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ロシアの未来

2009-04-03 19:32:00 | オルタナティブ通信

ロシアの未来



「ロシア・プーチン帝国の権力の源泉」、より続く。

http://alternativereport1.seesaa.net/article/116378695.html





書物短評 : G・A・ジュガーノフ 「ロシアと現代社会」 自由国民社


 世界恐慌の強い風圧を受け、ロシア経済が大打撃を受けている。プーチンの人気も下落の一途を辿っている。

ロシアのプーチンに一貫して反対・敗退して来たロシア最大野党の党首ジュガーノフ、その後継者は、プーチンに何らかの政策的ミスが生じれば、「ロシアの政権与党に就く可能性」がある。そのジュガーノフの思想について語っているのが、本書になる。

 10世紀、成立間もないロシアの前身キエフ・ルーシ国家は、ドイツ騎士団等のヨーロッパ勢力から繰り返し軍事侵略を受けていた。その時、ロシアはモンゴルの支配下に入り、ヨーロッパからの侵略を回避した。

ロシアは、ヨーロッパを敵とし、モンゴルというアジアの大帝国を「味方」とし、その「支配下」に入ったのである。現代においては、これはアジアに偏在する一大勢力たるイスラムとの連携を想起させる。

ロシアとイスラムとの「協力」。ロシアには、この「外交・軍事カード」が存在する。

 ヨーロッパと「敵対するに当たり」、イスラムとロシアが組む。ユーラシア大陸における、この戦略は、ユーラシアVSアメリカ大陸では、EUとロシアが「結び」、米国に敵対する戦略に姿を変える。ロシアは世界戦略的には、ユーラシア主義を採用する。

プーチンのロシアは、「表面上」中東戦略では、イランを支援し、パレスチナのハマスを支援し、米国・イスラエルに敵対する。これがロシアの「伝統的?な、イスラム主義=大ユーラシア主義」である(注1)。

その代表格が、ジュガーノフである。そのためジュガーノフは、欧米一辺倒のエリツィン路線には極めて批判的であった。プーチンは、このジュガーノフと、エリツィン主義との間を「右往左往している振り子」でもある。

このジュガーノフを「退け」、欧米寄りのメドベージェフがプーチンの後任になった点に、世界中が考えていた程、プーチンはロシア民族主義にも走らず、欧米への敵対政策も採用せず、「一度、抜いた刀を、再度、懐に納めた」プーチン・ロシアの姿勢が出ている。

世界1位の天然ガス、2位の原油生産力と言う、エネルギーの切り札は、その生産設備の老朽化から、欧米諸国に敵対出来る程の「自信をロシアに与えなかった」とも言える。

 その判断は妥当であるが、次世代に、このジュガーノフと、その後継政治家達が主導権を握る時代が来る可能性も存在している。

外交・軍事では、相手の持つ複数のカード全てに、対抗し得るカードを持つ必要がある。日本に、その準備は、存在するか?

 やがて分断されたイスラム世界が「統一」の予兆に揺れ、アメリカ、ヨーロッパへの「強い対抗勢力」として世界政治の舞台で「君臨し始める」時代が来る。イスラム世界は、この伝統的なロシアの「ユーラシア主義」を、「利用する」であろう。ロシアも、欧米への「牽制」として、イスラムを「使う」であろう。

 EUは、対米面での「覇権復活」の目的で、ロシアのユーラシア主義と手を組むであろう。この時、「必要に応じて」EUは、ロシアのイスラム主義を、バックアップするであろう。

中東製の天然ガスと、ロシア製の天然ガスを混合したライターが、アメリカ合衆国という超高層ビルの各所に仕掛けられたダイナマイトに点火する日が来る。



*注1・・・プーチンを支えるロシアン・イスラエル・マフィアは、中東戦争で兵器販売の売り上げを伸ばす事が目的であり、プーチンがアラブを支援し、米国がイスラエルを支援し、兵器を米国・ロシアが供給し、戦火が拡大する戦略を取る。ロシアが「表面上」アラブを支援するのは、この戦略上の「必要」があって行われる。

ロシア民族主義が、イスラム民族主義に「呼応」する等、世界は、そのような「観念的民族主義思想」で動いてはいない。プロ野球の「同じ巨人軍ファン」同士が、居酒屋で意気投合し乾杯した後、居酒屋の外に出、冷たい「現実の風」にあたり、酔いが醒めれば、その他人同士の「意気投合」等、瞬時に忘却される。民族主義者同士の「意気投合」等、この居酒屋の乾杯よりも、酔いが浅く、「醒めるのが早い」。

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