格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

かんぽの宿出頭拒否竹中平蔵氏を証人喚問すべし

2009-04-07 19:02:41 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

かんぽの宿出頭拒否竹中平蔵氏を証人喚問すべし
「かんぽの宿」疑惑に関連する重要な情報を提供し続けてくださっている「Tokyonotes 東京義塾」様が、国民新党の長谷川憲正参議院議員の4月3日付メールマガジンの内容を紹介下さった。


3月10日付記事「徹底追及「郵政民営化・かんぽの宿の闇を暴く」」に記述したように、社会民主党の保坂展人議員が主催した東京阿佐ヶ谷ロフトAでのトークライブでは長谷川議員とともに私もゲストとしてお招き賜り、「かんぽの宿」と「郵政米営化」の実態について、2時間超の討論に参加させていただいた。


当日の模様は社会民主党OfficialWebに動画としてアップいただいているので、ぜひご高覧賜りたい。3月3日に国策捜査で小沢一郎民主党代表の秘書が逮捕されるまで、「かんぽに宿」疑惑は拡大し、国民からも真相の徹底解明を求める声が拡大していた。


ところが、3月に入り、政治権力が警察、検察権力を利用して政敵を追い落とそうとするという卑劣な政治謀略が白昼堂々展開され、政治権力に迎合するマスメディアが報道空間を西松建設問題一色に染め抜き、与党の悲願である小沢民主党代表辞任をなんとか実現させようと、血眼(ちまなこ)になった。


民放各局はいまなお小沢氏辞任誘導に執着し、4月6日のテレビ朝日番組「TVタックル」では、完全に自民党工作員に堕落したと言っても過言ではないような福岡政行氏が、自民党幹部にアピールしようとしてなのか、懸命に小沢氏辞任を求める稚拙で醜悪な姿を晒(さら)した。


この手のテレビ番組はまともな政治評論家をただの一人も登場させない。「正義と公正」の正反対を強引に主張する醜悪な行動を野放しにする電波屋には、政権交代が実現した暁に、然るべき鉄槌(てっつい)が下されることになるだろう。


話が横にそれたが、政治資金規正法に関する小沢氏秘書の問題はまったく取るに足らないことがらだ。「取るに足らない」と言うよりも「言いがかり」に近い。大竹まこと氏が正論を主張し、勝谷氏もこの問題では正しい主張を示したが、番組は、メディアの偏向を糾弾する勝谷氏の指摘を地で行くかのような偏向報道を続けた。


「政治資金規正法」で摘発するなら、公正に、平等に、同じ問題を有するすべての議員を摘発しなければならない。そうなれば、自民党議員で摘発を免れる議員はほとんど誰もいなくなるのではないか。


この問題よりも「かんぽの宿」疑惑の方がはるかに重要である。国民の貴重な財産が特定の人々の利益のために、食い物にされた現実がある。不正に利得を得たり、与えようとした人物が存在するなら、その人物は刑事的に処罰されなければならない。東京地犬検国策特別捜査部は、こうした国民に対する背信行為をターゲットにはしないのかも知れないが、そうであれば、国会が権力を行使して、真相を明らかにしなければならない。


長谷川憲正議員のメルマガの内容を「Tokyonotes東京義塾」様の記述から引用させていただく。


「国会の方も色々あり、毎日忙しくやっております。今日(3日)は先般、日本郵政から総務省に提出されていたかんぽの宿問題の17の段ボールの資料の分析結果が出ました。同時に、日本郵政に対して改善命令が出されました(6月末までに改善報告、その後4半期ごとに措置状況報告)。


総務省は精査・分析した結果16の問題点があると指摘しました。


1.国民共有の財産の譲渡という認識に欠けている(基本的認識)
2.減損処理で低い帳簿価格となるというマジックが隠されていた。
3.収益改善に向けた努力がない。
4.入札手続等の公平性・透明性がない。
5.重要事項を入札参加予定者に開示していない。
6.最終審査で検討されるべき「最終審査表」が事後的に作成された。
7.「最終審査表」に新会社の副社長の名前が明記、その名前の副社長が5人の審査員の1人だった。
8.「最終審査表」の評価内容があいまい。
9.オリックス不動産との契約書における「譲渡制限」があるが、但し書きが付けてあり、オリックスの判断で譲渡ができることとなっている。
10.オリックス不動産との契約書における「雇用の確保」は、十分な雇用確保が達成されると言えない。
11.メルリリンチ日本証券がアドバイザーとなっているが、その選定過程が不明瞭。
12.今回の譲渡先選定方法の説明が二転三転、国民利用者に対する説明責任を果たしていない。
13.重要な問題について口頭での確認事項が散見される。
14.日本郵政の意思決定者(最終決定権者)が不明確。
15.社宅の評価額が、適正な譲渡価格とはいえない。
16.120万人分の「かんぽの宿メンバーズカード」の個人情報保護の尊守がなされていない。


