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映画「1911」

2011年11月19日 11時18分42秒 | 映画・社会

映画「1911」を見てきました。
この映画は、1911年中国で起こった「辛亥革命」を描いた大作です。

題名を「辛亥革命」や「孫文」にせず、その年代を題名にした理由を、この映画を見て分かりました。
つまり、この映画の主役は、孫文でもなく、この革命自体でもなかったのではないでしょうか?

辛亥革命が本当に始まったのは、1895年の広州起義より始まっており、1911年に武力制圧に成功するまでの16年間を一気に凝縮することは難しく、それらの話は駆け足となり、エピソードを断片的なストーリーの寄せ集めとなったのは仕方がないことなのでしょう。

この映画は、ジャッキー・チエンの100作目(本当は違うらしいのですが・・・)で監督、製作を担当し、孫文の親友でもあり参謀の黄興の役で出ていますが、主役が孫文なのか、それとも映画後半では袁世凱が軸となって話が進み、主役が分からなくなっていきます。

 
   中華民国の成立を宣言する孫文           袁世凱  

   

歴史映画でもあり、戦争映画でもあるのですが、この映画で言いたいのは、今から100年前、中国にとって歴史上外すことが出来ない出来ごとだけではなく、この精神や意志が今の時代にどれだけ引き継がれているのかを問いかけているのではないでしょうか?

ジャッキーが語るように、辛亥革命がなければ、今の中国もなかったことでしょう。
革命の大変さ、困難さが描かれ、特に資金の調達は困難を極めます。

そこには、日本を含む海外からの援助、特に華僑の支持を得たのは大きかったようです。

翌1912年1月1日に、孫文は中華民国の成立を宣言し、その後、宣統帝が退位したのを見届けた孫文は、約束通り、袁世凱に大総統の地位を譲ります。

   

映画はここで終わっていますが、歴史は、これで平穏無事に終わるはずがありません。
孫文と袁世凱との対立は、続き、外国からの干渉も厳しくなってゆくのですが・・・・

この映画には、戦闘場面が多く、いくらの命が奪われたのか、余りにも大きな犠牲の上に立って起こった革命も、これで終わりではなかったのです。
特に最初の戦闘場面で、多くの兵士が海中に沈められ場面が印象的でした。

日本では、1911年は、明治44年にあたりますが、この辛亥革命の孫文は、日本での44年前の坂本竜馬を連想させます。
がこの時の、明治維新も多くの犠牲が伴いましたが、違いは、国土の広さは当然ながら、良し悪しは別にして、国が一つにまとまったか、どうかの違いだったのでしょうか・・・