノのアカデミー主演男優賞受賞作。
大好きな作品のひとつです。

ボストンの全寮制名門高校の、広大な芝生と石造りの校舎が建ち並ぶキャンパス・シーン
から画面は始まります。
奨学金で入学した苦学生チャーリーは、級友たちが校長の高級車に悪質な悪戯を
しているところを目撃してしまう。
激怒した校長は、犯人の名を言うならハーバード大への推薦、
言わないなら退学という二者択一を迫る。
チャーリーは悩みながら感謝祭の週末を、盲目の退役軍人の世話というバイトで過ごす。
退役軍人フランク・スレード大佐(アル・パチーノ)は、気難しく傲慢な男で
暗闇しか見えない自分の人生に絶望している。
チャーリーをニューヨークへと連れ出し、ウォルドルフ・アストリアのスィートに泊り、
一流レストランで飲み食いし、最高の女を買い、フェラーリを乗り回し、
そして彼は拳銃で自分の頭を打ち抜く計画だった。
何も知らないチャーリーは振り回されて面食らいながらも
頑固老人の意外な素顔も知り、段々彼に惹かれていくのだが…



20年前に観た時も、そして今回も不思議に思ったことがあります。
(内情はともかく)表向きはフェアということを非常に大事にするアメリカ人。
こんなアンフェアな取引を、一流校の校長が生徒に持ちかけるという設定があって
いいのだろうか?と。
友人を密告すれば一流校への推薦、拒否すれば退学だなんて。
しかも、その悪戯をした友人たちというのは金持ちの息子で
チャーリーがバイトに励む間にも、スイスでスキーを楽しんだりしている。
それほど親しくもない、そんな友人の為に、自分が犠牲になって学校を辞めるのか?
しかし級友を裏切ることはできない。
全校生徒の前で懲罰委員会にかけられたチャーリー。
フランクは圧倒的な迫力のスピーチで校長の理不尽さを責め、
チャーリーの高潔さを褒め称えるのです。
そのスピーチが懲罰委員会の、そして全校生徒の心を動かし、
拍手喝采を浴びるというところは何ともアメリカ的なのですが…
映画なのだといえばそれまでなのですが。



盲目の退役軍人を演じるアル・パチーノの演技がお見事。
眼球がまったく動かないのです。
しかもNYでフェラーリを乗り回して警官に尋問されるシーンでは
盲人が見えるふりをするところを演じるという複雑さ。
有名な、タンゴを踊るシーンの美しさにはうっとりするばかりです。
生きる希望をなくした頑固老人と、純粋で真面目な高校生との友情。
下品なスラングと毒舌に満ちたフランクは、チャーリーとのふれ合いによって
人間の高潔さと優しさとを我々に見せてくれるのでした。

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