今日は15:00から日本郵政への改善命令、15:30から総務大臣の記者会見が行われました。


日本郵政は簡保特別会計から資産を引き継ぎ、とにかく安くオリックスに譲渡しようとするまさに出来レースが浮き彫りにされた感じです。


重要事項についても取締役会や契約相手先などに口頭報告、口頭確認、口頭説明ということが多く経営体制が大丈夫かと思わせるところもあります。報告書では企業統治(ガバナンス)と言っています。


また、アドバイザ-から2度(平成20年8月、平成20年11月)にわたって「売却中止」を含めた選択肢の提示を受けていたにもかかわらず、社内で十分な検討もぜず強行したことが明らかになりました。


また、かんぽの宿は赤字経営だと言われていましたが、メルリリンチが作った入札参加者へ提供した資料によると、平成21年は27億円の赤字ですが、来年22年からは10億円、13億円、16億円、17億円、17億円と毎年黒字経営ができることなっています。


7日(火)には参議院総務委員会でかんぽの宿の集中審議があります。午前中参考人聴取、午後質問です。参考人に竹中平蔵氏を指名しましたが、やっぱり出てきませんでした。私も質問ではトップバッターで厳しく追及することとしています。衆議院総務委員会も7日の午前中この問題について集中審議をするようです。」

(ここまで引用。太字は本ブログによるもの。)


「かんぽの宿」不正売却問題の全容が明らかになってきた。日本郵政が「かんぽの宿」を不正に低い価格で「オリックス不動産」に売却しようとしていたことがほぼ確実になったと見て良いだろう。


2008年1月のアドバイザー会社契約時の稟議(りんぎ)書では、売却想定価格が640億円で計算されていた。この金額であれば、資産価値の実態と比較しても、それほどの違和感は生じない。「かんぽの宿」疑惑を否定する論者は、懸命に109億円の正当性を主張してきたが、109億円が不当に低い価格であることは、このことによって明確に証明されたと言える。


また、アドバイザーからは二度にわたって売却中止の選択肢が提示されたが、日本郵政が安値売却を強行したことも明らかになった。


さらに、竹中平蔵氏などが「安値売却の最大の根拠」としてきた、「かんぽの宿」収支が2010年から黒字になると見込まれていたことまで明らかにされてしまった。


日本郵政が何の理由もなく、このような不正を行うはずがない。


①「かんぽの宿」を不正に安い価格で買収できれば「オリックス不動産」は不正に利益を獲得できる。
②日本郵政が不正に安い価格で「かんぽの宿」を売却することは不自然であり、そのような行為は株主に対する「背任」にあたり、リスクを伴う行動である。
③日本郵政の不合理な行動を説明できるひとつの仮説は、「オリックス不動産」から日本郵政関係者に「金品等」が渡され、その関係者が「金品等」の見返りに「便宜供与」を図ったとする見方である。


「かんぽの宿」疑惑追及にあたっては、誰が、どのような経緯で、このような「不正入札」を誘導したのかを明らかにしなければならない。


問題は、今回の「かんぽの宿」売却に留まらない。日本郵政公社時代に売却された日本郵政資産での「不正売却疑惑」が明らかにされている。資産売却が特定の「インナーサークル」のなかでだけ実施された疑いがある。


こちらの問題も全容を明らかにしなければならない。


そのためには、国会が参考人を招致して詳細を問いただす必要がある。竹中平蔵氏は3月17日の衆議院総務委員会での参考人出頭要請があったにもかかわらず、ボイコットした。


「やらせ」や「出来レース」の民間メディアには頻繁(はんざつひんぱん)に登場し、稚拙でまったく説得力のない詭弁を展開しているが、「郵政民営化」を担当した責任者として出席して、すべての疑惑に答える責務を負う国会での供述をボイコットするとは何事であるか。


私は番組内容を確認していないが、竹中氏は4月6日のテレビ朝日番組でも「かんぽの宿」に関連して発言したようである。民間メディアに出演する時間があるなら、その前に国会に出て責任を果たすべきだ。出席を拒否すればするほど、竹中氏に対する疑いが濃厚になってゆく。


国会は、竹中氏が参考人招致に応じないのであれば、「参考人招致」から「証人喚問」に切り替えて、竹中氏の出頭を要請するべきである。


「かんぽの宿」売却規定は2005年10月21日に成立した日本郵政株式会社法附則に、法案確定直前に潜り込まされたものである。この方針を指示したのが竹中氏であり、疑惑の本尊でもあるからだ。国会が国政調査権を適正に活用することが強く望まれる。


まずは、本日の参議院総務委員会および衆議院総務委員会での集中審議を注視しなければならない。


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北朝鮮ミサイル発射とオバマ大統領CTBT推進演説

2009-04-07 18:39:50 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

北朝鮮ミサイル発射とオバマ大統領CTBT推進演説
4月5日、北朝鮮が人工衛星打ち上げを名目に長距離弾道ミサイル「テポドン2」と見られる飛翔体を発射した。北朝鮮はすでに核兵器を保有し、さらに核兵器の長距離運搬手段を確保しつつあり、北朝鮮の軍事開発を抑止しようとする西側諸国の意図はことごとく踏みにじられている。


