すべてが出来レースだった会期・菅氏退陣時期問題
菅直人氏の退陣時期に絡む国会の会期延長問題が、70日延長で決着する見込みである。
本ブログでは、6月10日に
「菅直人氏が退陣時期先送りに血眼になる本当の訳」
と題する記事を掲載した。
ここに記述したことが、その通り現実化していると観察する。
会期延長問題をめぐり、菅直人氏と民主党執行部との間で確執があったと伝えられた。すなわち、早期退陣を求める執行部に対して、菅直人氏が退陣時期を先送りする意向を強く示したというものだ。
しかし、これらの報道を額面通りに受け取ることはできない。
すべてが、出来レースであった可能性が高いのだ。
すべてを貫いた縦糸と横糸があった。
縦糸とは何か。菅直人後継代表、次期首相選出方法をめぐる思惑である。
横糸とは何か。財務省悲願の消費税大増税をこの機会に押し通すことである。大増税は、チャンスに一気呵成に突進する以外に実現の可能性は乏しい。震災復興にかこつけた、今回のチャンスをものにすることが、財務省の至上命題である。
これらのすべてのシナリオを描くのが、米官業政電の利権複合体=悪徳ペンタゴンである。米国による支配、官僚による支配、大資本による支配を、今後も未来永劫にわたって維持したい支配者はその実現を利権政治屋と電波産業に託す。
この構造を破壊するのが、主権者国民勢力である。2009年8月の総選挙で主権者国民勢力が大勝し、主権者国民勢力による政権を樹立した。
悪徳ペンタゴンは、この構造が堅固に強化されないように、2010年の参院選に向けて激しい攻撃を展開した。民主党の小沢-鳩山体制に総攻撃をかけて、この政権の破壊、政権の強奪に成功した。
悪徳ペンタゴンが政権を強奪して樹立したのが、菅直人旧政復古政権である。しかし、菅直人氏の力量不足、人格欠陥により、菅直人政権は退陣の危機に追い詰められた。
問題は民主党の次期代表選である。この代表戦で小沢-鳩山勢力が新代表を掌握すると、悪徳ペンタゴンによる日本支配維持に支障が生じる。
今回の問題処理を貫いた縦糸とは、この点を意味する。つまり、次期民主党代表選で、小沢-鳩山勢力が新代表を掌握しないための方策を取ることが、すべてにおいて、最優先されたのである。
具体的には、民主党代表選の時期を9月に先送りすることである。岡田克也氏は9月になれば、党員・サポーターを含む代表選を実施できることを示唆してきた。しかも、党員・サポーターの登録締め切りは6月末である。
つまり、この間に、次期代表選に向けて、党員・サポーター票を大量確保する工作活動を展開できるのである。これを利用して、昨年9月同様、悪徳ペンタゴンによる新代表確保が画策されていると考えられる。
昨年9月14日の民主党代表選では、党員・サポーター票の集計をめぐり、巨大不正が実行された疑いが濃厚に存在している。
菅直人氏が90日以上の会期延長を求めたのは、最終的に70日で決着するための、のりしろ付きの提案だったのだ。執行部とのやり取りは、基本的に演技であった疑いが濃厚である。
今回の問題処理を貫いた横糸は、消費税大増税問題である。菅直人氏は8月末まで総理の座に居座り、この間に、2015年消費税10%の政府方針を閣議決定しようとしている。
閣議決定に持ち込めば、既成事実化し、次期民主党代表選での争点化を避けられるとの読みである。
もう一つの悪徳ペンタゴン政党、本家悪徳ペンタゴン政党である自民党も、縦糸と横糸で、民主党悪党と同じ立場に立つ。すなわち、民主党次期代表に小沢-鳩山勢力が再浮上することを阻止したいと考える。また、国民に不人気の消費税大増税を退陣する菅政権に基本処理をしてもらいたいと願っているのである。
かくして、国会の50日会期延長はすべて出来レースだった。
悪徳ペンタゴンは、悪徳ペンタゴン体制を擁護する、二大政党による、日本の二大政党制を確立したいと考えている。米国による支配、官僚による支配、大資本による支配、米官業による支配体制を擁護する二大勢力が政権交代を繰り返しても、悪徳ペンタゴンは安泰なのだ。米国のおける民主・共和二大政党制と近い状況を日本に誕生させたいと考えている。
この目的を実現するためには、民主党内の主権者国民勢力を去勢しなければならない。そのための工作活動が執拗に展開され続けている。
主権者国民勢力は結集して、次期民主党代表選を勝利しなければならない。消費税増税よりも前に、官僚利権を根絶することが優先されなければならない。沖縄辺野古の海を破壊する巨大軍事基地建設をなし崩し的に容認してはならない。
次期民主党代表選に向けて、主権者国民勢力は総力を結集しなければならない。