日本は北朝鮮の行動を2006年10月の国連安保理決議1718違反として、国連安保理での北朝鮮非難決議の採択を求めているが、北朝鮮は飛翔体を人工衛星と主張しており、中国、ロシアは非難決議採択に慎重な姿勢を示している。


米国のブッシュ政権は北朝鮮を「テロ支援国」と指定し、さまざまな制裁措置を実施したが、北朝鮮の孤立化が北朝鮮の軍事開発行動をかえって助長するとの見解もあり、ブッシュ政権末期に米国は北朝鮮に対する「テロ支援国」指定を解除した。


北朝鮮はさまざまな外交交渉を続けつつ、結果的に見れば、核開発、ミサイル実験停止などの国際社会からの要請をことごとく否定する行動を取り続けて現在に至っている。米国を中心とする国際社会の北朝鮮への働きかけが、結果としては完全に失敗に終ってきたことが明らかになっている。対北朝鮮外交を根本から練り直す必要が生まれている。


日本政府と日本のメディアは北朝鮮のミサイル発射を連日、大々的に喧伝(けんでん)、ならびに報道してきたが、北朝鮮に対する外交をどのように展開すべきかとの建設的な論議を深めようとするよりは、北朝鮮の軍事技術開発の現実をセンセーショナルに伝え、日本の国防増強キャンペーンが展開されている感を否めない。


内閣支持率低迷にあえぐ麻生政権は国民の目を外敵に振り向けさせ、内閣支持率上昇を目論んでいると考えられる。ところが、北朝鮮の軍事的脅威を強調し、国防体制の整備を強調する麻生政権が、北朝鮮のミサイル発射に関して、信じられない誤報を発してしまった。日本の危機管理体制の欠如を高らかに国際社会に宣伝してしまった。その責任が明確化される必要がある。


さまざまな経緯はあるにせよ、北朝鮮の軍事開発が日米の強い牽制にも関わらず、着々と進行している現実がある。北朝鮮はすでに核実験に成功し、ノドンならびにテポドンの発射実験を繰り返してきた。日本のみならず、米国までもが北朝鮮の核の脅威にさらされる現実が広がり始めている。


日本政府の対応、メディアの報道姿勢からは、日本の軍事力強化を誘導しようとの姿勢が強く感じられるが、日本が軍事力を強化して解決する問題ではないことを十分に認識する必要がある。


拙著『知られざる真実-勾留地にて-』(下記)第三章「不撓不屈」第6節「平和国家の追求」に記述したが、NPT(核拡散防止条約)は根本的な不平等性を有している。米国、ロシア、中国、フランスの核保有を容認し、これ以外の国の核兵器保有を認めないとする条約である。


しかし、インド、パキスタンの核保有によりこの条約は事実上崩壊した。しかし、米国はインドと原子力協力の条約に批准し、イスラエルの核保有も容認している。


NPTは多くの矛盾を抱えており、日本はCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准を米国に求め、核兵器廃絶に努力を注ぐべきである。


この点に関連して、米国のオバマ大統領は4月5日、訪問中のチェコで核廃絶に向けた政策演説を行い、核兵器の新たな生産を阻止するため、核兵器原料の生産を検証可能な形で禁止する「兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約」の交渉開始を目指す方針を明らかにした。


CTBT(包括的核実験禁止条約)は、現在148ヵ国が批准しながら、米国などが批准していないため未発効となっている。オバマ大統領はこのCTBTについて「迅速かつ積極的に批准を追求する」と述べ、上院の批准などに全力を挙げる考えを表明した。


さらに、オバマ大統領は核安全保障に関する「世界核安全サミット(首脳会議)」を「向こう1年以内に米国が主催する」と表明し、各国に参加を呼びかけた。


超大国米国の指導者として初めて「核兵器なき世界」を目的とする包括交渉を提示し、ブッシュ政権の政策を明確に転換する方針を示した。この方針転換は画期的であり、世界はようやく「核廃絶」の方向に第一歩を踏み出す可能性を示した。


核兵器では、「第二撃能力」が問題とされた。核攻撃を受けたときに反撃する核攻撃能力を持つことによって、核攻撃を抑止できるとの考え方である。しかし、この「相互確証破壊(MAD)」理論はもはや通用しなくなり始めている。テロリストが核を持ち、核を使う脅威が現実のものになり始めているからだ。


北朝鮮との交渉には強い忍耐力と高度の戦術性が求められる。日本は、「拉致」という重大な問題を北朝鮮との間に抱えている。日本人のすべてを救出することがまずは優先されなければならないが、北朝鮮の裏側には中国やロシアも存在しており、単純に圧力だけをかけて問題が解決するわけではない。


国際情勢を踏まえ、北朝鮮の暴発を回避しつつ、北朝鮮を話し合いの場に引き出して、主要国と連携しつつ、現実的な問題解決の方策を探ってゆく以外に有効な問題解決の道はない。


国際社会に正義と平和を希求する見解を表明し、国際世論を醸成することに取り組むことは正しい。しかし、感情的に軍事拡張路線に突き進むことは、問題の解決にまったく貢献しないことをしっかりと肝に銘じるべきである。


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